いま注目を集める「ニュースな人名」

◆藤波心　　ふじなみこころ

「中学生B級アイドル」と自称するタレント、モデル。

1996年11月22日生まれ。14歳。

3月23日に自身のブログ『ここっぴーの★へそっぴー』で原発事故と曖昧な報道に終始するマスコミを批判。「微量とはいえ空気中の放射性物質を吸い続け、微量とはいえ汚染された野菜を食べ続け、微量とはいえ汚染された水を採り続ければ、影響があることくらい、バカな厨房2年の私でも分かる」と指摘した。「よくぞ言った」と一般人だけでなく孫正義、坂本龍一、高橋源一郎らの著名人が賛同する一方、「世の中を知らない子どものくせに」といった批判も集中しブログは大炎上。それがまた話題となった。想いをつづったメッセージブック『間違ってますか？ 私だけですか？ 14才のココロ』では、原発事故、放射能汚染に対する素直な気持ちを表現している。

◆山本太郎　　やまもとたろう

「反原発」姿勢を明確にしている俳優。「原発発言やリツイートはCHECKされ必ず仕事干される、お前がその事に触れられぬ事は皆判ってくれる。二週以上前から母は僕に釘をさし続けた。日雇い労働役者稼業明日から干されてどう生きてく？だからって黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ。親不孝許せm(__)m日曜高円寺行くのも許してチョ」と4月に高円寺で行われたデモに参加。さらには、原発事故による子どもの放射能汚染を考えるプロジェクト「オペレーションコドモタチ」への賛同も表明。文部科学省が定めた子どもの年間許容被ばく線量「20ミリシーベルト」の値に対し「異常です。殺人的です」と強く批判し賛否を巻き起こしている。

1974年11月24日生まれ。36歳。兵庫県宝塚市出身。

◆福原愛　　ふくはらあい

オランダ・ロッテルダムで開催された卓球の世界選手権の混合ダブルスで岸川聖也と組み、銅メダルを獲得。世界選手権では、初の個人種目でのメダルとなった。「感動しました。小さな夢が、一つかなった」。今回の成績で来年のロンドンオリンピックに3大会連続での出場も決まり、「これまでの経験を生かせるように頑張りたい」とコメント。

1988年11月1日生まれ。22歳。仙台市出身。

3歳9ヵ月から卓球を始め、転がり回って悔しがる様子から「泣き虫愛ちゃん」と呼ばれるようになった。「天才卓球少女」として、5歳10ヶ月で全日本選手権バンビの部に史上最年少で優勝。小4でプロ宣言して以来、数々の戦績を残してきた。

◆よしもとばなな

イタリアの文学賞「カプリ賞」の受賞者に選ばれた。同賞は1987年創設され、これまでにノーベル文学賞受賞者のデレク・ウォルコット、米政治学者のフランシス・フクヤマら、詩人、作家、歴史家などが受賞している。「よしもとさんは詩的で繊細な小説家。同時に日本を襲った劇的な出来事（東日本大震災）に際して日本の国民が示した尊厳も表彰したい」と賞の事務局。授賞式は7月2日、地中海の島・カプリで行われる。彼女はそこで震災後の心象をつづった短編「ばらの花」を朗読する予定。「今の日本人の気持ちや状況を、非常時における文学の力についての考察と合わせて話してこようと思っています」。

東京文京区出身。1964年7月24日生まれ。

1987年『キッチン』でデビュー。『TUGUMI』『アムリタ』とベストセラーを生み出し人気作家に。外国語にも多数翻訳され、国際的にも認知度が高い。

◆及川眠子　　おいかわねこ

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌『残酷な天使のテーゼ』の作詞家として、「2011年JASRAC賞」金賞を受賞。CD、DVDカラオケや音楽配信等、著作物使用料の分配額が多い作品に与えられる賞で、実際その年に最も使用された作品ということになる。1995年に発表されて以来15年たった曲だが、パチンコやゲームなどで今なお利用されており、2010年の銅賞に続き2年連続の受賞となった。

1960年2月10日和歌山県和歌山市生まれ。

1988年、Winkが歌った『愛が止まらない〜Turn It Into Love〜』で注目され、同じくWinkの『淋しい熱帯魚』で第31回日本レコード大賞を受賞。全日本有線放送大賞を受賞した、やしきたかじんの『東京』など多数のヒット曲を生み出している。ミュージカルやアニメ、CMなどへの歌詞提供、エッセイの執筆などでも幅広く活躍。

◆川勝平太　　かわかつへいた

静岡県知事。お茶を加工段階で放射性物質検査の対象とするとした政府に対し、「湯を入れて飲む段階では濃度が薄まるので、検査の必要はない」と主張し、荒茶の検査を拒否。一度は世間を震撼させるも消費者団体などからの抗議殺到で一転。「国と協議し判断したい」と軌道修正を図った。県内に抱える浜岡原発の全面停止については、「安全確保に対する地元の要望を最優先した菅首相と海江田経産相の英断に敬意を表する」と歓迎したばかりだが、地元産品に含まれる放射能への対応は“別物”だと考えているようだ。

もともとは早稲田大教授、静岡文化芸術大学学長などを勤めた比較経済史を専門とする学者。1948年8月16日生まれ。京都市出身。

小渕内閣や安倍内閣で政策委員を務めた後、静岡県前知事の石川嘉延のブレーンとして活動。2009年7月県知事に初当選した。

◆古川聡　　ふるかわさとし

６月８日、ロシアの宇宙船ソユーズで旅立った宇宙飛行士。今回の主要なミッションは国際宇宙ステーションでの５カ月半の長期滞在による人体影響の解明。東大病院で医師を勤めていた経験を活かし、自分の心電図を分析したり、治療薬を飲んで骨や筋肉の衰えを防止する効果などを検証する。

１９６４年４月４日横浜市生まれ。東京大学医学部卒業。

子どもの頃、ウルトラセブンになりたかったことが宇宙へのあこがれにつながった。９９年に宇宙飛行士候補に選ばれてから１２年４カ月を経て、日本人飛行士では最高齢の４７歳で初飛行。実際に宇宙空間へ出た日本人としては古川さんが９人目だが、そのうち７人が搭乗した米スペースシャトルが引退するため、今後はソユーズが唯一の突破口となる。

◆松本人志　　まつもとひとし

カリスマ芸人兼映画監督の松ちゃんが3作目となる映画「さや侍」を完成。演技の素人を主役に据え、刀は捨てたが、さやまでは捨てきれない中途半端な侍とその娘の葛藤と愛を描いた。監督1作目の「大日本人」がハリウッドでリメイクされることになり、日本では評価の低かった監督としての能力にも再評価の兆し。「僕が面白いと思うことを世界を絡めながらやる環境ができてきた。これからもただ笑いを届けていきたい」と語り、「今回の『さや侍』もジョニー・デップあたりの主演でリメイクしてほしいですね」と笑いをとる。

1963年9月8日生まれ。兵庫県尼崎市出身。

◆菅原文太　　すがわらぶんた

仙台市出身のベテラン俳優。原発事故で行き場を失った岩手、宮城、福島の被災者に新たな移住区を紹介する「ふるさと支援」事業（主催：NPO法人 ふるさと回帰支援センター)の発表会見に出席した文太アニイ、「原発の是非を問う国民投票をやってほしい」とブチ上げ、既に脱原発を宣言していたドイツと、国民投票で原発反対が90％となったイタリアとともに「反原発三国同盟」の結成を提案した。

1933年8月16日生まれ。宮城県仙台第一高等学校から早稲田大学第二法学部へ進学。代表作に『仁義なき戦い』『トラック野郎』シリーズなどがある。

現在は俳優業からほぼ引退し、山梨で大規模な農場経営に力を注いでいる。社会問題への発言にも積極的で、2010年には米軍普天間飛行場移設問題で名護市辺野古を訪問。「このきれいな海を埋めるのはナンセンス」と怒りを露わにした。正面切って原発にノーを突きつける大物俳優の動向に要注目だ。

◆浅野忠信　　あさのただのぶ

ハリウッドデビューとなる映画『マイティ・ソー』でアンソニー・ホプキンス、ナタリー・ポートマン、クリス・ヘムズワースなどと共演。人気コミックを3D実写映画化した作品で、主人公ソーを護衛するホーガン役で出演している。「祖父がアメリカ人（ネイティブ・アメリカンの血統）なので『自分の中にもアメリカの血が入っている』と子供の頃から常に意識していた」と語る浅野。ズラリと並んだ有名どころの競演者については「スクリーンを通じて見てきてた人たちなので、どこか舞い上がってしまい、同時に緊張している自分がいました」とコメント。キアヌ・リーブスと共演する「47 RONIN」の撮影も控えており、渡辺謙なみにブレイクできるかどうかに期待が集まる。

1973年11月27日神奈川県横浜市生まれ。

1990年『バタアシ金魚』で映画デビュー。以来、つかみどころのない独特の個性と確かな演技力で、国内外の作品に多数出演している。