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渡る世間は壁ばかりの用語集
 

経済の壁

第一子の壁

厚生労働省が2004年に発表した「出生前後の就業変化に関する統計」で、働く女性の6割が第一子出産を機に仕事を辞め、その後も無職のままでいることが明らかになった。第一子出産1年前に仕事をもっていた女性73%のうち、61%が出産前後に仕事を離れ、そのまま無職になっている。復職・再就職した人は13%で、育児休業取得者も含めて仕事を継続した人は23%。第二子以降の出産では、36%の女性が仕事をもち、このうちの44%が仕事を継続し、26%は離職後、復職・再就職しているため、第一子の壁が高いことがわかる。出産時に仕事をもっている女性のうち80%が育児休業制度を利用し、70%が祖父母と同居またはほぼ毎日行き来するという生活をしていることからも、祖父母の支援なく、保育園のみでの育児は難しいことが表されており、企業や国の支援制度の充実が求められている。

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チャイニーズ・ウォール  Chinese wall

1996年版本誌掲載。以下、

証券会社内で、引受部門で得た情報が営業部門に利用されないようにするための情報隔壁のこと。元の意味は中国の万里の長城で、それを1930年代以降、アメリカで前記の意味に使ってきた。日本では、この壁は比較的低かった。しかし、1988(昭和63)年5月にインサイダー取引の規制強化を盛り込んだ改正証取法が成立、これに対応して日本証券業協会が7月1日から自主規制を実施し、企業の内部情報が証券会社の引受部門から営業部門に流れないよう社内管理体制が強化された。

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103万円の壁

1997年版本誌掲載。以下、

年収103万円は非課税限度額で、所得税の給与所得控除と基礎控除の最低保障額合計。これを超えると所得税がかかり、夫が支給される妻の分の家族手当(配偶者手当)が受けられないこともある。これらの理由でパート収入が103万円を超えると不利だということになりがちである。このことが女性の就労意欲を阻害し、女性の自立をはばみ、結果的に女性の賃金を低くおさえる要因にもなっている。全国婦人税理士連盟などの女性団体からは配偶者特別控除の廃止を求め、賃金、年金、税制を世帯主義から個人主義へという声があがっている。政府が国際婦人年以降進めてきた「男女平等、性別役割分業の是正、参加から参画へ」の女性政策が表番組なら、妻の座権拡張ともいうべき専業主婦優遇策、夫のカサの下の妻の年金保障やこれらの税制は、新・性別役割分業を推進する裏番組といえる。

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130万円の壁

年収130万円は、健康保険や年金などの社会保険の保険料を自分が納めるかどうかの境目になる。年収130万円を超えることによって、国民健康保険料・国民年金保険料もしくは社会保険料を払うことになる。年収130万円未満なら誰でも払わずに済むわけではなく、自営業や農家は適用外で、サラリーマン家庭でも配偶者の扶養家族になっていることが必要である。パート労働者なら大半が対象ではあるが、勤務時間と日数が正社員の4分の3以上ある場合は、正社員並みに扱われて、勤務先の社会保険に入る必要が出てくる。

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141万の壁

年収が103万円になった段階で、所得税・住民税の配偶者はなくなるが、そこからさらに年収に応じて「配偶者特別控除」が削られ、配偶者の年収が141万になった段階で、まったくのゼロになる。

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