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経済のキーパーソンからキーワード
日本の経済を動かしているのはどんなひとなのか
執筆協力   編集工房インデックス

経済財政担当相・竹中平蔵

IT戦略会議

2000年、森喜朗首相(当時)の提唱により発足した政府機関。議長はソニーの出井伸之。情報技術を経済の牽引役とする方策を論じ合う。情報通信のインフラ、インターネットで行政手続ができる「電子政府」などが課題。竹中はこのメンバー18人の1人だった。ちなみに、98年「経済戦略会議」(小渕首相)のメンバーでもあった。民間から閣僚に起用される素地はあったわけだ。

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イエローリボン賞

日本ファーザーズ・デイ委員会、社団法人日本メンズファッション協会が父の日を記念し、1982年より設けている賞。その年もっとも《素敵なお父さん》へ贈られる。竹中は2001年この賞を受賞。長女は慶應義塾大学で竹中の講義を受講、氏の主宰するゼミにも参加した。今の時代、「こういうの」が素敵なのだろう。同時受賞はカルロス・ゴーン、羽生善治、保坂尚輝、奥寺康彦ら。

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柳澤伯夫(やなぎさわ・はくお)

金融担当大臣。衆院議員、静岡3区、当選6回。1935年生まれ。東京大学法学部卒、大蔵官僚出身。国土庁長官などを経て2001年1月の省庁再編時より現職。小泉政権発足当時から、金融機関への公的資金投入をめぐって、投入推進派の竹中と対立、犬猿の仲とされる。1999年、柳澤氏自身、金融再生委員会の長として自ら大手15行へ計7兆4500億円の資金注入を承認した当事者であり、さらなる注入は避けたい意向。

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タウンミーティング(town meeting)

小泉内閣の政策の一つ。閣僚が日本全国を回り、政策などに関して市民と議論を交わす。2001年6月から始まり、すでに全都道府県を一巡した。政府と国民が問題意識を共有しあう直接民主主義の手法といえる。米ニューイングランド地方で行われるものが、そのアイディアソースであろうが、閣僚就任前、慶應義塾大学総合政策学部の教授であった竹中の学生の提案からの発案という。

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佐藤雅彦(さとう・まさひこ)

1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。99年から慶應義塾SFC教授。電通では当初営業畑に勤めたが、87年よりクリエイティブ局に所属、CM製作に携わる。主な作品に「バザールでござーる」「スコーン」「ポリンキー」など。「だんご三兄弟」の企画者としても知られる。2000年4月に竹中と共著(経済が苦手の佐藤が竹中教授に質問する形態)で『経済ってそういうことだったのか会議』(日本経済新聞社)を出版、ヒットした。いずれも「常識を一番重要視し、誰もが喜ぶ表現を素直に創造」するスタイルが国民の人気を得ており、そういう面では、竹中、ひいては一時の小泉人気と一脈通じるものがあるわけだ。

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マクロ経済(macro-economics)

経済学の分類の一つで、ケインズによって生み出された。国の経済や失業率の動き、物価が決定するしくみなど、金の流れを大きな視点でとらえる。集計されたデータから経済の動きを分析するのが特徴。これに対して、個人や企業の経済活動を対象にするのがミクロ経済学。マクロ経済学は竹中の専門分野であり、また小泉首相・石原伸晃・塩爺等を輩出した慶應義塾の経済学が得意とする分野である。

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経済財政諮問会議

2001年1月の省庁再編とともに内閣府に設置された。経済財政政策に有識者の意見を反映させるとともに、内閣総理大臣のリーダーシップ発揮を目的とする合議機関。竹中はこの主要メンバー(塩川・速水・奥田もメンバー)として、小泉内閣発足に際し、経済政策の基本方針である「骨太の方針」(→別項)策定などに中心的役割を果たした。

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骨太の方針

経済財政諮問会議が打ち出した経済政策の基本方針。不良債権(→別項)の早期処理を最優先課題とし、(1)民営化・規制改革、(2)チャレンジャー支援、(3)保険機能強化、(4)知的資産倍増、(5)生活維新、(6)地方自立・活性化、(7)財政改革の7つの改革プログラムを掲げる。国債発行の抑制、公共事業費削減も盛り込む。

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不良債権

金融機関が貸し出した債権のうち、回収不能かもしくはその懸念があるもの。貸出先の財務状況により、どこまでを不良債権と考えるかでその額は異なってくるが、全国の銀行で30兆円を超すとされる。竹中は基本方針発表にあたって、不良債権を2、3年で処理することを目指すと発表した。

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デフレ

デフレーション(deflation)の略。物価が持続的に下がっていくこと。物価が下がるのは、貨幣価値が高まったようにみえ、消費者にはいっけん好ましく感じられるけれど、失業を増大させ貨幣経済を弱体化させるので悪と考えられる。また、景気が停滞すると、消費者がものを買わなくなり、買ってもらうためにものの値段が下がる。企業の儲けが減り、従業員の給料が減るので、消費は控えられる。この悪循環のことをデフレスパイラルという。経済財政担当相として、竹中はこの循環を防ぐ責任を担っている。

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とっちゃんぼうや

年齢の割に若い(というより子供のような)顔立ちや体型の男性をこのように称することがあるが、国語辞書的には、これは誤用である。多くの辞書の定義では「年齢の割に精神年齢の低い男」のこと。ただ、精神年齢という成長モデル自体が、実質的に崩れてしまっている現代、この言葉に意味がどれほどあろうか。

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