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結婚事情の今昔を知るための用語集
 

いろいろな結婚のカタチ(戦後〜バブル期)

年期結婚

1952年版本誌掲載。以下、

何年間結婚生活を送ったら、その時は手切金としてどれだけの金とか物をやるという風に、あらかじめ相談ずくで期限を切っている結婚のこと。

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近親結婚

1954年版本誌掲載。以下、

親戚関係で縁の近い人の間の結婚で、日本では法律で許されている最も近縁の結婚は、いとこ同士のものである、近親結婚によって、精神病、つんぼ、おしなどのような劣性の遺伝子が表面にはたらきをあらわすようになる可能性があるので、なるべくさけるようにといわれている。

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友愛結婚

1954年版本誌掲載。以下、

男女が正式の結婚生活に入る前に、相互の友愛感情を基礎にして避妊と離婚を認めながらテスト的に同棲する結婚様式。アメリカのシカゴのリンゼイ判事によって提唱されたもの。

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第2結婚

1957年版本誌掲載。以下、

林髞博士の唱えた結婚方法。普通の夫婦生活は15年くらいで倦怠期がくるが、その時お互い夫婦を変えると再び活力を取り戻すというのが理論的根拠。一種の浮気承認制度。

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テレビ結婚

1959年版本誌掲載。以下、

テレビ・カメラの前で挙げる結婚式。昭和33年3月3日の桃の節句にラジオ東京テレビ・スタジオで、その第1号が行われた。

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紙上結婚式

1968年版本誌掲載。以下、

テレビ結婚式といれかわりに、昭和42年3月、東北のある県紙が考え出したもので、新生活運動と新手の広告企画の一石二鳥をねらうもの。協賛を得たスポンサーの広告面に結婚の誓約を発表するだけで、実際の式や披露宴などはいっさい省略。親戚や知人にはその掲載紙を送って披露にかえる。3月14日めでたく第1号が紙上で挙式し、読者の反響も上々であった。

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シリーズ結婚

1973年版本誌掲載。以下、

これまで結婚とは「偕老同穴」とかtill death do us part(死が2人を分けるまで)という言葉のように一生続くものと考えられてきた。ところが、最近では離婚の増加、同時に再婚数の急増が見られる。つまり結婚、離婚、結婚というプロセスを一生のうち何度も踏む人たちがふえてきたのだ。この傾向が主流となると、トフラーのいう「シリーズ結婚」形態となることになる。たとえば、再婚することを当然の成行きと考える女性には「未再婚」という新語ができることになる。「女は一生二夫にまみえず」といわれていた時代から大きな変化が起こったのである。やがては結婚は「一生連続の結婚」ではなく「結婚、離婚、結婚…」の「シリーズ結婚」となっていくだろう。

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デモグライ結婚

1976年版本誌掲載。以下、

「結婚デモしようか」「結婚グライしとかなくちゃ」という結婚観から生まれたことば。「デモシカ先生」という言葉に似た発想だが、このことばにこもるOLや女子大生の心情は複雑である。毎年100万組以上が結婚し、1割強が離婚する時代になっている。

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紙なし結婚

1980年版本誌掲載。以下、

結婚しても婚姻届を出さない結婚で、デンマークやスウェーデンで行われている婚姻形態。したがって、無登録婚、事実婚、同棲といった概念に近い。しかし、同棲といっても、その実体はわれわれのいう結婚と変わりなく、家族を作り、子供を生んで、育て、健全な生活を営んでいる。デンマークでは、この形の婚姻は、今日では全夫婦の13%、20代の夫婦の25%を占める。このように、彼らが婚姻届を出さないのは、婚姻のような個人の問題に国家が干渉すべきでないという徹底した自由主義、独立心、個人主義のためである。婚姻届を出さないから、当然非嫡出子はふえる。非嫡出子は、デンマークではその年に生まれた子供の21・7%、スウェーデンでは32・4%にのぼる。しかし非嫡出子も法律上差別されず、保育園への入園、税金、年金、相続等は嫡出子と平等である。

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グループ結婚

1982年版本誌掲載。以下、

少数の男女が仕事、金銭、住居、子供、愛、性を共有する関係。19世紀中頃ジョン・ハンフリー・ノイズによってニューヨーク州オネイダに創設されたオネイダ共同体(1848〜1879年)、ロシア革命後や1960年代にヒッピー達が作ったコミューンは、その一種である。このようなグループ結婚は意図的、計画的であるが、今日アメリカで流行しているものは、自然に形成されたもので、オープン・マリッジから移行したものが多い。また形としては、3人の男女から成るもの(すなわち一夫二妻、一妻二夫)が多い。一例をあげると、A・Bという夫婦があるとき、Aが異性Cと性関係を結び、またBもCと仲よくなり、ここで3人が一緒に住もうと決心すると、グループ結婚になる。しかしグループ結婚は大勢の人と共同生活をするのだから人間関係に疲れるし、金銭上のトラブルが起こるし、また家事(掃除・洗濯・炊事)の分担で問題が起こる。そのため1年か1年半で崩壊するものがつねである。

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ハデ婚

古くは自宅等での宴席をもって披露宴としていたが、戦後はその舞台を公共の場に移し、民間式場の設立増にともない、披露宴は人生最大の見せ場として、徐々に豪華さを競うかのような一大イベントへと姿を変えていった。ウェディングケーキの入刀やキャンドルサービスにとどまらず、バブル期にはゴンドラによる新郎新婦の登場や回数をいとわないお色直し、プロの司会起用、豪華な料理や引き出物などが当たり前になっていった。

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未完成婚

1987年版本誌掲載。以下、

結婚して生活をともにしていながら、性交時にペニスを膣に挿入できない状態。日赤医療センターの野末源一の調査によると、男性に原因があると考えられるもの53・1%、女性に原因があると考えられるもの34・3%であった。そしてその原因は、男性ではインポテンスと早漏、女性では膣痙(膣の外3分の1が不随意に収縮する状態)であった。結婚してから相談に来るまでの月数は、4ヶ月以内26%、5ヶ月から1年10%、1年以上63%で、15年以上の人もいた。平均年齢は男33歳、女29歳である。野末は、このような人は早く相談に来るように勧め、現在は10代で中絶するほど性的に早熟な人がいる反面、結婚して1年経っても性交をしない未熟な人がいると指摘している。

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夫方居住婚

1988年版本誌掲載。以下、

結婚後、妻が夫の住居に移って一緒に住む婚姻形式。日本の村落などでは伝統的な形であり、以前は「父方居住婚」という名称で呼ばれていたが、最近では「夫方居住婚」のほうが一般的である。そのほかに、次のような形式がある。

妻方居住婚(uxorilocal marriage)

独立居住婚(neolocal marriage)

選択居住婚(bilocal marriage)

オジ方居住婚(avunculocal marriage)

妻訪婚(duolocal marriage)

妻方・夫方居住婚(uxori-virilocal marriage)

妻訪・夫方居住婚(duo-virilocal marriage)

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乱婚

1988年版本誌掲載。以下、

「いかなる近親婚禁忌も前提としない婚姻」。したがって、父母とその子供の間の結婚もこの範疇に入るが、実際上、人類史において、制度的な乱婚が行われていたかどうかという点については疑問が多く、最近では否定的な見解をとる学者・研究者のほうが多い。

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老婚

1988年版本誌掲載。以下、

死別、離別などで伴侶を失った高齢者が再婚すること。高齢化社会の進むにつれて、老婚を目的としたお年寄りの結婚相談所や見合いパーティーが盛んになっている。たとえば関西地方を中心に全国的なネットワークを持ち、会員制で老人の見合いの場をつくっている京都の「無限の会」や、東京・小平の「老人結婚相談所」をはじめ、全国に4、50の同種の組織があるとみられている。しかし、わが国の老婚率は世界の中でも最も低いグループに属する。

その理由として、(1)伝統的な家意識にしばられ、結婚が個人の問題として考えられにくい(2)相続の問題で子どもの賛成が得にくい(3)老人の性的欲求は恥ずかしい、という意識が老人自身にも一般社会にもある、といったことがあげられる。また男性側の「みとり期待」と女性側の「経済的依存欲求」というそれぞれの思惑のずれも、老婚をむずかしくしている1つの原因と考えられる。

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ミッドナイトウェディング

1988年版本誌掲載。以下、

夜更かしの好きなヤングを当て込み、終夜営業で成功したのが、コンビニエンスストア。最近では、書店はおろか、不動産業にまで「24時間営業の店」が増えている。これに目をつけたのが、新宿にある結婚式場。24時間営業体制を導入して、利用者を増やしているそうだ。つまり、これによって深夜の結婚式が可能になったというわけ。深夜営業も珍しいうえに、式場がビル屋上の野外(ただし、雨の日は屋内)というユニークさも話題を集め、大安吉日ともなれば、昼間組、深夜組のダブル・ヘッダーもざらだとか。仏滅から大安の日に移る午前0時をねらって、低料金で挙式をするアイデア組も多い。なるほど、夜空をバックにした真夜中の挙式はムード満点。式場側も聖歌隊によるコーラス、スモーク(煙)などで演出をこらしていえる模様。テレビも終夜放送を開始するなど、夜型人間をターゲットにした商戦は今後ますます激しくなるだろう。

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訣婚

1989年版本誌掲載。以下、

制度としての結婚の枠外の新しいライフスタイル。アウトマリッジとユートピアの合成語「アウトピア」の造語をした佐藤文明の提案。

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