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これからはクルマよりも自転車なのだ
執筆者 円谷直子

これからはクルマよりも自転車なのだ

チャリダー

チャリンコ(自転車)とライダーの合成造語。通勤利用の場合は「自転車ツーキニスト」。

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自転車ツーキニスト

自転車で通勤する人のこと。東京都心で自転車通勤している自身の体験をもとにしたエッセイ『自転車ツーキニスト』(疋田智・著)でその存在を広く知られるようになった。

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ロードバイク

舗装された一般道をより速く走るために作られた自転車で、ツール・ド・フランスなどのロードレースでも使用されている。レース用のため、かつてはロードレーサーとも呼ばれていたが、最近はレース志向というよりも趣味でツーリングを楽しみたいという人たちも多く、ロードバイクという名称が定着してきた。長距離や坂道を速く走るために車体は一般の自転車(いわゆるママチャリ)より軽く、摩擦を少なくするためタイヤは細い。また風の抵抗を極力抑えるために、前傾姿勢になるドロップハンドルが取り入れられている。スポーツ自転車全般にいえることだが価格は数万円から数十万円と幅広く、なかには100万円を超えるものもある。自転車は骨格であるフレームにホイール、サドルなどさまざまなパーツの組み合わせで作られているが、どんな素材でどんな性能のパーツを選ぶかで、価格が大幅に変わってくる。一般的に軽量なほど高額になる。

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マウンテンバイク  mountain bike

通称、MTB。でこぼことした山道や砂砂利、ぬかるんだ道などの悪路を走るための自転車で、太いタイヤと衝撃を和らげるサスペンションがついているのが特徴。タイヤを舗装路向きのものに換えれば、街乗りにも使用できる。MTBが日本に入ってきたのは1980年代で、オフロードを楽しむ新しいツールとしてアウトドア派の間で浸透していった。80年代後半にはスポーツとしても盛んになり、88年に全日本選手権が初めて開催。90年にはアメリカで世界選手権が開催された。96年のアトランタ・オリンピックからは、周回コースを走ってゴール順を競うクロスカントリー競技が正式種目になっている。

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クロスバイク

通勤や街乗り用として人気のある自転車で、スポーツ自転車の中では新しいジャンル。マウンテンバイク(MTB)とロードバイクの長所がほどよく取り入れられている。MTBよりタイヤの直径が大きく、ロードバイクよりは太いため、ある程度の段差にも対応でき、距離のあるツーリングもこなせるのが特徴。ハンドルもフラットで乗車姿勢が楽なため、初心者にも乗りこなしやすい。価格も他の自転車より比較的手頃なものが多い。

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ミニベロ

小径車。タイヤの直径が小さい自転車で、折りたためるタイプのものが多く、輪行(鉄道、船、飛行機などの交通機関を使って目的地まで自転車を運びサイクリングすること)に便利。コンパクトで小回りがきき、色やデザインが豊富でファッション性が高く、街乗りとして特に女性に人気がある。見かけが小さくてかわいらしいので、あまり走らないと思いがちだが、種類によってはロードバイク並みにスピードが出るものもある。ベロとはフランス語などで「自転車」の意味。

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輪行

列車やフェリーなどで、専用バッグ(輪行袋)に自転車を分解して携帯し、移動すること。JRでは1999年から無料手回り品の規格が拡大され無料になった。飛行機の国内線では15kgの重さまで無料。

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ピスト

アメリカ・ニューヨークなどでメッセンジャー(自転車便)らが乗り出したことで人気に火がついたトラック競技用の自転車。競技用のためブレーキはなく、ペダルと後輪の動きが一体となっていて、ペダルを止めると自転車も止まる仕組みになっている。ブレーキは後づけできるが、自転車のフォルムの美しさを邪魔するなどの理由からブレーキをつけずに街中を走行する愛好者も多い。こうしたピストのことを「ノーブレーキピスト」という。近年、ノーブレーキピストと歩行者の接触事故が相次ぎ、なかには死亡事故も起こっていることから、問題視する声が大きくなっている。日本の道路交通法ではノーブレーキピストは違反で、時速10kmで走行中、3m以内で停止できるブレーキを両輪につけるように義務づけられている。

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BAA  Bicycle Association(JAPAN) Approved

自転車安全基準。自転車協会認証。製造または輸入事業者の不明な自転車が多数出回ることで、製造上の欠陥や事故が起きたときの補償をみすえて設けられた自転車の安全管理基準。自転車組立整備士または自転車安全整備士によって点検整備され、完全に組立てられた自転車であり、消費者の安全を第一に、製造上の欠陥で事故が起きた場合には製造または輸入事業者の責任で補償される。

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サイクルポート

マンションの自転車置き場で、放置自転車をなくすために考え出されたアイディアで、住戸ごとに駐輪場の区画を定める方式である。「わが家が使うのは、この区画」と決まっているので、汚い放置自転車を置くと、困るのは自分の家族。なにより、放置自転車を置いているのがどの住戸の人間か一目で分かるという利点があり、自転車置き場の秩序を守る効用が大きくなる。

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自転車特区

自民党の谷垣禎一幹事長は政界屈指の自転車愛好家として知られ、日本サイクリング協会会長、自転車活用推進議員連盟会長なども務める。その谷垣が9月20日、自ら実行委員長を務める「東京サイクリングサミット2014」の席上で、「2020年五輪開催に向けて都市インフラや都市交通の再構築を進める中で、自転車利用の日本モデル、文化を作っていく必要がある。オリンピックに向けて整備が必要なお台場周辺で自転車特区を作って、自転車レーンやシェアサイクルを運用し、テストできないか提案したいと思っている」と提言。「自転車レーンをどうしていくか、交通法規をどうしていくか、特区を作って実験していく必要がある」と構想を披露した。

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センチュリーライド  century ride

一定時間内に100マイル=約160kmの走行をめざすサイクリングイベントの一形態。国内でも各地で盛んに行われており、ロングライドとしてはさらに距離の長い大会も少なくない。このような大会が中高年サイクリストの人気を集めている一方で、ロードレースやトラックレース、オフロードレースといった純競技への参加者数は若年層を中心に、減少する傾向にある。

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シクロクロス  Cyclo-cross

自転車を使ったクロスカントリー・レース。主に冬季に開催され、コースは自転車の走力ではクリアできない障害物、激坂、砂場地帯など変化に富んだ設定がなされる。一般に男子1時間、女子30分という競技時間内でゴールライン通過時の順位を競う。自転車を担がなければならないが、コース全長4分の3は自転車で走行しなければならない。

http://cyclestyle.net/article/2014/02/04/8111.html

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BMX  Bicycle Motocross

バイシクルモトクロスの略。20インチタイヤにシングルフリーのギアを装備しているのが特徴。レース競技では8名が同時にスタートし、人工的に作られたジャンプセクションや急斜面に挑む。スケートボードのバンク競技などにも挑むことができる機能ももつ。ちなみにインラインスケートで世界的に活躍する安床兄弟が挑んでいるアクロバティックなアクションを競うXゲームでもBMX競技は人気になっている。

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BTR  Bicycle Trial

バイシクルトライアル、あるいはバイクトライアルとも言い、岩場などの障害物を自転車に乗ったまま足を着けないように越える競技。20インチ型(BMX)と26インチ型(マウンテンバイク)にギア比1対1を設定する。低速走行するための強力な油圧ブレーキを装備させ、制止状態から後輪だけでジャンプしたりするテクニックを可能にさせる。

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グランツール  Grand Tour

自転車の3大ロードレース、ジロ・デ・イタリア(イタリア/5月開催)、ツール・ド・フランス(フランス/7月開催)、ヴェルタ・ア・エスパーニャ(スペイン/9月開催)の三つの大会のこと。

自転車のロードレースには1日で行われるワンデーレースと2日以上にわたって行われ、1日ごとのタイムを競うステージレースがある。この3大ステージロードレースは後者で、1カ月にも及ぶ長い期間をかけて競うレースは他にない。平地はもちろん、山岳やタイムトライアルなどさまざまなステージレースがあるため、総合的な力を持った選手でなければ優勝はもちろん完走さえ難しい、苛酷なレースといわれている。自転車レースでは勝者にジャージが贈られることが多く、なかでもツール・ド・フランスでは、個人総合時間成績がトップの選手に贈られる「マイヨ・ジョーヌ」と呼ばれる黄色いジャージが有名だ。その他、山岳賞には赤い水玉のジャージなどさまざまな賞とジャージがある。

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ツール・ド・フランス  Tours de France

1903年に始まったフランス全土を駆け抜けるサイクリング・ロードレース。世界中で10億人が観戦するロードレースの最高峰。1日平均の走行距離160km、計20ステージ(プロローグと休息日を含め23日間)で競われる。途中設けられるアルプス、ピレネーの山岳ステージは文字どおりレースの山場。3000kmを優に超える全ステージを平均時速40km以上で走り抜け、個人そしてチーム(1チーム9名)でポイント争いする。ステージごとのゴールの順位により与えられるポイントと途中に設けられたスプリントポイント(通過順位によって加算)を多く獲得した選手には「マイヨ・ベール(緑のジャージ)」、峠の頂上ポイントを多く獲得した選手には「マイヨ・ブラン・アポワルージュ(赤い水玉模様のジャージ。最近では、マイヨ・アポワルージュとも)」が与えられる。「マイヨ・ブラン(白いジャージ)」は25歳未満のレーサーの中で個人総合タイム1位の選手が着用する。レース中もこれらのジャージを着用して走ることはこの上ない栄誉である。そしてステージ終了時点の累計で個人総合タイム1位が着用できるのが「マイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージ)」。「ジャージを守るレース」といわれるのは、いかにレースを有利に運び、エース(個人総合優勝を狙う選手)にマイヨ・ジョーヌを手に入れさせるかがチームチームの力にかかっているためでもある。

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ジロ・デ・イタリア  Giro d'Italia

1909年に始まったイタリア全土を舞台にしたサイクルング・ロード・レース。個人総合でトップの選手はピンク色のリーダージャージ「マリアローザ」を着用してレースを走り、最終日終了後にこれを着た選手が個人総合優勝者となる。個人総合ポイント賞(スプリント+ゴール・ポイントの多い選手)には紫色のジャージ「マリアチクラミーノ」。個人総合山岳賞には緑色の「マリアヴェルテ」が与えられる。ツール・ド・フランスに較べ、個人の力が勝敗を左右すると言われる。例年5月に。約3週間で走破距離は4000kmに及ぶ。ゴールはミラノ。

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ヴェルタ・ア・エスパーニャ  Vuelta a Espan

1935年に始まったスペイン一周レースのサイクリング・ロード・レース。山岳個人タイムトライアル、超難関山岳ステージが最終日前日まで展開され、マドリッドでの最終日個人タイムトライアルでゴールを迎える。個人総合1位の選手は黄金のジャージ「マイヨ・オロ」を着用する。例年9月に開催。

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UCI  Union Cycliste Internationale

国際自転車競技連合。1900年に設立された。世界選手権自転車競技大会(World Cycling Championships)を開催している。

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マイヨ・アルカンシエル

自転車の世界選手権で各種目の優勝者に贈られる虹色のジャージ。アルカンシエルはフランス語で「虹」の意味だが、色は7色ではなく5色(青、赤、黒、黄、緑)のストライプ。贈られた選手は、世界チャンピオンの証として1年間そのジャージを着て特定のレースに出ることができる。ロードレースの男子優勝者の中には、このジャージを着てからトラブルに見舞われる選手も多く、呪われたジャージと噂されることもある。

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