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「平成ヒストリア」その10=平成10年、総不況の日本列島に凡人総理が挑戦する

「平成ヒストリア」その10=平成10年、総不況の日本列島に凡人総理が挑戦する

日本列島総不況

小渕内閣発足で経済企画庁長官に就任した堺屋太一氏によれば「日本列島総不況」。景気動向は「停滞」から「低迷」というべき状況、さらに地域経済動向調査をみても「列島総不況」は決定的。

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冷めたピザ

1998年7月12日参院選、自民党大敗。それを受けて辞任した橋本龍太郎首相の後継者として有力視された小渕恵三外相(当時)を指して米ニューヨーク・タイムズ紙は「冷めたピザ」と表現した。対して、小渕当人は「ピザはレンジに入れれば温まる」と自宅前で報道陣へピザを配り、オルブライト米国務長官からも「私は熱いピザより、冷めたピザの方がスキよ」と投げかけられた。

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凡人・軍人・変人

自民党総裁選に立候補した小渕・梶山・小泉の三候補を、田中真紀子は「凡人・軍人・変人」と呼んで総裁選挙を「棚卸し」とこき下ろした。梶山静六は旧陸軍士官学校出。変人は異端の小泉純一郎。さらに「どうせ在庫一掃、ガレージセールだ」と。結局勝利したのは凡人・小渕恵三だった。

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経済再生内閣

自称〈ボキャ貧〉の小渕首相が内閣組閣のときにひねり出したキャッチフレーズ。停滞ムードの真っ直中、参院選での大敗を受けて辞任した橋本内閣の後継である。経済を再生しないことには国民の支持が得られるはずもなく、党の存亡さえここにかかっていた。

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ボキャ貧

オレは〈ボキャ貧〉だからなァと小渕首相。国会でうまく答弁ができない自分をグチっているが、世の中全体が流行語欠乏症でもあり、それを評して〈ボキャ貧〉状況とするならば、なかなかの批評センスをお持ちではないか。

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ベル友

ポケットベルで知り合う友人。このころ高校生の暮らしをポケベルが支配。雑誌にも「ベル友募集」という告知欄が登場。携帯電話の普及であっという間に「メル友」に取って代わる。

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老人力

「忘れっぽくなった」のは老人力がついたからである。つまり忘れっぽくなると警戒心がなくなって新しいものが入りやすい状態になり、それは活性化だと解釈する。赤瀬川原平が造語。『老人力』(筑摩書房)は、世の中高年を中心に賞賛の声とともに迎えられベストセラーに。

「いよいよ俺にも老人力が付いてきたぞ」。なんとも好都合な用語は世界一の高齢大国のニッポン人を勇気づけた。

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平成の毒婦

和歌山市園部の住宅街で開かれた自治会主催の夏祭りで、カレーにヒ素が混入された。住民は互いに疑心暗鬼となって、気まずい空気が流れたが、まもなく保険金疑惑によって容疑者が逮捕される。マスコミは彼女を〈平成の毒婦〉と呼んだ。

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貸し渋り

金融機関は自己資本比率規制を達成するため、総資産圧縮を余儀無くされている。金融機関が融資基準・融資条件を厳しくした結果、健全な企業までが必要な資金を調達できなくなる。

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自己責任

生命保険会社の経営破綻に際して、個人個人に「自己責任」ということばが突きつけられた。どうやら、ただカネを預けていれば済む時代ではなくなったということらしい。「日本版ビッグバン」は、金融機関の改革だけでなく、消費者にとっても大ゴトであることが発覚。97年の自己破産申立件数(個人)は6万件を超えた。

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環境ホルモン

正式には内分泌かく乱(化学)物質という。体内に入り込むと、種々のホルモンの分泌異常を起こして正常な代謝機能をかく乱し、生殖機能を破壊するなど深刻な症状を引き起こす。ごみ焼却時に発生するダイオキシンに内分泌かく乱作用があることや、学校給食で使用するプラスチック食器や塩化ビニール製のおもちゃにも環境ホルモンが含まれていることが明らかになり、深刻な問題になった。

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お宝

人が大事にする「お宝」を、専門家が鑑定し値段付けを行なう「開運!なんでも鑑定団」というテレビ番組が人気に。〈お宝写真〉といえば、人気女優やアイドル歌手が、そのデビュー前やメジャーになる前に撮られた水着グラビアやヌード写真のこと。

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美白

デパートなどの化粧品コーナーには「美白」「ホワイトニング」商品があふれる。美白の流行が高まったのは、極端な厚化粧で人びとの度肝を抜いた、「白肌の女王」の異名を得た鈴木その子女史の登場にも一因がある。

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ハマの大魔神

38年ぶりのセ・リーグ優勝を遂げた横浜ベイスターズのリリーフ・エース佐々木主浩投手に与えられたあだ名。不況の中、一人勝ちした横浜市には大魔神社まで設けられ、参拝者で賑わった。

守護神の佐々木主浩は45セーブ、防御率は0点台という抜群の成績を残し、最優秀選手(MVP)賞等を受賞。相手チームに、「(9回は佐々木が出てくるので)横浜戦は8回まで」と思わせるほどだった。

横浜の優勝を祈願するため横浜駅東口の地下街に「ハマの大魔神社」が設置され、翌年撤去されるまでに約1660万円ものお賽銭が集まったというエピソードまである。

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ショムニ

ドラマ『ショムニ』(フジテレビ系)が4月から始まった。満帆商事会社の地階にある総務部「庶務二課」。そこに配属された落ちこぼれOL集団6人が社内の「悪」と戦い、彼らを屈服させる。脚立に乗って蛍光灯を交換する江角マキコの長い脚、サバサバした姉御肌、そして水戸黄門的展開が視聴者をスカッとさせ、スタート時から高視聴率を記録した。そのため、シリーズ化され、2002年の第3シリーズまで続いた。

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不適切な関係

1998年8月、クリントン米大統領はテレビ演説で、ホワイトハウス元実習生ルウィンスキさんとの「不適切な関係」を認める。12月、下院で大統領の不倫疑惑をめぐる弾劾審議の開催が予定されていたが、折りよく米英両国によるイラク攻撃が開始され、審議延期とした。

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だっちゅーの

子どもを中心に日本中で大流行した久びさのギャグ・フレーズ。お笑いコンビ「パイレーツ」の決めゼリフ。笑えないギャグを連発した後で、〈どうだ!〉といわんばかりに両手を前で合わせ、二の腕でバストを挟むように盛り上げる。お笑いギャグとして久々に流行語大賞に選ばれた。

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