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危機管理のキーパーソンからキーワード
 

アメリカの危機管理

FEMA

Federal Emergency Management Agency。アメリカ連邦危機管理庁。1979年設立。大統領直属の機関で、国家のすべての緊急事態の管理と災害対応活動の管理が目的である。現場で混乱に陥りやすい消防、警察、軍隊、自治体など関係組織間を調整するのが主要任務。同時多発テロ後の処置においても、FEMAの災害対応モデルが有効な役割を果たした。

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FRP

Federal Response Plan。連邦応急対応計画。災害対応管理の青写真としてあらゆる災害に適用される。災害対策にかかわる連邦政府の組織と緊急支援業務について規定がなされており、このプランに基づいて政府の応急対応活動が実施される。国防総省が災害対応すべての業務に支援機関として係わっていることで、FEMAより担当範囲が広い。

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コリン・パウエル

Colin L. Powell。1937〜。ニューヨーク市出身。米国務長官。1958年陸軍入り。ベトナム駐留軍、在韓米軍勤務などを経て、1989年、ブッシュ(父)政権下で黒人として初の統合参謀本部議長に。91年、湾岸戦争では「砂漠の嵐作戦」を指揮。35年間の在任中、28回におよぶ危機の指揮を執った。穏健派として知られ、そのためか、再選か否かにかかわらず、ブッシュ政権一期目の任期満了時(2005年1月)には辞職の意向。

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リチャード・アーミテージ

Richard Lee Armitage。1945〜。マサチューセッツ州ボストン生まれ。米国務副長官。海軍士官学校卒。レーガン政権の国防次官補を経て、01年、国務副長官に就任。パウエル国務長官の右腕。対日外交には太いパイプを有し、2000年10月、米国内の日本問題に通じた安全保障専門家のまとめた、対日政策提言の中心的起草者である。同時多発テロ後の「ショー・ザ・フラッグ」発言で有名に。一説によると映画『ランボー』のモデルのひとりともいわれる。武勇伝が多い。

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職務継承順位

責任ある役職に就く人物に不慮の事態が起こった場合、その役職を継承する人物の序列。アメリカでは、法律で大統領の職務継承順位が17番目まで定められており、全員が一か所に集まってはいけないということまで決まっている。

副大統領 → 下院議長 → 上院議長代行 → 国務長官 → 財務長官 → 国防長官 → 司法長官 …とつづく。

それにひきかえ、しばしば引き合いに出されるのが2000年のわが国、当時の小渕首相が倒れた時の対応。職務継承順位など決められておらず、首相位の空白時間が長く続くという事態が起こった。

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特殊作戦部隊(SOF)

Special Operation Forces。かつての陸軍のスペシャル・フォース(グリーン・ベレー)を復活させて1981年に編成。以来、さまざまな通常および不正規戦の脅威からアメリカの国益を守るうえできわめて重要な役割を果たしてきた。その多面的能力、地域専門知識および特殊技能をもって緊急事態対処、人道的援助、対テロおよび対麻薬作戦を遂行する。湾岸戦争においても攻撃ヘリコプターの先導、レーダーおよび通信センターの破壊、パイロット救出、潜入偵察などの任務を遂行した。

ほかに対ゲリラ戦用の訓練を受けた米軍の特殊部隊には、デルタ・フォース、海軍のSEALsなど。統合特殊作戦司令部(JSOC)が調整役となっている。総数4万6000人とも言われるが、正確には不明。

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新戦略ミサイル防衛構想(MD)

Missile Defense。ブッシュ政権における、国家ミサイル防衛(NMD:アメリカ本土を防衛)と戦域弾道ミサイル防衛(TMD:海外のアメリカ軍や同盟国を防衛)を包括した新しい戦略構想。2004年の初期配置が目標。国防長官のラムズフェルドなどが、この構想の熱心な支持者。

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緊急事態対策(EM)

Emergency Management。アメリカで「危機管理」(Crisis Management)に代えて一般的に広く用いられる語。「危機管理」に軍事的な要素が含まれ、核戦争などに限定して用いられることが多いため、自然災害や人的災害を包括的にとらえるための表現が求められ、緊急事態対策(略称EM)という言葉が使用されるようになった。

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NSA

National Security Agency。国家安全保障局。1952年設立。当初はその存在すら秘密にされ、建設予算も各省庁のなかに紛れ込ませるほど徹底していた。通信傍受、分析、報告が3大任務。他国の暗号解読・通信傍受とともに、米国の通信が他国に傍受・解読されないようにするための活動を行っている。エシュロンはNSAが統括するシステム。

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エシュロン

人工衛星などを使ったアメリカ主導の大規模通信傍受網のこと。エシュロン(ECHELON)は暗号名で、階段、階層などの意。1947年、米英がひそかに組織した。情報は国家安全保障局(NSA)に送られる。冷戦期は共産圏を対象にしたが、現在は商業通信や個人向けも傍受。2000年7月、EUの欧州議会が調査委員会を発足させた。

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