月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
季節の食材カレンダー☆6月の巻
著者 久保田 恵美

季節の食材カレンダー☆6月の巻

ズッキーニ  zucchini

きゅうりを太らせたような形をしていますが、「かぼちゃ」の仲間です。ズッキーニはメキシコが原産で、その後ヨーロッパ、アメリカに広まり、1970年代半ばに日本に普及しました。カロチン、ビタミンCがとても豊富ですが、カロリーは西洋かぼちゃの1/5ほど。亜鉛を含み、貧血予防にもおすすめです。選び方は、皮の緑色(または黄色)が濃く光沢があり、手に持ってみて弾力のあるものがベスト。大きめなものは成長して果肉が堅めなので、小さめな未熟なものを選ぶとよいでしょう。

基本的に油との相性がよいため、炒めもの、揚げものなどに向いています。他におすすめは煮込み料理。

例えば、きゅうりのような青臭さはないので、「夏野菜カレー」にズッキーニを使うのはいかがでしょう。ズッキーニを輪切りにし、多めな油で炒めます。しんなりと柔らかくなりやすいので、強火で炒めることがポイント。あとは、普段通りにカレーを作り、仕上げに炒めたズッキーニを加えてみましょう。歯応えのある独特な食感を楽しめると同時に、疲れをとるための栄養も摂取でき、言うことなしです!

ページの先頭へ 戻る

ホワイトアスパラガス  white asparagus

原種はグリーンアスパラガスと同じですが、日を当てないように土をかぶせて育てたものです。ユリ科の多年草で、南ヨーロッパからウクライナが原産地。古代ギリシャ時代から栽培され、日本には江戸時代にオランダ人によって伝来しました。当時は主に鑑賞用でしたが、明治以降に食用として北海道で栽培が始まったと言われています。

グリーンアスパラガスより堅いですが、ゆでることで、甘味がでることが特徴です。缶詰タイプは年中ありますが、生の鮮度の高いものは、6〜7月ごろしか入手できない貴重な食材です。きれいな白を保つためのゆで方は、お湯で酢を入れてゆでること。他に、レモン汁、白ワインでも色止めの役割をします。

おいしい食べ方には、柔らかくゆでて、手作りのソースをかけて「温野菜」として食べるのが一番。同量のマヨネーズとプレーンヨーグルトに、塩・こしょうを少し混ぜ合わせたものをベースに、細かくしたゆで卵、梅肉、ほうれん草ピューレなどを混ぜ合わせ、3種程度のソースを添えると食卓が華やかになります。梅肉が苦手な場合は、ラズベリーなどの果実で代用しても甘酸っぱいソースに仕上がりますよ。他に、塩ゆでしてからすり鉢などでピューレ状にして、市販のバニラアイスに混ぜ込めば、「即席アスパラアイス」のできあがり。洋酒などを少し加えれば、野菜臭さも消え、食べやすくなります。

また、鮮度が落ちやすいので、買ったら1〜2日で使いきりましょう。食べきれない場合は、新聞紙に包み、保存袋に入れて冷蔵庫へ。

ページの先頭へ 戻る

アスパラガス&ビタミンC

日に当たっていないホワイトアスパラガスに比べて、十分に光を浴びたグリーンアスパラガスは、カロテンやビタミンEを筆頭に、バランスよく栄養価を含む食材です。食べあわせとしては、ビタミンCを多く含む食材(例えばかぼちゃ、ピーマン)と摂取することで免疫力を高める効果が! また、油といっしょにとることで、栄養価の吸収率をアップさせるので、サラダの他に、炒めもの、揚げものとして食べることをおすすめします。

ちなみに、飲み屋などのメニューでよく見かける「アスパラのベーコン巻き(または肉巻き)」はアスパラを油と摂取する代表的な料理です。味の面での相性のよさはもちろんですが、栄養学的にも理にかなった良質メニューと言えるのです。

ページの先頭へ 戻る

グリーンピース  green peas

グリーンピースは“さやえんどうの実”のこと。「えんどう豆」の若ざやが「さやえんどう」で、さらにさやが小さく若いものが「絹さや」と分類されます。

栄養価はたんぱく質、糖分を主成分とし、食物繊維も豊富な優良野菜です。カロテン、ビタミンCはえんどう豆より多く含み、ガン予防効果、美肌効果も期待できます。

グリーンピース本来の甘味を味わえるのは3月〜6月あたり。冷凍品や缶詰は、年中手に入りますが、旬の味にはかないません。また、加工品はビタミンCがゼロなので、おすすめできませんね。

さやから取り出した豆のみでも売られていますが、鮮度保持のため、さや付きを買うことをおすすめします。さやの緑色が濃いものを選びましょう。

さやから豆を取り出す際は、筋部分を上から軽くつぶすように押すと、二つ割り状態に。中には、平均6〜8粒の豆がすきまなく並んでいて、かわいらしい姿です。

グリーンピースはそのまま塩ゆでして食べるのもおいしいですが、ちょっとひと工夫すればデザートにも変身します。おすすめは「あんこ」。グリーンピースを柔らかく塩ゆでしてうらごし、なめらかなピューレ状にします。そこに、好みな量の砂糖を加えて混ぜれば“グリーンピースあん”の完成! さらに、白玉粉に同量の水を加えて練り、丸くまるめて……たっぷりのお湯でゆでれば、白玉だんごのできあがり。その2つを合わせて、枝豆あんの「ずんだもち」に引けをとらない「グリーンピースもち」の誕生です。

ページの先頭へ 戻る

グリーンピース&貝類、緑黄色野菜

グリーンピースは単体で食べても栄養価の高い食材ですが、体にいい食べあわせが2パターンあります。

ひとつは、タウリンを含む「貝類、えび、いか、かに」、ビタミンA、C、Eを含む「緑黄色野菜」といっしょに摂取することで、悪玉コレステロールを低下させる作用があります。具体的には動脈硬化予防や肝臓強化につながります。もう一つは、ビタミンE(例えば、かぼちゃ、ニラ、ひまわり油など)と摂取することで、美肌効果も期待できます。女性にはとても魅力的な食材ですね。

ページの先頭へ 戻る

そら豆  a broad bean

さやが空に向かって上向きにつくことから「そら豆」と呼ばれ、旬は4〜7月。豆の縁にある芽の部分が黒いものは、熟している証拠で、色が薄いものは、若くて柔らかい豆です。ビタミン、たんぱく質、鉄、食物繊維などが豊富。鮮度が落ちやすいので、さや付きを買ってなるべく早く食べましょう。さやの緑がこいものがおすすめです。

塩ゆでだけで食べるときは、表面の薄皮をつけたままゆでますが、炒めたり、揚げたりするときは、薄皮を取り除きましょう。

また、おすすめな食べ方は、さやがついたまま焼く方法。サッと水洗いし、鉄板グリルがあれば一番ですが、ない場合は、魚焼きグリルにのせ、魚を焼く要領で焼きます。それもない場合は、オーブントースターでも代用可。表面が真っ黒になるまで焼くことがポイントです。やけどに気をつけながら、さやをむいて……ふんわり湯気とともに、プクッとしたそら豆が顔を出します。そのままで食べると野菜の甘味を感じられますし、塩をつけても◎。お肉といっしょに焼けば、バーベキュー気分も味わえますよ。

ページの先頭へ 戻る

おかひじき

元来、海岸の砂地に自生していた野菜で、海藻のひじきに姿が似ているところから「おかひじき」と呼ばれています。旬は3〜8月ごろ。まだまだ、これから楽しむことができる食材です。

カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分が豊富なため、ガン化防止、貧血予防、骨粗鬆症予防などの効果があります。

特徴は、シャキッとした歯応えと淡白な味わい。おひたし、和えものはもちろん、揚げものにも適しています。ビタミンDの食材・しいたけなどと組み合わせるとさらにカルシウム摂取率アップ。おかひじきとしいたけを食べやすい大きさに切り、揚げ衣を薄くつけて、揚げてみましょう。おかひじきの食感を楽しみながら、しいたけの香りも満喫してみては!

ページの先頭へ 戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS