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いま注目を集める「ニュースな人名」
執筆者 白井和夫

いま注目を集める「ニュースな人名」

沢穂希  さわほまれ

女子サッカー「なでしこジャパン」の看板選手。女子ワールドカップ・ドイツ大会6日目の7月1日、メキシコ代表にハットトリック(3度のゴール)を決め、男女を通じた代表通算78点という最高記録も打ち立てた。今大会では4強に終わったものの、日本の女子サッカー界を引っ張り続けてきたベテランとして最高の見せ場を作った。トップ下の攻撃的MFからボランチ(守備的MF)に転向したことで相手の隙を突くパターンを獲得。今後もさらなる活躍が期待される。

1978年9月6日、東京都府中市生まれ。

小学2年からサッカーを始め、15歳で代表デビュー。今年からINAC神戸に所属。W杯には5回出場。五輪代表に3回選出。164センチ、55キロ。「女釜本」とも「キング・サワ」とも呼ばれることも。

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佐々木則夫  ささきのりお

サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」をワールドカップ初優勝に導いた監督。優勝を決めた際には「ちっちゃな娘たちが粘り強くやってくれた」と目を潤ませ日本中を感動させた。

1958年5月24日生まれ。明大卒業後、電電関東サッカー部(現J1大宮)でプレーしていたが、日本代表に選ばれた経験はなかった。1991年に現役引退。その後は指導者となり、2006年から日本女子代表のコーチ、08年1月に監督に昇格した。

常に選手をリスペクトする姿勢と、緊張感をやわらげる“親父ギャグ”の必殺技で選手からの信頼を獲得。今大会では世界一を目標に冷静で的確な采配を振るい、意外性のある選手起用と交替が効を奏した場面が幾度もあった。W杯王者として挑む9月の五輪予選に対しては「ロンドンでまた新たに日本になでしこの勇姿を届けたい」と意気込みを語っている。

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宮間あや  みやまあや

サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」のMF。6月27日、女子ワールドカップ・ドイツ大会1次リーグ初戦となったニュージーランドとの戦いで、同点だった68分に直接フリーキックで決勝点をゲット。相手GKの逆を付き、ゴール右上隅に決めた。「あれはGKが絶対にとれないところ」とベテランキッカーの技術が光った。

1985年1月28日生まれ。千葉県出身。

小学校1年のとき、父が作ったチームでサッカーを始める。2001年に岡山湯郷Belleの発足に参加。2009年に発足した米国女子プロリーグWPSのロサンゼルス・ソルに移籍。さらにWPSオールスターズにも選出され国際的に活躍。同チームがWPSから撤退したことで2010年古巣の岡山湯郷Belleに戻ってきた。多彩で正確なキックを両足から繰り出せる技術の高さに定評がある。

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猫ひろし  ねこひろし

「ニャー!」という挨拶が持ちネタのお笑い芸人。

2012年のロンドンオリンピック男子マラソンに「カンボジア代表」として出場を目指すため帰化申請中。2008年に東京マラソンで初めてフルマラソンに挑戦。今年の大会では2時間37分43秒で完走し自己ベストを更新した。6月18日の第1回プノンペン国際ハーフマラソンでは1時間16分54秒で総合2位となり、昨年から「選手層が薄いカンボジアで五輪代表に」と公言していた夢を果たそうとしている。

1977年8月8日生まれ。

今年2月に誕生した長女と妻に関して「彼女は日本国籍のままなので、自動的に国際結婚になって子どもはハーフになる」とコメント。帰化してもカンボジアには移住せず、ビザを取得して日本で仕事を続ける意向だ。

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園 子温  そのしおん

観る者に、いいようのない不安と衝撃を与える作風で世界的にも高い評価を受ける映画監督。『愛のむきだし』(2009年)がベルリン映画祭、『冷たい熱帯魚』(2010年)がベネチア映画祭、『恋の罪』(2011年)がカンヌ映画祭にそれぞれ招待され話題になった。このたび新作『ヒミズ』が8月31日から開催されるベネチア映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定。同作品は2001年からヤングマガジンに連載されたベストセラーコミックを実写映画化したもの。撮影前に起こった震災と原発事故を受け、シナリオを大きく書き換えた。「どうしても今、この現実を映画の中に取り入れて撮っておかなくてはいけないと思いました」とコメントしている。

1961年12月18日生まれ。

17歳で詩人としてデビュー。90年代には路上パフォーマンス集団「東京ガガガ」を主宰した。

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鈴木杏  すずきあん

24歳の若さながら演技派として評価の高い女優の鈴木杏がツイッターで突如「脱原発」を訴えた。<こんな大きな事故が起きてもまだ原発を作ろうとしてるんですよ。こんな多くの悲しみをうんでるのに。それって前進?>。かつて使用済み核燃料の最終処分事業などを行う原子力発電環境整備機構(NUMO)のCMに出演していたことも悔い、<廃棄処分のCMもやったことがありました。今、生まれて初めて後悔というものをしています。私は知らなすぎました。だから、だからこそ、馬鹿ながらに脱原発、声をあげます>と表明。反響は大きくフォロワーを急速に増やしている。

1987年4月27日生まれ。6月に公開された映画『軽蔑』ではフルヌードを披露し話題に。また9月からは劇作家つかこうへいの追悼公演『新・幕末純情伝』で沖田総司役を務める。

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松田直樹  まつだなおき

サッカー元日本代表でJFL松本山雅のDF。7月2日の練習中に急性心筋梗塞で倒れ、7月4日に死去。享年34歳。前橋育英高卒業後の95年に横浜マリノスに入団し、昨季まで主力として3度のリーグ優勝に貢献。「生涯マリノス」を公言していたが戦力外通告を受け今季から松本山雅に移籍していた。日本代表として02年W杯日韓大会では全4試合にフル出場。

熱いプレーで初の決勝トーナメント進出の原動力となった。突然の訃報にはチームメイトや国内のファンはもとより、海外からも弔意が寄せられている。かつての師トルシエ元日本代表監督も「大きなショックを受けた。信頼できる選手だった」とコメント。

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原田芳雄  はらだよしお

日本の映画界で長年にわたり“男かくあるべし”という存在感を放ち続けてきた個性派俳優が世を去った。享年71歳。自らが企画し主演した遺作『大鹿村騒動記』(阪本順治監督)では大腸がんの病魔と闘いながら撮影に挑み、完成披露試写会では車いすで舞台挨拶に登場。公開から3日後の死去となった。

1940年2月29日東京足立区生まれ。高校卒業後、63年に俳優座養成所に入り、68年『復讐の歌が聞える』で映画初出演。『竜馬暗殺』や『ツィゴイネルワイゼン』の演技で高い評価を獲得した。故・松田優作が若かりし頃、原田の演技をすべて模倣し、隣に引っ越すほど憧れていたのは有名な話。

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