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スラングと現代用語の交差点
執筆者 小野寺僚(おのでらりょう)

スラングと現代用語の交差点

傑作だから大丈夫

東京都における表現規制の運用に関し、手塚治虫の『火の鳥』を引き合いに「傑作は規制しない」という発言が都側からあったのを受け、都内某書店が18禁コミックのPOPに掲げた言葉。ここから論議を呼びそうなものに対して、しばしば「傑作だから大丈夫」「傑作なら仕方ない」などのコメントが見られるようになった。

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全俺が泣いた

「感動した」「思わずもらい泣きしてしまった」の意。もともとは「全米が泣いた」という、ハリウッド映画などが日本で公開される際に使われる宣伝文句のうさんくささをパロディ化したもの。

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フラグ

ドラマ・アニメ等において、その後の展開を示す何らかの前兆。単に「フラグが立つ」と言うと、恋愛関係に陥る前兆を指す場合が多い。他によく言及されるものに「死亡フラグ」があり、「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」が有名。この台詞を口にした人物は、ほぼ確実に死亡するとされる。

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本当にありがとうございました

一見丁寧な形式で皮肉を表す定型文。「どう見ても○○です」とセットで使われることが多い。(例)「『8000人のファンがつめかけた』と発表されていましたが、映像ではどう見ても80人です。本当にありがとうございました」

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電凸

「でんとつ」と読み、「電話突撃取材」の略とされる。特に、問題を起こした企業・団体等に直接問い合わせて抗議したり、対応を調査したりすること。その結果はたいていネット上に公表される。

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工作員

特定の企業などの依頼を受けて、評判を上げるために一般人を装ってネット上に書き込みをする人。特に、批判・抗議などによって「炎上」が起こった場合に、反論したり流れを変える書き込みをする人を指すことが多い。IPアドレスなどから工作員であることがばれ、つるし上げられることもある。

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スネーク

ある場所に潜入調査する人。おもに、ネット上に公開された情報を元に現地に赴き、その結果をまたネット上に、多くはリアルタイムで公開する人。しばしば当人の意に反してさらされた個人情報を用いる。「スネークする」と動詞形で使われることもある。元は有名ゲームの主人公の名前。

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誰得

「そんなことをして、いったい誰の得になるのか」の省略形。意味不明な物や、明らかにターゲットを見失った企画等に遭遇した際に用いられる。基本的には非難の意を表すが、逆に度を超えた物に対する称賛の含みを持つこともある。これに対して「俺得」は「一般的には需要がなさそうだが、自分にはうれしい事態」に対して用いられる(「何という俺得!」)。

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ガンジーでも助走つけて殴るレベル

「それ以上考えられないほど酷いもの」を表すことば。人生をかけて非暴力を貫いたガンジーを引き合いに出し、さらにそうした人間が「助走」をつけてまで殴るという形で、その比類なさを示している。

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