月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
政治につきもののお金の事典〜収入編〜
秘書給与のピンハネくらいで足りるのか?
執筆・協力   齋藤信義(ジャーナリスト)

「心遣い」

モチ代

自民党の風習。年末に、一種の“お歳暮”として派閥の領袖から子分議員に配られるお金。現在は領袖個人が用立てるのではなく、派閥幹部が持ち寄った資金を配っている。当選回数の少ない議員には200万円、大臣経験議員には100万円程度。なかには当選回数の少ない議員に100万円、大臣経験議員にはなし、という派閥もある。未だ実力が低く・経験の浅い議員のほうに、あつく盛られるこのシステムは、ある種の“合理性”である。かつて田中角栄は、他派閥の常に2倍を支払っていたというが、現在ではそのような力のある政治家はいない。“お中元”として配られるお金を「氷代」といい、金額は同程度である。

ページの先頭へ戻る

餞別

「内閣機密費」の存在が明らかになり、「餞別」の高額ぶりが世の中に知れ渡った。「海外視察」に出かける議員に官房長官など政府要人から「餞別」が渡されるのである。議員や政党により千差万別だが、少ない議員でも数十万円、多い議員は200万円も受け取っていたという。与野党を問わず数多くの議員がもらっており、政治腐敗を嘆く声は多い。

ページの先頭へ戻る

背広代

これも与党から野党議員に流れる裏金。大臣就任挨拶とかの理由をつけ、背広のお仕立て券を送る手口で、野党の懐柔が本音である。一着数十万が相場というが、デパートなどに持ち込むと現金に代えられる点がみそ。

ページの先頭へ戻る

マージャン代

正確にいうと「賭けマージャンに勝ったお金」のこと。野党議員の専売特許。難しい政局の時や、法案審議が停滞したときに、与党議員が野党議員を誘ってマージャンをして、わざと負けるというやり方である。数時間で数百万円も“勝つ”野党議員もいたという。かっては、自民党国対族議員の必須科目はマージャンといわれた時代もあった。どの相手に、どの程度“負けるか”を決めていて、予定どおり負けるわけである。最近では以前のように派手なマージャンはなくなっている。

ページの先頭へ戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS