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戦後史のお金事典
いまの私たちは“どれだけ窮まっている”のか?
 

危機

第3の経済危機

1988年版本誌収録。以下、

明治維新の改革、昭和恐慌とそれに続く第2次大戦の危機に対して、現在の大恐慌症候群が現実のものとなった場合に生じると考えられる経済危機に対してつけられた言葉。一部のジャーナリストによって用いられている。その引き金となるのは、累積債務国の債務支払の延期(モラトリアム)、またはアメリカのドル急落による世界的規模での不況の進行とみられている。その衝撃度から言えば前2回の危機に匹敵できるということからこのような呼称が生まれた。1929年の世界恐慌がそうであったように、恐慌は多くの場合金融恐慌の形をとり、それが直ちに実物経済に及ぶ。しかし1930年代と異なり、今日では不況に対処するための経済政策の方法は確立されており、かつ主要諸国における世界的協調路線の方向も存在していることから、第3の経済危機の生じる確立は小さいと言われている。しかし1929年の大恐慌も当時はその確率は1割にすぎないと言われていたのである。

★このあと起こった「バブル崩壊」は、予言的中なのか?

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