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戦後史のお金事典
いまの私たちは“どれだけ窮まっている”のか?
 

貿易・産業のお金

綿花クレジット

1948年版本誌収録。以下、

原綿の貸与をうけ、それを製品化して、その資金を返済する約束で与えられるもので、米綿輸入の形式としては政府クレジットと民間クレジットとがある。前者は昨年2次にわたって割り当てられたもので、米国陸軍省の予算で買い付けられ米国商事会社を通じて日本に貸与されたが、後者は米国の5銀行の融資分担のもとに綿花業者から直接日本に貸与されるものである。最近6000万ドルの民間綿花クレジットが与えられた。

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輸出入回転基金

《1948年版本誌収録。以下、》

日本政府保有の約1億2500万ドルの金、銀、貴金属と繊維製品の輸出代金7、8000万ドル合計約2億ドルを担保にして輸出用原材料などを輸入するための外貨を借り入れることが許されることになったので、この2億ドルをうまく回転させればかなりの輸出用原材料の輸入ができるはずである。その意味で輸出入回転基金という。

《1957年版本誌収録。以下、》

(Revolving fund)貿易のために一定の基金を設定し、その中から原料の輸入代金を支出し、その製品を輸出してその売上金から原料代を基金に振り込んでおく作用のための商業基金である。輸入のときは引出し、輸出によって補充するので回転基金と呼ばれる。米国の占領下において、管理貿易の運営の必要から、米国側によって設けられたもので、23年7月を最初とする。同年後期の繊維原料輸入は、この基金を利用したものである。これがスキップ(総司令部)商業基金として、日本側の外貨資金利用の基になったものである。

★国をあげての自転車操業である。

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輸出課徴金(ボーダー・タックス border tax)

1972年版本誌収録。以下、

貿易収支のバランスを得るために、輸出にたいして税金に似た形で課徴金をとる制度である。これは1970年度の経常収支が24億5300万ドルという大幅な黒字を計上しているために、基礎的不均衡を理由に円切上げ圧力が高まることは必至であるとして、輸出抑制策として検討された。この事例は、西ドイツが68年11月、国境税調整として4%を輸出に課し、貿易面で実質的なマルクの切上げに対応する措置をとったし、現在も本制度を実施している。わが国の保有外貨が激増して、円切上げを海外から要請されている際に、切上げ策をとらずに、西ドイツの事例によって、実質的切上げ効果をあげる目的で、通貨当局は早急にその具体策を検討しようとしていたが、すでに輸出優遇措置、たとえば輸出貿易手形の割引率を据え置いた矢先の、このような強い措置にたいし、産業界、特に輸出部門では反対の意向が強い。

★かつて為替は固定相場制をとり、1ドル=360円であった。

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