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春は新生活の予感!!くらしの基準と数字の特集
著者 白鳥 敬

春は新生活の予感!!くらしの基準と数字の特集

水の節約の基準 ドラム缶何本?

洗濯機で洗濯するとき、いったいどれくらいの水を使うのでしょうか。1回の洗濯では約165リットルの水を使うといわれています。ドラム缶1本がほぼ200リットルですから、ドラム缶の83%ほど、感覚的にはほぼドラム缶1本分に近い水を消費します。なんかすごい量ですね。

ちなみに、筆者の家ではひと月に、18立方メートル(=18000リットル)ほどの水を使っていますが、これはなんとドラム缶90本分にもなります。このように考えると節水の大切さが実感できます。

ちなみに、最近の洗濯機には、節約(節水)モードがついているものが増えてきていますので、これを選べば、だいぶ節水できます。

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シャワーはお風呂より水を節約できる?

日本では、浴槽にたっぷりお湯を入れて入浴するのが普通ですが、外国ではシャワーだけのところも多いようです。日本でも、シャワーだけで入浴する人が若者を中心に増えているようですが、シャワーと浴槽にお湯を入れるのではどちらが水を節約できるでしょうか。

シャワーは、使い方によって水の出る量はかなり違ってきますが、一般的にいって、1分間に12リットルの水を使うといわれています。ですから、シャワーを5分間使えば、60リットルの水を使うことになります。浴槽にはおよそ200リットルのお湯が入りますから、普通に浴槽に入るよりシャワーの方が水を節約できそうですが、シャワーは流しっぱなしなだけに、時間がたてばたつほど水を多く使うことになりがちですから、気をつけないといけません。のんびりシャワーを浴びているとあっというまに浴槽1杯分の水(お湯)を使ってしまうでしょう。

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電気の消費量〜節電の効果は?

携帯電話は、1分間通話するといくら、という目安があるので、便利ですが、電気代はなかなか目安を持つことができません。携帯電話のように、今月はいくら使ったかをいつでも確認することができれば便利なのですが。

実は、電気料金が携帯電話料金のようにシンプルにいかないのは、電気の使用量に応じて単価が違うからです。東京電力の場合を例にとってみますと、電気料金は、使用電力量によって1段料金・2段料金・3段料金というふうに分かれています。1段料金は、120kWhまでで、1kWhあたり15円58銭、2段料金は120を超え300kWhまでで、1kWhあたり20円67銭、3段料金は300kWhを超える場合で、1kWhあたり22円43銭となっています。

100wの電力を消費するパソコンを毎日5時間使うとすると、2段料金なら、1日当たり約10円の電気代がかかることになります。1段料金なら、約7.8円ですみます。

電気料金を安くあげるコツは、こまめに節電することはもちろんですが、1カ月の使用量が120kWhを超えないようにすることもポイントですね。

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節電すると二酸化炭素の排出量も減る?

地球の温暖化が問題になって、二酸化炭素の排出量を下げることが世界各国の課題となっています。個人で温暖化防止に貢献できることといえば車の運転を控えるなどがありますが、節電も二酸化炭素排出削減に効果があります。

東京電力によると、1kWhの電力を発電すると、0.29kgの二酸化炭素が排出されるそうです。これは、火力・水力・原子力など全発電所の平均値で、火力発電所だけだと、0.51kgになります。(2000年度の値)

100wの消費電力のテレビを1時間見ると100whの電力を消費しますから、これで0.029kgの二酸化炭素を排出したことになります。毎日5時間テレビをつけっぱなしにしたとすると、一月で約3kgの二酸化炭素を排出することになります。

このように考えると、電気代を節約するだけでなく、資源を大切にする意味からも、地球環境を守る意味からも、電気は大切に使う必要があることがよくわかりますね。

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電話代ってどこまで安くなっている? 3分10円いまや昔

IP電話が話題になっています。駅前などで無料でモデムを配る業者も出るほどで、その過熱ぶりはすごいものがあります。IP電話というのは、音声をインターネットで使われているデータに変換してインターネットを通して通話をする電話のことで、日本全国どこへでも、3分間8円くらいの安い通話料で通話できるのが特長です。また、同じ接続業者を使っている人どうしのIP電話はなんと通話料無料ということで、長電話族には欠かせないものになりつつあります。

ところで、1分間で人間は何文字くらい話しているのでしょうか。アナウンサーは原稿を読むとき、1分間に350字から400字くらい読みます。つまり1分間にこの量の情報を伝達するわけですが、その情報伝達速度をデジタル的な数値に換算すると、1秒あたり約107ビットのデータを送っていることになります(1分間に400文字の場合)。3分間では19200ビット。

いまADSL回線で1秒に300キロビットの帯域を使用した場合、文字データなら3分間に337万5千文字の情報を送ることができます。こんなに大量の文字を送れる回線を使いながら、IP電話では、普通の電話と同じように“話した”場合、同じ時間でたかだか1200文字分の情報しか送らないことになります。IP電話にはインフラが極端に安いという大きなメリットはありますが、情報の扱い方だけから見ると、なんとも豪華でバブリーなメディアということになりますね。

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電話の伝えている音には、何か規格が?

人間の耳は、20Hzの低音から2万Hzの超高音まで聞くことができますが、電話の音は、音声周波数の上限が3400kHzでカットされています。音にうるさいAVマニアから見ると、なぜ、そんなに低い周波数で切ってしまうのだ、と憤りを感じるかもしれませんが、人の声の周波数は、ほとんどが3400Hz以下に収まっているのです。

いま大流行のADSLは、アナログ電話回線に3400Hz以上の高い周波数の信号を流して高速通信を行っているものです。ADSLモデムを接続するときは、スプリッタという装置を電話回線とモデムの間に入れますが、これは、3400Hz以下の信号を電話機に、それ以上の高い信号をモデムに振り分ける装置です。

ところで、最近は、テープレコーダに代わってICレコーダーが普及してきましたが、これは、ほとんどの機種で、音声周波数の上限が3500Hzから4000Hzくらいになっています。これは、音声を録画する目的のICレコーダでは、これくらいあれば音声を録音するのになんの不足もないことと、データ量を増やすとバッテリーの持ちが悪くなるからというのがその理由です。

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100gを簡単に知る方法

お寿司やさんは、握り寿司1個の重さが、どれもほとんど同じ重さになるように握ることができるそうです。熟練した職人さんは、まったくの勘で機械と同じくらい正確に重さを感じとっているです。いっぽう、これを「すごいなぁ」と思ってしまう私たちは、手に持って実感する重さと数字で表される重さとが、うまくつながっていません。

では私たち素人が、たとえば100gという重さを、はかりを使わず簡単にはかる方法はないものでしょうか。

スパゲッティー1人分100gをはかるとしたら…にぎり加減で目分量を出すのではなく…。正確ではありませんがいい方法があります。それは、片手に携帯電話を持ち、もう一方の手にスパゲッティーを持つことです。最近の携帯電話は、どれも100gちょっとですから、いい目安になるのでは? ま、筆者の独断により計量方ですから、真似はなさらなくてけっこうですが。

ところで、この重さっていったい何を言うのでしょうか。物の重さは正確には質量ですが、日常生活においては、手で物を持ったときに感ずる力、つまり地球の重力によって引っ張られている物体が手に及ぼす力です。地球の重力は、赤道地方と極地方では違うので、もしもばね秤で重さを測ったとすると、北極で1kgの金塊は赤道付近で測ると、995gほどになってしまいます。てんびん秤を使えば、どこにいても、基準となる重さと同じ重さの量を測ることが可能です。

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徒歩何分って何メートル

新生活といえば、住まい探しがまたたいへんです。適度に広くて、南向きで、周辺の環境がよくて、駅から近くて、家賃が安いとこ、などと条件をつけていると、なかなかいい物件がみつからなかったりします。

ところで、物件の広告には必ず「駅から徒歩10分」などとありますが、徒歩何分かをどうやって決めているかをご存知でしょうか。これは、道路の距離80mを徒歩1分として計算してあります。徒歩10分なら800mということです。しかし、この時間は時速4.8kmで歩く成人男性が基準になっており、また、信号待ちの時間や上り坂・下り坂により歩く速度の違いは考慮されていませんから、あくまでも目安です。

徒歩1分で80mという速度から、逆に100mを何分で歩けるかを計算してみると1分15秒になります。100m=1分15秒という目安も持っておくとなにかと便利かもしれません。駅から500mくらい離れているのなら、大雑把に言って6分くらいかな、と暗算できるのでは。

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新しい住まい――間取りの数字

アパートの広さは、何畳とか何平方メートルで表しますが、初めて部屋探しをするときは、どーもイメージがつかめないものです。また、畳の枚数で表す何畳という言い方は分かりやすいのですが、実は地域によって畳1枚の大きさが微妙に違っていたりします。

たとえば、近畿地方より西で使われている京間と呼ばれる畳は、191cm×95.5cm、中部地方で使われている江戸間は182cm×91cm、静岡より東の地方で主に使われいる五八間は、176cm×88cmと、東京に近づくほど小さくなっています。戦後、団地が登場した頃は、団地サイズという160cm×80cmの’極小’の畳が使われたこともあります。同じ6畳間でも、東京の部屋はずっと狭いのです。

俗に「豊かさ指標」と呼ばれた「新国民生活指標」では、住みやすさ全国1位は富山県で、持ち家率も1人当たりの畳数も全国1位でした。一方、東京などの大都市は最下位クラス。それで、畳の大きさだけでなく、1人当たりの畳の数をふまえた、総合的な住宅指数(あるいは単位)というものがあったら楽しいかもしれませんね。1トヤマを標準とすると、東京は0.3トヤマとか…。

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引越ししても使えるの?50ヘルツと60ヘルツ

家庭用の交流の電気には50ヘルツと60ヘルツの2種類あることは、よく知られています。これは、明治時代に外国から導入された交流発電機が、関東にはドイツのアルゲマイネ社製の50ヘルツ、関西にはアメリカのゼネラルエレクトリック社製の60ヘルツの発電機が導入されたからです。現在も、東京電力、東北電力、北海道電力は50ヘルツ、それ以外の電力会社は60ヘルツです。日本で初めて発電所がつくられたのは明治20年頃ですが、その頃は、麹町、神田、京橋といった東京の中心部に発電所があったそうです。

ところで昔は、周波数の違う地域に引っ越した場合に、レコードプレーヤなど交流の電気でそのままモーターを駆動している電気製品は、部品を交換する必要がありました。最近の電気製品は、直流で動くものが多く、また、両方の周波数に対応していて、自動的に切り替えてくれる製品が増えてきましたので、周波数の違いを、それほど気にする必要はなくなってきました。

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