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春は新生活が始まる季節――《生活のお手本》のキーパーソンからキーワード
 

栗原はるみ

カリスマという流行語がすたれた昨今でも人気を保ち続ける…カリスマ主婦といえばこの人である。

静岡県下田市

伊豆半島先端の景勝地であり、近海からあがる魚類・岩のり・塩から・わさび漬け等々の産物でも知られる。

また栗原の出身地。両親は印刷業経営。栗原の母・菊間博子(1922生)は毎朝4時半に起床し、従業員の分も含めて三食プラス夜食のご飯を毎回炊き、冷たい飯は決して食べさせなかったという。ゴマが好きなところや料理のレパートリーなど受けた影響は大きく、2003年3月には、母との共著「覚えておきたい母の味」が出版された。

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栗原玲児

1933〜 栗原はるみの夫。テレビ朝日「モーニングショー」などで人気を博したキャスター。2人が結婚したのは玲児40歳、はるみ26歳のとき。根っからの専業主婦だったはるみだが、ホームパーティなどでの料理のうまさが口コミで評判になり、テレビ番組「夕食バンザイ」の制作に裏方としてかかわるように。やはりこのサクセス・ストーリーには、玲児の存在が大きい。その後、はるみは女性誌「LEE」での焼肉特集がきっかけで料理研究家として一本立ちし、今日に至っている。玲児自身もかなりの料理好きで、洋風の料理はその薫陶によるところも大きいとのこと。

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ゆとりの空間

栗原プロデュースによる、生活提案型ショップ。1995年営業開始。食器やキッチン雑貨を扱うほか、カフェやレストラン、フローリストの併設も。原宿が本店で、ほかに藤沢、京都、広島、博多に店舗がある(2003年3月現在)。料理のみならず、器や花飾り、家事の工夫、ホームウェアまで栗原が提案する「楽しい暮らし」のエッセンスがたっぷり盛り込まれている。

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エプロン

apron  料理の時などに身につける前かけ。栗原は大のエプロン好きで、とうとう自らデザインするようになった。巻きスカート風、ワンショルダーのもの、そのまま外に着ていけるエプロンドレスなどさまざま。エプロンが好きな理由については「ほかの人よりもエプロンをしている時間が圧倒的に長いので、洋服と同じように自分らしいものを着たいと思うようになった」と語る。

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さもない

「たいしたことではないが、ちょっとよいこと」の意で、栗原がよく用いる言葉。たとえば、朝のゴミ出しを少しでも楽しくするため、Tシャツの上から着られる小ぎれいなジャンパースカートタイプのエプロンを考案したり、秋には木の葉型の皿を玄関に飾って気分を出したりと、生活を楽しむちょっとした工夫がこのことばで表現される。本来は「大したことはない」というだけの意味だが、「…が、ちょっとよい」のは栗原的用法である。

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テレンス・コンラン卿

Sir Terence Conran  1931年英国ロンドン生まれ。家具のデザイン、インテリアやレストランのプロデュースなどを手がける。1973年にはじめた「ザ・コンランショップ」はロンドン、東京、パリなど世界中で展開。栗原夫妻もこの店のファンでよく足を運んでいるが、1998年、ロンドン旅行の折、コンラン卿との対面が実現した。

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たれ

料理につける味のついた汁。栗原はたれやソースに対するこだわりが強く、自身「永遠のテーマ」とよぶほど。その理由として「いちいち量る面倒がない、味が決まりやすいという利点もあるが、新しいたれができるとどんな料理に合うかと思ってドキドキする」と語っている。このテーマの著作に「たれ・ソースレシピ」などがある。

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ウースター

Worcester 英国ロンドンから北西へ約180キロにある都市。ソース発祥の地といわれ、ソースに特別な関心を持つ栗原はイギリス旅行の際、真っ先に訪れたという。ホワイトソースやアメリケーヌ・ソースというものもソースと呼ぶのだということを日本人が知るはるか以前、中濃ソースやとんかつソースといったソースすら出る以前の日本では、ソースはウースターソース(正式にはWorcestershire sauceのようなもの)のみであった。ちなみにウースターソースの起源は、同地の主婦が野菜や果物の残りを塩、酢、こしょう、香辛料と混ぜて数ヶ月保存していたところ、味も香りもよくなっていたことによるという。または、同地の企業リー・アンド・ペリンス社が19世紀半ばに開発したとも。

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ハルラー

栗原の信奉者の総称。栗原にあこがれ、髪、着る物、ライフスタイルまでそっくりまねようとする。1999年、三越銀座店で行われた「栗原はるみフェア」には主婦を中心に十万人のファンが詰めかけた。一時流行した「アムラー」などは言葉だけでなくその存在も廃れたが、「ハルラー」の場合、その支持層は根強く生きつづけている。

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「すてきレシピ」

栗原が扶桑社から刊行している季刊ムック。96年3月創刊。料理はもちろんのこと、器、エプロン、飾りつけ、庭づくり、日本や世界各地のおすすめ名産・名店などなど、栗原流・人生を楽しむアイディアのエッセンスがつまったシリーズ。毎号、30万部前後の売れ行きを示すという。それは驚異的なことだ。

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有元葉子

栗原とならぶ人気料理研究家。雑誌編集者をへて専業主婦となり、三女を育てる。家庭料理からベトナム、イタリア料理まで、斬新でシンプルなレシピが人気だが、特にイタリアンに定評がある。自身、伊ウンブリア地方に第二の家を構えるほどのイタリア好きで、年に数ヶ月はイタリアで生活。著書に「イタリア田舎生活の愉しみ」など。

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