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福岡正信◆旧制松山中学福岡正信は、1913年愛媛県伊予市生まれ。1931年、旧制松山中学(現・松山東高校)卒業。旧制松山中学は1895〜96年に夏目漱石が教鞭を執ったことで有名。卒業生として正岡子規、高浜虚子、河東碧梧桐などを輩出。また、松山東高校の卒業生として大江健三郎などがいる。以後、福岡は岐阜高等農林学校(現・岐阜大学農学部)、横浜税関植物検査課勤務、高知県農業試験場勤務を経て、1947年に帰農して以来、自然農法をライフワークとしている。 ◆自然農法無農薬、無化学肥料の農法のこと。有機農法とほぼ同義。福岡の自然農法は無耕起、無除草、無農薬、無化学肥料が特徴。1950年に米麦連続不耕起栽培技術を完成させる。福岡は、1979年渡米中に国連砂漠化防止対策局長に相談されたのを機に、自然農法による緑化に取り組み始める。 ◆米麦連続不耕起栽培技術福岡が1950年に完成させた自然農法。秋稲刈りの前に、クローバーの種と麦種とをばらまき、数センチに伸びた麦を踏みながら稲刈りをする。その後、地干しにした稲わらを、田んぼ一面にふりさらす。次に稲の種籾を粘土団子にして、ばらまいたままにする。その後は、麦刈り時期にクローバーが草生し、麦収穫後に麦わらをばらまくとクローバーが枯れ稲苗が土に出る。稲と麦、クローバーの植物的特徴を活かした栽培技術である。 ◆粘土団子数十、数百種類の種(野菜、果物等)と粘土とを一緒に混ぜて直径1〜2センチの団子状にし乾燥させたもの。緑化活動ではこれが砂漠にばらまかれる。粘土団子には多くの種が混ぜられているので、蒔かれた土地に適した種だけが発芽、成長していくという仕組みである。現在、粘土団子の技術者は少なく、福岡によれば、本間裕子が世界一の技術者だと評されている。 ◆本間裕子1968年、仙台市生まれ。福岡の自然農法に共鳴し、1996年よりその手伝いをする。自然農園の山小屋で2年間暮らし、「粘土団子」の技術を修得する、ヨーロッパで「グリーンピック」、中国では「福老緑之道」という粘土団子緑化運動を実施。これまで、福岡と11ヵ国を訪れた。現在、粘土団子による砂漠緑化を必要としている地域は世界中にあり、粘土団子技術者としての本間にも数多くのオファーがあるという。 ◆「自然農法 わら一本の革命」1975年、春秋社より出版された福岡の代表的著作。現在、20ヵ国あまりで翻訳されている。無耕起、無除草、無農薬、無化学肥料の方法を紹介。不耕起直播農法ではバイブル的存在。自然農法から、禅や老荘的な「自然」と神とを同一視する思想を説き、自然という、捉えどころのないものを、「農」を通して求め続ける内容。 ◆砂漠化防止1960年代〜1970年代初頭のアフリカ・サヘル地域での大干ばつを背景として、1977年に国連砂漠化防止会議(UNCD)が開催され、「砂漠化防止行動計画(PACD)」が採択。このとき「砂漠化」が定義され、国連レベルでの取り組みがスタート。以来、国際的に砂漠化防止と砂漠の緑地化の取り組みが行われている。福岡はこれまで、アメリカ、アフリカ、インド、タイ、ギリシア、中国などで緑化に成果を上げてきた。 ◆マグサイサイ賞(The Ramon Magsaysay Award)アジアのノーベル賞といわれる。1957年飛行機事故死した親米指導者ラモン・マグサイサイ・フィリピン大統領にちなみ1958年に米ロックフェラー財団が、マグサイサイ財団(本部・マニラ)を創設。同財団が毎年、アジア地域を対象に活躍した個人・団体に贈る賞。政府、社会奉仕、社会指導、報道・文学、国際理解の五部門があり、日本人では映画監督の黒沢明、故市川房枝・元参議院議員などが受賞している。福岡も1988年に受賞。 ◆アース・カウンシル賞(The Earth Council)地球サミットの事務局長を努めたモーリス・ストロングが設立した国際的NGOアース・カウンシルによる賞。1997年3月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「Rio+5フォーラム」の際に設置が決まったもので、世界の持続可能な開発に貢献した政治家、企業経営者、学者、NGO等に授与される。第1回の日本人受賞者は、元総理大臣の竹下登、元経済団体連合会会長の平岩外四、熊本大学医学部助教授の原田正純(現・熊本学園大学教授)、そして自然農法提唱者の福岡正信であった。 ◆Rio+5フォーラム1997年開催。1992年にリオで開催された「地球環境サミット」のフォローアップを主目的に、アース・カウンシルが各国の産業界やNGO、各国政府、各種環境団体、援助機関などを招待。世界中からNGOの代表者をはじめ、世界銀行やUNDP(国連開発計画)の総裁らが集まった。元ソ連書記長ミハエル・ゴルバチョフも参加した。 |
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