貧者の食べ物◆貧乏人のアスパラガス poor man's asparagusリーキ(ポロネギ;ポワロ)の別名。ヨーロッパでこういわれる。アスパラガスと同じように料理に使えるうえに安価。 ◆貧乏人のパスタ貧乏人のスパゲッティ(spaghetti del poverello)のように「貧乏な(=povero)」を冠するパスタは1種にとどまらない。玉子焼きとチーズがのった類のパスタが、またオリーブオイルで炒めた唐辛子に和えたペペロンチーノ(アーリオ・オーリオ)も、もちろん貧乏人のパスタといわれる。 ◆貧乏人の生ハムイタリア食材のラルド(lardo)。ラードのイタリア語読みで、豚背脂の塩蔵熟成品。 ◆貧乏人のパンイタリアでは栗が、ドイツではジャガイモが、貧乏人のパン。ちなみに英語のことわざでは「Hope is the poor man's bread.(希望は貧乏人のパン)」。 ◆貧乏人の肉日本では「大豆は畑の牛肉」だが、トルコでは「豆は貧乏人の牛肉」。フランスのウオッシュ・タイプチーズの代表格リヴァロ(Livarot)は、「貧乏人の肉(=viande du pauvre)」といわれていたが、現在の日本でみると“肉の方が安い”。英国では、鱈がそう呼ばれる場合がある。 ◆貧乏人のチーズイタリアでは、かつてパン粉が「貧乏人のチーズ」。 ◆貧乏人の糖蜜 Poor Man's Teacle中世ヨーロッパでは、ガーリック(ニンニク)は、その滋養効果から「貧乏人の糖蜜」。 ◆貧乏人のキャビアフランスの家庭料理では、焼きナスのパテ(=ペースト)は「貧乏人のキャビア」。 ◆貧乏人のステーキ poor man's steakアメリカ英語で「ハンバーグ」。 ◆貧乏人のワインワインは、あらゆる階層の人が飲むものである一方、価格帯の幅が大きいので「貧乏人」用がたくさん準備されている。「貧乏人のムートン」=CH.ランシュ・バージュ、「貧乏人のロートブッフ」=CH.ロック・ド・カンプ、「貧乏人のシャブリ」=ミュスカデ、「貧乏人のクリュッグ」=アルフレッド・グラシアン・ブリュット。 ◆貧乏人のブランデー富者のお酒・ブランデーの貧乏人用は、ワイン製造の際に出たブドウの搾りカスを、再び醸造・蒸留させて造ったもの。イタリアではグラッパ、フランスではマール(正式にはオー・ド・ヴィー・ド・マール=Eau-de-Vie de Marc)。 ◆貧子の餅チジミ。緑豆粉、小麦粉、とうもろこし粉などで作られるお好み焼き風の韓国料理。朝鮮王朝期に、富裕なひとたちが、チジミの原形となる緑豆粉の薄焼きを貧者に施したという習俗に由来している。 ◆貧者のサフランマリーゴールド(キンセンカ)のこと。西洋食材で黄色の着色材として使われるサフランは、高価なので「貧乏人」用がある。 ◆貧者のソース poor man's sauce「空腹」のこと。 |
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