近ごろ都で売れるもの

◆J婚

結婚相手としては敬遠されがちだった自衛官だが、東日本大震災での救助活動が大きく取り上げられ、婚活女子から熱い視線を注がれている。「お堅い＝まじめ、男らしくて、頼りがいがある」という好ましいイメージがJ婚人気の理由。全国駐屯地で開かれる婚活イベントの他「自衛官専門」とする婚活会社もあるようだ。

◆毒舌タレント

相手が誰だろうと構わずに、皮肉を交えた辛辣な言葉を浴びせる毒舌タレント。人気を集める毒舌タレントは、相手をこき下ろすだけではなく、独自の鋭い観察眼のもとに言葉やタイミングなどを選びぬいているからこそ、その発言を笑いに変えられるものかもしれない。子役出身の俳優である坂上忍をはじめ、有吉弘行、マツコ・デラックスなどが挙げられる。

◆ハーフ芸人

日本人離れしたルックスの恩恵を享受して、「ガイジン」っぽく見えるハーフ芸人だが、外国語を喋らず日本語で教育を受けているので、仕草もアクセントも喋り方も、日本人そのもの。他の日本人タレントも安心して絡むことができて、視聴者も安心して見ていられる。安全パイや予定調和が大好きな日本のバラエティなどで重宝されているようだ。

◆希少糖

一部の植物などからわずかな量しか採れない希少な糖の総称で、50種以上ある。希少糖の一種「プシコース」は、カロリーがゼロで、食事と一緒に摂ると食後の血糖の上昇を緩やかにしたり、内臓脂肪の蓄積を抑えたりする効果のあることが判明した。

◆塗るデオドラント

チューブ状のクリームを指で塗るようなタイプと肌に直接つけたロールを転がして中の液体を塗るロールオンタイプがある。後者は、体臭対策の中で最も重視される部位＝わきにも直接塗れて、まんべんなく液体が行き渡り、指で塗るクリームタイプと違って手につかず便利。

◆100円朝食

学生食堂で100円の朝食を提供する大学が増えている。ご飯やパンに卵や野菜もついた充実のセットが目立つ。大学の目的は、朝食をしっかり摂ることで規則正しい食生活を身につけてもらうこと。さらに、授業の出席率向上につなげようと考える大学もあるようだ。

◆スナップチャット

スマホ上で、友達同士、親しい人たち同士で写真や動画を共有できる新しいSNSサービスのひとつ。ツイッターなどオープンな共有ではなく、知っている人同士間で画像や動画をやり取りするタイプのアプリ。送った画像、動画が残ることなく、一瞬で消えるので、際どい画像投稿の敷居が下がった。

◆ガリガリ君ナポリタン

「ガリガリ君リッチ　コーンポタージュ味」「ガリガリ君リッチ　クレアおばさんのクリームシチュー味」に続くリッチ3部作完結編となる赤城乳業の商品。ナポリタン味のキャンディーに、ナポリタン味のかき氷とトマトゼリーを入れたアイスキャンディーとなっている。全国で数量限定発売した。

◆くるみ

バラエティ番組「たけしの家庭の医学」で、くるみは血管若返りに効果的だと紹介され話題になった。ローフードでよく使われるくるみは、動脈硬化の予防と改善効果が期待できるという。番組で紹介されたくるみの食べ方は、毎日たった7個食べるだけで、血管が若返るというものだった。

◆『寄生獣』

岩明均の漫画作品で、謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生「新一」の数奇な運命を描いた物語。山崎貴監督により、実写映画化される。公開は2014年12月。また、テレビアニメ化の予定も。

◆ソリタリー

「ソリタリー」という言葉は、“ひとりぼっちの”、“孤独の”を意味する英語だが、最近は否定的な意味合いで使われていない。特徴としては、「悪口や噂話を言わない」「聞き上手」「友達が少ない」「友達を増やそうとしない」「芸術肌」「他人の干渉を嫌う」「友達は少なくても一定数の異性に好かれる」など。「ぼっち」という言葉が示す性質に近いが、「ソリタリー」の方がより独創性を発揮する人のことを指すようである。

◆デジタル耳栓

周囲のノイズ除去効果をもつイヤホン型機器が発売された。電源をONにすると騒音をカットするノイズキャンセリング機能が作動して、電車の走行音や車のエンジン音、エアコンの空調音などの環境雑音を遮断する。アナウンス放送や人の声は聞こえるため、移動中の乗り物やカフェなどで集中したいときに便利らしい。発売元はキングジム。

◆日帰り宇宙旅行

いよいよ民間企業による宇宙旅行が実現しようとしている。もちろん当面のプランは宇宙空間をかすめて戻ってくる日帰り旅行が現実的だが、それでも費用は一人2550万円。

◆グラノーラ

カロリーを抑えた簡単でヘルシーな朝食として「グラノーラ」が人気を集めている。グラノーラは、オーツ麦をはじめ複数種類の穀物やナッツ・ドライフルーツを混ぜあわせてローストしたシリアルの一種。また、より甘みを抑えプレーンな素材を味わう「ミューズリー」もテレビや雑誌で注目された。

◆ようかい体操

「妖怪ウォッチ」のエンディングテーマ「ようかい体操第一」が子どもたちの間で大盛況。2013年に発売されたニンテンドー3DS向けに発売されたゲームソフト「妖怪ウォッチ」が原作。マンガ連載やアニメ放送など複数のメディアで展開され、瞬く間に大ブームとなった。特に関連グッズの「妖怪メダル」は小学生を中心に流行、全国各地で品切れが相次ぎ、社会現象に。

◆大人AKB

秋元康がプロデュースするアイドルユニットAKB48が、期間限定で30歳以上の新メンバーを募集した。5066人の応募から選ばれたのは、2児の母親で専業主婦の塚本まり子さん。ニックネームは「まりり」。過去の活動者も含めグループ最年長メンバーとして、江崎グリコ株式会社「パピコ」のCMにセンターポジションで出演。期間終了の8月の「卒業」まで話題を集めた。

◆クロナツ

ニューヨーク生まれの人気スイーツが日本に上陸。その名も「クロナツ」（クロワッサンドーナツ）。クロワッサン生地を焼かずに揚げることで、“サクサク”かつ“しっとり”とした食感を楽しめる。アメリカ・ニューヨークにあるベーカリーショップのドミニク・アンセル氏が考案して発売したところ、各種メディアで取り上げられ世界的なヒット商品に。

◆スープメーカー

ミキサー機能に加えて、加熱調理ができる調理器具。新鮮な生ジュースやスムージーはもちろん、本格的な野菜煮込みスープも手軽に作ることができ、コーンポタージュ、クラムチャウダー、リゾット、豆乳、おかゆなどバリエーション豊かなレシピに対応。たっぷりの野菜を毎日手軽に味わえると人気。

◆ハリーポッター

映画や小説で人気の『ハリー・ポッター』シリーズのテーマパーク施設「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）にオープン。ハリーたちが学ぶホグワーツ城や、魔法使いの住むホグズミード村など、物語を忠実に再現した魔法世界がファンを魅了した。

◆マンガボックス

ディー・エヌ・エー（DeNA）が配信している週刊雑誌アプリの名前。アプリ・購読料は無料。出版社と協力して制作したコンテンツを毎日数作品ずつ更新するもので、人気マンガ家の描き下ろしや人気マンガのスピンオフ作品などが読める。常時、最新号を含む過去12号分のバックナンバーが閲覧可能。編集長は、「金田一少年の事件簿」「神の雫」の原作を手がけた樹林伸。

◆CGホームビデオ

アメリカの映画会社ドリームワークスでCGアーティストとして勤務するダニエル・ハシモトが、息子を撮影したホームビデオを編集。日常風景を写したありふれたホームビデオが、アクション・ヒーローも顔負けの映像作品となって話題になった。

◆黒猫のウィズ

スマートフォン専用のゲームアプリ「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」（コロプラ発売）。プレイヤーは、クイズに答えながらカードバトルやオンライン対戦を繰り広げる。攻撃力が高い強力なスキルのカードを持っていても、クイズに正解しなければ敵を倒すことができず、ゲーム攻略のためには幅広い知識が要求される。

◆干し野菜

身近な野菜を干して作る「干し野菜」「乾燥野菜」が静かなブームに。調理法はシンプルに、切って干すだけ。干すことで野菜のうま味が増し、保存性も高まる。数時間だけ干して半ドライ状態にする「ちょい干し」や、時間を短縮する「電子レンジ干し」「温風干し」「オーブン干し」などの干し方もある。

◆体脂肪分解

「伊右衛門　特茶」（サントリー）は、脂肪の「分解」に着目したトクホ（特定保健用）食品。「体脂肪を減らす」のを助ける、という謳い文句も手伝って、発売当初から人気が爆発した。

◆ボタニカル柄

2014年の春夏ファッションは、自然のなかにある植物、木や花などの絵柄がプリントされたボタニカルファッションがトレンドに。ナチュラルでシンプル、カジュアルなのにエレガント。上品さをまとった装いは、世代を超えて多くの女性の支持を得た。

◆富岡製糸場

群馬県富岡に設立された日本で初めての本格的な器械製糸工場。1872年に開業し、日本の絹産業の発展、また近代化に大きく貢献した。2014年6月、「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産登録。操業停止以降の維持管理の良さなどが高く評価され、登録に至った。

◆ボカロ小説

ヤマハが開発した音声合成技術であるボーカロイド、略してボカロ。キャラクターを擁したボカロ楽曲が人気を博す中で、その世界観をノベライズ＝小説化したものが中高生などに人気。ボーカロイドの認知度の高まりから、新しいメディアミックスの創作形態としても注目されている。代表的な作品に『カゲロウデイズ』など。

◆グノシー

今日のニュースを3分でまとめ読み。情報が増え続ける社会において、適切な人に適切な情報を届けることを目的とした情報配信アプリ。東京大学大学院生が立ち上げたグノシーのサービスは、フェイスブックの「いいね！」や、ツイッターでのツイートやリツイートなどの情報からユーザーの関心を解析し、本人がさらに興味を持ちそうな情報をメールで配信する。どんな記事に関心を寄せているかを学習し、使うほどに興味ある情報の精度が高まっていくという機能をもっている。

◆村上水軍

日本の中世に瀬戸内海で活動し、その名をはせた水軍。海の豪族ともよばれ、南北朝時代には瀬戸内海の制海権を握る勢力を持った。2014年第11回本屋大賞を受賞した和田竜著『村上海賊の娘』は、この村上水軍当主の娘を主人公としたエンタメ小説。

◆ツムツム

スマホ向けアプリ「ディズニーツムツム」の略称。ディズニーストアで大人気のぬいぐるみTSUM TSUM（ツムツム）を集めてつなげていくLINEゲームで、App Storeでも1位を獲得するなど大人気。小さくて愛くるしいキャラクターのぬいぐるみを実際に「積みあげ」ていくことからTSUM TSUM（ツムツム）という名がつけられているとか。

◆ふくらはぎマッサージ

高血圧や冷え症、足・腰の痛みなどの不調を、「1日5分ふくらはぎをもむだけ」で血流がよくなり改善される、と説く『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』（槙孝子著、鬼木豊監修、2013年6月発売）。順調に売れて、14年上半期総合第1位となった。手軽ですぐに実践できて毎日続けられる、というところがヒットのゆえんか。

◆Vine

ツイッターで使えるアプリケーションソフトで、写真をつなぎあわせることで動画を投稿することができることで人気のVine。最長時間が6秒なので、2013年1月のサービス開始から続々と6秒動画がアップされ、6秒間の動画が繰り返し再生されている。

◆人をダメにするソファ

あまりの快適さに座ったり寝転んだ人が「ダメ人間」となってしまう、とネットで話題になった。正式名称は「体にフィットするソファ」という無印良品の商品。微粒子ビーズと伸縮性のあるカバーで、体のかたちにあわせ自在に変形することによって、半身をあずけて座れる横置きと全身を伸ばして寝転がれる縦置き、ふたつの座り心地が楽しめるという。

◆ポップコーン

2013年2月に東京・原宿に上陸したのがポップコーン専門店「ギャレット ポップコーン ショップス」。アメリカ・シカゴで1949年に創業。契約農家で育てた大粒のトウモロコシを使用し、ポップさせる際には2種類の形をしたポップコーンで絶妙なバランスでミックスさせる。秘伝のレシピで職人が手づくりし、出来立てだけを提供するというところに、おいしさのヒミツがあるという。

◆アナ雪

2014年3月に国内公開されたディズニー映画『アナと雪の女王』が、世界中でヒットしただけでなく日本でも大ヒット。映画の興行収入としても歴代の記録を塗り替えた。現代的ストーリーもさることながら、劇中歌の「Let It Go」の魅力もあいまって爆発的人気となった。この歌の誕生は、制作途中までは悪役であったはずの雪の女王である姉・エルサまでもが主役となったほどに影響力があったという。日本語版では松たか子がエルサ役を、神田沙也加が妹アナ役の声優として劇中の歌も歌い上げている。ユーチューブなどの動画サイトでは、幼児から大人までが「レリゴー〜」となりきって歌う姿が世界各地で再生されている。

◆絶景

『死ぬまでに行きたい！世界の絶景』（詩歩著、2013年7月刊）という本が話題となり、出版界では柳の下のドジョウを狙った「絶景本」が続々と刊行された。実際には行けなくても「行った気分を味わえる」写真の数々だが、「絶景」というネーミングの良さがヒットの一因か。

◆宇宙望遠鏡ケプラー

地球に似た惑星を探すことを目的に2009年に打ち上げられたケプラー望遠鏡。観測データの分析から、太陽系外に715個もの新たな惑星が回っているのを確かめたとNASAが発表した。ほとんどが地球の4倍以下の大きさで、そのうち4個は地球のように恒星から適度な距離にあるが、実際に生命を育む環境があるかどうかは不明とのこと。なお、ケプラーは13年夏に故障し、ミッションは終了している。

◆フリクション

「こすると消えるフリクション」筆記具は開発から30年。2013年12月には「フリクションいろえんぴつ」がパイロットから発売された。全12色。フリクション全体に言えることだが、証書類や宛名書きには向かない。「消える」ということを忘れてはいけない。時代を変えた画期的な商品である。

◆艦これ

角川ゲームスが開発しDMMが配信する艦隊育成シミュレーションゲーム「艦隊これくしょん（艦これ）」。駆逐艦や巡洋艦など旧日本海軍の艦艇を萌えキャラクターに擬人化した100隻以上の「艦娘（かんむす）」を集め育てカスタマイズし、自分だけの最強艦隊をつくる、というオンラインゲーム。2013年4月に配信を始め若者の人気をよび、ゲームの人気から「艦船模型」の売り上げも伸びているという。史実を基に設定されているというが、ゲーム感覚で戦争を考えることに不安を感じるという層と、戦史に触れることで理解を深めることができるという層と、賛否あるようだ。

◆アニソンエクササイズ

アニメソングに合わせて楽しく踊りながら「くびれボディ」の実現を目指すという“アニソン・エクササイズ”が人気に。考案者は、米歌手マドンナのワールドツアー専属ダンサーに抜擢された経験を持つプロダンサーのTAKAHIRO（上野隆博）で、DVD付き書籍が出版されている。

◆ハスラー

軽自動車で定評のあるスズキが売り出した「ハスラー」が大ヒット。ワゴンの広い室内空間、スポーツ用多目的車（SUV）の走行性能、カラフルで個性的なデザイン、そんな「遊べる軽」は、若者世代の車離れを引き止めることができるか。

◆FCV

トヨタ自動車は、水素で走り水しか出さない燃料電池自動車（Fuel Cell Vehicle＝FCV）を、2014年度中に日本で市販を始める。予定されるFCVはセダン型4人乗りで、価格は700万円程度。水素の充填にかかる時間は約3分で、最大航続距離は約700キロメートル。水素を補給する水素ステーションの普及がカギになる。

◆眠りビジネス

「よく眠れる」というサプリメントや、睡眠状態を計測できる睡眠計など、快眠サポート商品に注目が集まっている。そんななかで、寝具としては高反発マットレスパッド「エアウィーヴ」はコストパフォーマンスが比較的良く、スポーツ選手も愛用するレベルの睡眠を得られるということで人気が集まっている。

◆ハイレゾ

「ハイ・レゾリューション」の略で、「高い解像度」という意味。ハイレゾ音源は従来の音楽用CDのサンプリング周波数・量子化ビット数を上回る音楽データで、情報量が格段に大きい。

◆プロジェクションマッピング

ビデオプロジェクターで、建物や物体、空間に映像を投影する技術のことだが、東京ディズニーランドのアトラクション「ワンス・アポン・ア・タイム」で広く知られるようになった。