月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
戦後史のお金事典
いまの私たちは“どれだけ窮まっている”のか?
 

労働・雇用のお金

生産報償金〔労働用語〕

1948年版本誌収録。以下、
生産計画の遂行率に応じて付加される賃金で、最近各工場で採用している能率賃金制の最も普及している形態。基本給や家族給はそのままに据え置いて、賃金総額の大部分を生産報償金が占めるように仕組み、これを餌にして大いに増産の実をあげようというのがねらい。生産目標を突破したときでもその賃金は労働者の生活費をまかなうことができないのが普通である。

★現在「グローバル・スタンダード」とよばれる類の方式であるが、50年前には根付かなかったのは、“永続的とも思われた”右肩上がりの高度成長と、粘り強い労働運動のおかげであった。

ページの先頭へ戻る

生活補給金(突破資金)〔労働用語〕

1948年版本誌収録。以下、
一般に赤字補填資金、飢饑突破資金などとよんでいる労働者の一時的要求賃金。毎月の賃金が最低生活費に足りないので、時折り生活補給金をとらないと生きてゆけない。本格的な賃金値上げは容易でないが、赤字補給金は一時的なものなので比較的要求がとおり易いため、この方式がしばしば採用される。

ページの先頭へ戻る

企業内福祉基金

本誌1984年版収録。以下、
企業内福利厚生はわが国の企業における特色だが、これは企業負担による在職中の本人ならびに家族への福祉の提供である。最近は在職中だけでなく、定年退職後にも福祉の提供を労使共同で行い、高齢化社会での老後生活の充実をねらった制度づくりがすすんでいる。労使共同出資による基金をつくり、その運用益で退職者に必要なサービスをおうが、公的サービスのおよばない点をカバーしようとするものである。公的年金と退職年金などによる老後の経済的安定が前提となっていること、退職後もその企業所在地に定住して生活することで企業の行う福祉のサービスがうけられることなどが、このサービスを意義あらしめられる条件となろう。

★日本の企業がこういう方面にあつかったのは、せいぜい30年程度の歴史である。

ページの先頭へ戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS