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ニュースの海から現代用語
執筆者 現代用語検定協会

ニュースの海から現代用語

共通番号制度

2011年1月28日、政府の実務検討会は国民一人ひとりに番号を割り振る「社会保障・税の番号制度」(共通番号制度)の基本方針をまとめた。氏名、住所、生年月日、性別の基本個人情報の他、年金手帳、医療保険証、介護保険証といった「保険証機能」も一元的に管理する予定。2014年6月をめどに国民に新番号を割り当て、「ICカード」を配布し、15年1月からの利用開始を目指している。

導入されると行政手続きが簡素化し、公正な税負担と社会保障サービスが充実する一方で、個人情報の漏洩を心配する声もある。個人の所得や社会保障サービスなどのまとまった情報が流出したときに大きな影響が出ると考えられるからである。政府は5月をめどに詳細な案をまとめ、秋の臨時国会に法案を出す予定。

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TPP  Trans-Pacific Economic Partnership Agreement

環太平洋戦略的経済連携協定。環太平洋パートナーシップ協定とも呼ばれる。2006年、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4カ国による経済連携協定として発効。2015年までに各国は原則として100%の関税を撤廃することになっている。米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明。韓国や中国なども関心を寄せている。国内では経済界から参加を求める声が相次いでいるが、農業分野に大きな打撃を与えるという強い反対意見も挙がっている。

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はやぶさ

2010年12月4日、東北新幹線の八戸・新青森駅間が開通。これで、東京・新青森駅間の全線開業となった。東京・新青森駅間の所要時間は最短で3時間20分と、在来線と新幹線を乗り継いでいたのに比べ、約40分短縮された。2011年3月5日には新型車両E5系「はやぶさ」が運行を開始。「はやぶさ」は運行開始当初、国内最速の時速300キロで運転し、13年3月からはさらに320キロに引き上げられる。

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ムバラク辞任

2011年2月11日、エジプトで、スレイマン副大統領がムバラク大統領の辞任と、その権限が軍の最高評議会に渡されたと発表。5期30年間続いたムバラク政権に幕が下ろされた。

ジャスミン革命で1月14日にチュニジア政権は崩壊。政変の波は周辺国にも波及している。イエメンでは反政府デモを受けて、サレハ大統領は現在の任期が終わる13年で引退することを表明。ヨルダンでも1月28日、リファイ首相の退陣を求める反政府デモが起き、2月1日にはアブドラ国王が同首相を更迭した。今後、中東はいっそうの混迷が予想されている。

特に親米アラブ穏健派の代表格だったエジプトの激変は、地域の安全保障に大きく影響すると考えられている。野党勢力だったイスラム組織、ムスリム同胞団が台頭すれば、親米政権が崩壊した1979年のイラン革命のような事態にもなりかねない。

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リビアの反政府勢力

チュニジア、エジプトでの政変を契機に、民主化の嵐が吹き荒れている中東・北アフリカでは、リビアでも反政府運動が激化している。

約40年間、独裁政権を続けるカダフィ大佐は、「辞任しない」と退陣を拒否し、デモの徹底弾圧を宣言。国民に対して無差別に発砲するなど、強硬姿勢を貫いている。これに対し、リビアでは国連大使、閣僚、外交官などが次々とカダフィ大佐への不支持を表明しており、カダフィ大佐は孤立を強め、追い詰められている。

2月26日、国連安全保障理事会はカダフィ大佐や家族らに渡航禁止や資産凍結などを科す制裁決議案を全会一致で採択。さらに3月17日、リビア上空への飛行禁止空域設定などを柱とした英仏両国提案の決議案を賛成多数で決議。仏軍の空爆を皮切りに、欧米やアラブ諸国の多国籍軍が合同でリビアに対する軍事介入を開始した。

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スーダン南部の独立

アフリカのスーダン南部の分離・独立の是非を問う住民投票の最終結果が2011年2月7日に発表され、賛成が有効投票の98.83%に達したことで独立が承認された。順調にいけば7月9日に独立を宣言する予定だ。独立するとアフリカ大陸54番目の国になり、193番目の国連加盟国になる見通し。しかし、2月9日から10日にかけて武装勢力がファンガクの町を襲撃して自治政府と衝突、105人が死亡し多数が負傷したと、自治政府が明らかにした。不安定な情勢は、独立にも影を落としそうだ。

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ニュージーランド地震

2011年2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチ付近を震源とするマグニチュード6.3の強い地震が発生した。富山外国語専門学校の学生ら語学研修で訪れていたビルが崩壊し、多くの日本人が被災。ニュージーランドには各国から国際緊急援助隊が入っており、日本の国際緊急援助隊も現地に。

東京大学地震研究所では、クライストチャーチ付近では2010年9月4日にもマグニチュード7.0の大地震が起きており、今回の地震と発生場所やメカニズムが似ていることから、今回の地震は10年の地震の最大余震とみられるとしている。

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東北地方太平洋沖地震

2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.0の大地震が日本列島を襲った3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.0の大地震が日本列島を襲った。約500kmにわたって3つの断層が連続して破壊され、世界でも史上4位となる大地震であったことが判明した。岩手、宮城、福島の3県では地震での破壊に加え、巨大な津波が押し寄せ、東北各県から関東まで甚大な被害をもたらした。死者・行方不明者は2万人を超えている。

茨城・千葉でも津波による被害を受け、関東各県でも家屋の倒壊や火災が発生。また、首都圏では地震当日に各鉄道が運転を停止し、多数の帰宅困難者が発生した。地震発生後、東京電力福島第一原発・第二原発などは想定を超える津波が襲ったことが、大きなダメージを与えた。特に福島第一原発で深刻な事態が続いている。福島第一原発・第二原発付近では避難指示や屋内退避要請が出されているが、放射性物質の拡散が深刻化している。

地震が発生した3月11日当日、気象庁はこの地震を「平成23年東北地方太平洋沖地震」と命名。NHKは「東北関東大震災」、共同通信などは「東日本大震災」と呼称している。

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