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歴史は繰り返されるの用語集
 

繰り返される流行

リバイバルブーム  revival boom

1973年版本誌掲載。以下、

リバイバルは復活、再生といった意味。1960(昭和35)年後半からのヒットソングのうちズンドコ節、君恋し、無常の夢、雨に咲く花など、戦前に流行した唄の再生版からはじまって、ひろく衣生活や読み物に復古調がよみがえってきた現象をいう。

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ゴジラ復活

1985年版本誌掲載。以下、

「ゴジラ」(1954(昭和29)年・東宝映画)は、本多猪四郎監督と特殊技術担当の円谷英二によって作られた、特撮映画史上記念すべき怪獣映画である。第2次大戦前の、特撮怪獣映画の記念碑的作品をアメリカ映画「キング・コング」とするなら、それに対比すべき戦後作ジンが日本の「ゴジラ」で、アメリカの水爆実験によって眼ざめた怪獣が東京を襲う、という時代的な寓意を持っていた。以来ゴジラの登場する映画は15本製作され、海外でも広く公開された。その「ゴジラ」が59年に、第1作と同じ田中友幸プロデューサーによって、新しいイメージの新作映画として東宝で復活。橋本幸治監督と中野昭慶特技監督によって、第1作以来30年ぶりに復活した「ゴジラ」は、米ソ対立の核の危機の時代に、再度寓意を秘めたドラマ構成にのって東京を襲う。旧作の白黒スタンダード画面をカラー・ワイド化した新作で、ここ数年の「ゴジラ」復活待望の声に応えたものである。

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ゴシック・リバイバル  gothic revival

1987年版本誌掲載。以下、

19世紀のイギリスを中心に起きたゴシック様式復興。構造には新しい鉄骨を用いながら、外観は中世のゴシック様式をもつ建物が多く作られた。イギリスの国会議事堂はその代表的建築。丹下健三設計の東京都新庁舎案がゴシックの聖堂を思わせるところから、ゴシック・リバイバルではないかという人もいる。

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リメイク・アニメ番組

1991年版本誌掲載。以下、

テレビ番組のタイム・テーブルを見ると、昭和40年代に放映されたアニメ番組のリバイバルが目立つ。厳密にいうと、単なるリバイバルではなく、リメイク・アニメ。1990(平成2)年8月時点で放映されている番組は、「魔法使いサリー」「つる姫じゃーっ!」「楽しいムーミン一家」「ジャングル大帝」「みなしごハッチ」「平成天才バカボン」「もーれつア太郎」と7本にも及んでいる。

このようなリメイク番組の活性化現象は、番組企画のアイデアが枯渇し、過去の人気アニメ・漫画にアイデアの素材を求めざるを得なかったこと、昭和40年代の人気アニメに熱中した世代が番組を企画するようになったことなどによるものであろう。

そして、この世代がいま親になり、ノスタルジー感覚で子どもと共同視聴している。リメイク・アニメは、新しい形での家庭文化(親子文化)ということができよう。

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銀座リバイバル  Ginza revival

1991年版本誌掲載。以下、

「銀座ブームの復活」。80年代はトレンディ・ゾーンが“オトナの銀座”から“ガキの渋谷”にランドスライド(地すべり)的にシフトした時代であるが、ここにきて、またまた銀座に脚光が当たりはじめている。すなわち、「いまどき“渋カジ”なんてダサイ、“銀トラ”(銀座トラディッショナル)こそ90年代のメイン・ストリームだ!」という空気がにわかに濃くなってき始めており、久方ぶりに「ラクチョー、ザギン」に脚光が当たる予兆が見えてきている。ライフ・スタイルの“高級志向”化が生んだアダ花かもしれないが、折しも台頭しつつある“ロンドン・ブーム”などとも照らし合わせると、「もはやアメリカではない」と、いったトラッド(trad=伝統的価値観)への回帰現象と奇妙に符合するから、あながち軽視もできない。チェロキー・クラブ(みゆき通りに誕生した女性専用の“ボクササイズ”施設)にさっそうと出入りする“新みゆき族”でも見に行こうか。ただし、モーレツ時代に一世を風靡していたホンマもんのクラブ(ホステスやチーママにプロフェショナルとしての誇りがあった時代の古き良き高級クラブ)には復活の兆しさらになし。シロウト娘のウォーターフロント(半水商売)化がますます進行しているため?

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大物の復活

1992年版本誌掲載。以下、

音楽シーンの中でも1960年代ブームが盛り上がり、その中でかつてのビッグ・スターが若い世代に再評価されるという動きも生まれた。そのきっかけとなったのがクレイジー・キャッツの植木等だ。それまでも、植木等はカルト的な注目を浴びてはいたが、90年11月に出た「スーダラ伝説」のヒットで、若い世代にはまったく新しい魅力をもった“おじさん”として強くアピールしていった。さらにハウス系のディスコで彼女のヒット曲が使われたことがきっかけになって、山本リンダの人気も再び急上昇している。その全盛期にも時代を超越した存在だった彼らのユニークさが、現在の若者の感覚がフィットした現象ということもできるだろう。

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モッズ・リバイバル  mod(s) rivival

1993年版本誌掲載、以下。

イギリスで1950年代から60年代にかけて流行した若者のスタイル。丈の長いフードつきパーカーを着て、スクーターに乗る少年たち。パンクのように激しくはなく、小ぎれいでショートカットヘアが特徴。愛用のスクーターは、45年にイタリアでその原型が発売されたベスパ。92年より日本でもリバイバル中。

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「ミニ四駆」復活

1996年版本誌掲載。以下、

「ミニ四駆」は、単3電池2本で高速に走行する四輪駆動車を型どった田宮模型の小型プラモデル。1980年代末に、小学校高学年男児の世界で爆発的にヒットした。90年代に入って流行は衰えたが、94年(平成6)頃から再び勢いを盛り返し、小学生男児に大流行の気配。やはり男の子にとって「クルマ」は永遠のテーマなのである。

この玩具の魅力は、単価600円でお小遣いでも買いやすい値段であること、接着剤などを使わずにパチパチはめ込むだけで組み立てられること、友だちとスピードを競いあうことができることなど。なかでもスピードアップのために自分用に「改造」することに男の子は熱中した。改造用パーツも種々売り出されている。80年代の流行期には、オフロードタイプの力強いバギーカーに人気が集まったが、今回は流線型のエアロデザインのレーシングカーに人気が集中している。

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アイメイク復活

1997年版本誌掲載。以下、

ここ数年ナチュラルメイクが主流で、目元にバッチリメイクを施すのは女優かモデルくらいだったが、96年はきちんと描くアイメイクが復活。ただし厚化粧ではなく、仕上がりはあくまでもナチュラルが基本。アイライン、アイシャドウ、マスカラをきちんと使った上で、あくまで自然な目元を演出するワザが各メーカーから提案された。一方でアムラー流行の影響で眉を細くカットし描く女性も急増した。

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キティグッズ人気復活

1998年版本誌掲載。以下、

サンリオの子猫キャラクターのキティ人気がよみがえり、キティグッズが売れに売れている。キティは本来は、幼児や小学校低学年の女の子向けのキャラクターだが、最近10代、20代の女性たちの支持が強まり、携帯電話ケース、電話ストラップ、カメラ、バッグ、印鑑ケースなど多彩なキティグッズが売上げを伸ばしている。キティ人気復活の契機としては、第1に、華原朋美、小泉今日子などのスーパーアイドルが「キティちゃん大好き」と表明して、一般の隠れキティファンが表に出てきたこと、第2に、プリント倶楽部にキティの背景が登場、女子高校生にキティ人気が広がったこと、第3に、20代後半〜30代前半の女性にとってキティは子供時代に初めて出会ったファンシーキャラクター、懐かしいレトロ感覚でキティグッズを求めたこと、などがあげられる。

そして何よりもキティには口がなく、無表情で寡黙なキャラクター。ミッキーマウスやスヌーピーに比べてストーリー性が希簿で、デザインは記号的。そのため、子供や若者たちが「仮想ペット」として自分なりの世界を作り出すことができるところに、最大の魅力が求められよう。

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リメイクコミック

1999年版本誌掲載。以下、

新たなメガヒットが、出現しづらい状況もあってか、ここ数年、過去のヒット作品の続編、リメイク、他作家によるカヴァーなど、アメリカの映画やロックと同様の動きが日本のマンガにも起きている。正規の続編として「ドカベン」(水島新司)、「1・2の三四郎2」(小林まこと)、「銀河鉄道999」(松本零士)、「エコエコアザラク2」(古賀新一)、「キン肉マン」(ゆでたまご)などがあり、「デビルマンレディ」(永井豪)などのセルフパロディ的なものもこれに含めることができる。また島本和彦による「スカルマン」(石ノ森章太郎)、岩明均など数人による「デビルマン」(永井豪)、キャラクターとして『漫画アクション』に呼び戻された「ルパン三世」(モンキーパンチ)などの他作家によるカヴァー、リメイクも増加中だ。TVアニメの世界でも「ひみつのアッコちゃん」(赤塚不二夫)などリメイクはひとつの定番になっている。

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「ちびくろサンボ」復活

2000年版本誌掲載。以下、

作者は、イギリス・スコットランド生まれのヘレン・バナーマン。彼女が医者の夫のいるマドラスから避暑地に残した子どもたちを励ますために送った絵手紙を元に、1899年にイギリスで出版された。1999年はこの絵本が生まれて100周年。ジャングルに散歩に行ったちびくろサンボが、虎に出会って食べられそうになるが、不思議なドラマを経てハッピーエンドとなる愉快なお話。この絵本は、日本では1953年岩波書店が刊行して以来、22社から49点が出版されて、子どもたちに親しまれていた。しかし、サンボは黒人の蔑称であり、欧米でも発禁になっているなどの黒人差別の理由で、10年前にいっせいに書店から消えてしまった。

この絶版状況に対して「議論を深めないで絶版を自己目的化する行為は差別問題をよい方向には向かわせない」という認識から、小出版社の径書房が原本の2刷を元に丁寧に復刻し、「ちびくろさんぼのおはなし」として出版した。さらに訳者の灘本昌久氏は、同社から「ちびくろサンボよすこやかによみがえれ」を出版し、反サンボ運動の経緯と問題を詳細に検証しながら、横並びの没主体的な絶版に異議申立てをしている。このような「サンボ」の復活が「日本における差別と表現の問題を深く解きほぐす」契機になるように期待されている。

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リメイクファッション/リメイクジーンズ  Re-make fashion / Re-make Jeans

2001年版本誌掲載。以下、

リメイクとは英語で(再び作る、改造する)という意味。その意のとおり、古いシャツやジャケットなどの一部に新しい布をプラスしたり、刺しゅうを施すなどして作り直したものをさす。特に2000年に入ってからは、ジーンズの裾に別布をプラスした簡単なリメイクから、ジーンズをほどき縫い直してスカートに仕立てたものなど、リメイクジーンズが顕著にみられる。

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ベテランたちの復活

2001年版本誌掲載。以下、

元オフ・コースの鈴木康博、山崎ハコ、山本達彦、元ふきのとうの中坪佳基、佐渡山豊ら1970〜80年代のフォークやニューミュージック、ポップ・ミュージックを支えたベテランたちが活発なライブやCD発表などの活動を展開している。テレビやラジオなどのメディアに比重をおくことなく、ライブ・ハウスでの演奏をベースに、自分のインディーズ・レーベルをつくるなど連携をとりながら身の丈にあったスタイルでの活動を始めている。

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安部晴明ブーム再来

2002年版本誌掲載。以下、

平安中期の陰陽師、安倍晴明(あべのせいめい 921〜1005(延喜21〜寛弘2)年(推定))ブームは、2001(平成13)年に入って再燃された。陰陽道(おんみょうどう)は森羅万象を陰陽(日月)や五行(木・火・土・金・水)の組合せで説明する呪術の一種。古代から江戸末期まで物忌みや方違へ(かたたがえ)など宮廷人の日常生活を支配した。晴明は幼少から陰陽道を学び、藤原道長の摂関家などで重用され、一条天皇の祭祓や占いに従事し、その信望によって安倍一族を陰陽道の名門に立て直した。夢枕獏原作、岡野玲子画のコミック「陰陽師」は第5回手塚治虫文化賞(マンガ大賞)を受賞し、NHKではドラマとなり、映画も公開された。京都市上京区の晴明神社は若い女性でにぎわっている。クールで問題解決能力に富んだ晴明への憧れとともに、現代社会の底にもある「鬼の棲む闇」から救われたいという癒しへの願望がこのブームを支えているともいわれる。

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リバイバル現象

2003年版本誌掲載。以下、

筑摩書房は2000(平成12)年から「明治文学」(全25巻)を発刊し、明治文学を現代によみがえらせた。

岩波書店は01年「岩波文芸書初版本復刻シリーズ」(全8巻)を発刊。大正から昭和初期に刊行された名作の初版本の装丁を復刻した。永井荷風「ぼく東綺譚」、夏目漱石「こころ」など、用紙の風合いや表紙の素材、活字と組面の配置など、細部にまでこだわった。各巻とも品切れの売れ行きという。

岩波書店では「工芸品のような作りが、当時の人々が抱いていた本への憧れを呼び起こした」とコメント。急速に変化していく時代に対するひとつのあらがいとみるむきもある

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名作ゲームソフトのリバイバル

2003年版本誌掲載。以下、

携帯型ゲーム(任天堂の「ゲームボーイアドバンス」(GBA)やバンダイの「ワンダースワン」)や携帯電話というゲーム端末を活用して、1970年代、80年代にヒットしたシンプルなゲームソフトが復活し、ゲームのリバイバル・ブームを発生させている。ナムコは、GBA用に80年代のファミコン用ソフトの名作野球ゲーム「ファミリースタジアム」や「ファミリーテニス」を、またプレイステーション用に「ナムコミュージアム」(「パックマン」「ラリーX」など往年の名作6タイトルを収録)を復活発売した。さらに、「だれもがもっているゲーム端末」として携帯電話にも熱い期待が寄せられている。多くのゲームソフト業者は、インターネットにゲームを販売する専用ホームページを作り、月100〜300円程度の料金で利用者が好きなゲームを手軽にダウンロードして遊べるサービスを行っているが、ここでも“往年の名作”がキラーコンテンツとなっている。特に人気の高いゲームは、「スペースインベーダー」「テトリス」「パックマン」「モナコGP」「ゼビウス」などで、30代の大人たちにはなつかしく、10代の若者には手軽に遊べるシンプルなニューゲームとして楽しまれているようだ。

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ディスコ復活

2004年版本誌掲載。以下、

キサナドゥ(外苑前)、ビブロス(麻布十番)と1970〜80年代のディスコが復活。お約束どおり、天井にはミラーボールと回転するストロボライトのフロア。そしてアフロヘアの踊り手は、パパイヤ鈴木。グロテスクさを押しきって70年代を復活させたパパイヤの勢いが半分。あとの半分は子育てが一段落してまた昔のように遊びたがる40代の「聖子ママ」世代が牽引力。

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「タイムスリップグリコ(青春のメロディーチョコレート)」

2004年版本誌掲載。以下、

江崎グリコは、チョコレートのおまけに、懐しのヒットソングのCDを付けた菓子を販売、子どもよりもむしろ親たちに受けて、常に品薄状態の大ヒットとなった。アグネス・チャンや太田裕美のヒット曲など1960〜70年代の曲を8センチメートルCDに収録して菓子に付けたもの。全部で18種類あり、価格は300円。つまり、菓子の流通ルートを通して、全国のスーパー、コンビニなどの菓子コーナーでCDが売られているわけで、このヒットのおかげで生産状況が低迷している小型CDの生産が急増している。

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