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最近話題の「指数」のお話
著者 白鳥 敬

最近話題の「指数」

紫外線指数  UV Index

2005(平成17)年から天気予報で「紫外線指数(UVインデックス)」が発表されるようになりました。これは、気象庁が紫外線の強度の目安として出しているものです。「1〜2」が「弱い」、「3〜5」が「中程度」、「6〜7」が「強い」、「8〜10」が「非常に強い」、「11+」が「極端に強い」となっています。紫外線は、波長の長いほうからUV−A、UV−B、UV−Cに分かれ、UV−Cはほとんど地上に届きません。地上に降り注ぐ紫外線は、UV−AとUV−Bの一部で、人体に影響を与えるのは、主にUV−Bのほうです。そこで、国際照明委員会(CIE)が定義した波長ごとの人体への相対影響度を地上で観測される紫外線強度の波長ごとに掛けて人体への影響度を出しています。なお、気象庁では、UVインデックスを13+まで表示しています。

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体格指数(BMI)  Body Mass Index

肥満指数とも呼ばれ、肥満の度合いを示す指数として最近はひろく普及しています。体格指数(BMI)は、体重を身長の二乗で割ったものを言います。体重60キログラムで身長が1.7メートルであれば、体格指数20.8となります。指数18.5未満が「やせ」、18.5以上25.0未満が「ふつう」、25.0以上30.0未満が「肥満I度」、この後5増えるごとに「肥満II度」「肥満III度」「肥満IV度」となります。

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喫煙指数  Brinkman Index

たばこの健康への害がいろいろ言われていますが、それでも喫煙率は、平成15年で、男46.8%、女11.3%もあります(厚生労働省「国民栄養の現状」による)。たばこが人体に与える害を示すものに喫煙指数(Brinkman Index)があります。これは、「一日あたりの平均喫煙量(本数)」と「喫煙年数」を掛けたものです。毎日10本のたばこを20年間吸い続けると、喫煙指数は200となります。喫煙指数が400を超えると肺がんになる確率が高くなり、1200を超えると咽頭がんになる確率が高くなります。

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監視指数

日本の気候に大きな影響を与えるエルニーニョ現象(ペルー沖の太平洋の海面水温が平年に較べて0.5℃以上高くなり、その状態が半年から1年半程度続く現象)の兆候をいち早く見いだすために、気象庁は、太平洋の赤道周辺の海域を監視海域を定めて海面水温を監視し、その変化から「エルニーニョ監視指数」を求めています。これは監視海域の海面水温の基準値(過去30年の平均値)と最近5か月の平均値との差で、これが6か月以上続けて+0.5℃以上になる場合をエルニーニョ現象、−0.5℃以下になる場合をラニーニャ現象と定義しています。気象庁の最新の監視速報によると、今年(2005年)は、今のところエルニーニョが発生する可能性は低いそうです。

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GEM指数(GEM)  Gender Empowerment Measure

GEM指数は、国連開発局が導入した手法で、社会の中枢部門への女性の進出度合いを示す数値です。国会議員・専門職・技術職・管理職に占める女性の割合と賃金から算出しています。平成17年版の「男女共同参画白書(概要版)」によると、国会議員に占める女性議員の割合は、202005(平成17)年3月現在で、衆議院6.9%、参議院13.6%。女性研究者の数は、全体の11.6%とこれもまたかなり低い数値となっています。大学教員も、工学系の学部の教授は1.2%、女性が多いと思われる人文学系学部でも教授は16.5%、家政学系でも教授は31.2%しかいません(平成16年度)。日本のGEM指数は、世界平均の0.668に対して、0.490となっています。

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人間開発指数(HDI)  Human Development Index

人間開発指数は、平均寿命・教育水準・一人当たりの国民所得から、人間の基本的な能力の伸び具合を示した指標です。2000年の数値では、日本のHDIは、174か国中9位(2005(平成17)年版の「男女共同参画白書(概要版)」より)。

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ジェンダー開発指数(GDI)  Gender-Related Development Index

人間開発指数と同様の方法で求める指標ですが、社会的に女性が不利になる状況を考慮して、男女間の格差を補正した数値です。日本のジェンダー開発指数は、143か国中9位(2005(平成17)年版の「男女共同参画白書(概要版)」より)。

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生活不安度指数

内閣府の外郭団体である社団法人日本リサーチ総合研究所が、「消費者心理調査(CSI Consumer's Sentiment Index)」で調査した内容を元に、隔月で出している消費者の生活に対する不安の度合いを示す指標。消費者の回答が「改善した」と「悪化した」が同率の時は100となる。バブル絶頂期の1980年代後半には、100前後で推移していた生活不安度指数は、97年頃には130を超え、2001年以降は、140から160という高水準を維持しています。今年5月の調査では146と前回2月の144から2ポイント悪化している。

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臭気指数  Odor Index

臭気指数とは、臭気濃度レベルを指標化したもの。人間は臭気濃度が2倍になっても、感覚的には2倍とは感じません。濃度が10倍になったときに臭さが2倍、濃度が100倍になったときに臭さが3倍と対数的に感じます。臭気指数=10×Log(臭気濃度)となります。具体的な判定は、嗅覚検査に合格した臭気判定士6名に臭いをかいでもらい、検査する気体を100倍に薄めたときに臭いを感じなくなった場合は臭気指数20、1000倍に薄めて臭いがしなくなった場合は臭気指数30となります。

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老年化指数

15歳未満人口(年少人口)100人に対する65歳以上人口(老年人口)の比。老年化指数=老年人口÷年少人口×100。年少人口が100で、老年人口が125なら、老年化指数は125となる。我が国の老年化指数は、1950年は13.9でしたが、2002年は130.5と急上昇しています。これと似た指数に、老年人口指数があります。これは、(65歳以上人口)÷(15歳から64歳人口)×100で求めます。1950年の老年人口指数は、8.3でしたが、02年は27.5となっています(総務省統計局「高齢者人口の現状と将来」より)。

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