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ITの2007年はギガだった
執筆者 白鳥 敬

ITの2007年はギガだった

ギガ  giga

ギガ(G)は、言うまでもなく10億を表すSI接頭語。コンピュータは二進数が用いられていますから、Gは10の9乗(10億)ではなく、2の30乗を表しています。1ギガバイト(GB)は、1073741824バイトです。

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メモリのギガ

パソコンのメモリカードは、2007年になって、どんどん値下がりし、秋葉原などの安売り店では、1ギガバイト2000円台にまで下がりました。ほんの1年くらい前までは、1ギガバイトメモリは1万円くらいしていましたから、急激な値下がりです。2000円まで下がれば、気楽にメモリ増設ができます。2007年のメモリは、ギガが大ブレイクといったところです。

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パソコンのギガ

パソコンに最初から搭載されているメモリも、1ギガバイトのものが増えてきました。これは、2007年1月に発売されたウインドウズビスタの登場が影響しています。ビスタは、メモリ512メガバイト(MB)でも動きますが、アエロというビスタらしい快適なデスクトップ環境を使うときは、1ギガバイトのメモリが必要です。そのため、多くのパソコンが、最初から1ギガバイトのメモリを積むようになりました。2007年はパソコンもギガの時代になりました。

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ネットワークのギガ

オフィスや家庭内のパソコンは、光ファイバーの終端装置やADSLモデムからルータを通してパソコンにつながっています。ルータには、ハブ機能があって、そこから複数のパソコンでつなぐことができます。このようにして構築されたオフィスや家庭内のローカルエリアネットワーク(LAN)の転送速度も、2007年にはギガビットが当たり前になりました。ついこの間まで100メガビット毎秒(Mbps)の100BASE-Tという規格が普通だったのに、あっというまに1000メガビット毎秒=1ギガビット毎秒の転送速度を持つ1000BASE-T(ギガビットイーサネット)に変わったのです。

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無線LANのギガ

無線LANは、今のところ、802.11gという規格が主流です。これは、転送速度が最大で54メガビット毎秒(Mbps)。しかし、2007年には、802.11nという新しい規格に対応した無線LAN機器が商品化され始めました。この新規格は、2007年末現在では、ドラフト版(暫定版)ですが、2008年には正式に規格が決まる予定になっています。この802.11nの最大転送速度は、2つの無線チャンネルを同時に使うことで300メガビット毎秒と、現在主流の802.11gの3倍になります。

これだけ速くできたのは、5ギガヘルツ帯に無線LANの新しい周波数が割り当てられたからです。2007年は、無線LANの世界でも、5「ギガ」ヘルツという高い周波数の電波が話題になりました。

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ハードディスクのギガ

ハードディスクの容量は、2004-2005年ころから急激に増加しています。2007年には、500ギガバイト(GB)のハードディスクを内蔵したパソコンが普通になってきました。パソコンでビデオ映像を編集したり保存すたりする用途が普及したこともあって、ハードディスクはいくら容量があっても足りないところまで来ています。そして、2007年には、ついに、1000ギガバイトのハードディスクが商品化されました。

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携帯電話次世代高速通信のギガ

2007年は、2.5ギガヘルツ帯に割り当てられる、携帯電話を利用した高速無線通信に、KDDI、ウイルコム、ドコモ、ソフトバンクの各陣営が名乗りをあげ、争奪戦が繰り広げられました。結局、KDDIグループとウイルコムの二社に割り当てられることになりましたが、この争奪戦については新聞等でも報道されたので、ご存じの方も多いでしょう。なぜ、2.5ギガヘルツ帯の電波をほしがるのか?それは、周波数の高い電波の方がより多くの情報乗せることができる、つまり通信速度が速くなるからです。無線高速通信の本格的な普及はまだまだこれからですから、当分「ギガ」から目が離せません。

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グラフィックスボードのギガ

グラフィクスボードとは、パソコンの3D描画を受け持つデバイスです。これがないとコンピュータグラフィクスの3D表示を高速で行うことができません。ビジネス用途ではそれほど高性能の3D機能はいらないのですが、ゲームや3D画像処理を行うときに必要です。このグラフィクスボードも、2005年頃から2007年にかけて、AGPから、より高速なPCIエクスプレスx16というインターフェイスに変わってきました。2007年には、大半のパソコンがPCIエクスプレスx16を採用するようになりました。PCIエクスプレスx16で接続したグラフィクスボードは、4ギガバイト毎秒という高速転送ができます。

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光ディスクのギガ

光ディスクはDVDが、家電でもパソコンでも広く使われています。記録容量は最大4.7ギガバイト。光ディスクはもうとっくにギガの世界になっていますが、2007年で印象的だったのは、秋頃からいっせいに次世代光ディスクのブルーレイディスクレコーダーが登場したことです。年末には、ブルーレイディスクレコーダーが売り切れてしまうという現象までおこりました。ブルーレイディスク(BD)は、ソニー・松下電器・シャープなどが開発した青紫色レーザを使った次世代光ディスクで、1層で25ギガバイト、2層で50ギガバイトもの容量を持っています。地上デジタル放送のハイビジョン番組を録画するには、これくらいの容量が必要になるのです。

ブルーレイディスクの普及も光ディスクの「ギガ」を感じさせてくれる出来事でした。

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ネットワークハードディスクのギガ

家庭用の大容量ネットワークハードディスクが登場したのも2007年です。こちらはギガを超えてテラ(1兆)まで達しています。ネットワークハードディスクとは、LANで複数台のパソコンと大容量ハードディスクをつないだネットワークで、ネットワークにつながったどのパソコンからでも、ネットワークハードディスクに保存したビデオ・音楽などのデータを取り出して視聴できるというものです。

パソコンはただの端末として身軽に使い、重いデータはネットワークハードディスクに置いておこうという発想です。テキストデータが中心でデータ量がそれほど多くなかった時代は、パソコンにデータを入れておいてもいいのですが、映像や音楽をパソコンで視聴するようになると、重いデータは1か所にまとめておいたほうが楽です。これも高速なギガビットネットワークがあればこそです。

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