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「2003年日本新語・流行語大賞」からみる〈流行り〉のキーワード
 

コメ泥棒(トップ10)

受賞者:該当者なし 

ナシ、メロン、アスパラガス、ブドウなど、農作物盗難が相次ぐなか、冷夏による不作で値上がりしたコメを狙う泥棒が多発。「オレオレ詐欺」とならんで、2003(平成15)年珍妙犯罪の代表格となった。

「ひとめぼれ」

1991年 新語部門・銀賞

受賞者:伊藤 亘

ブランド米「ササニシキ」の後継米として登場したのが「ひとめぼれ」。国際的圧力によるコメ自由化が日程に上がる中、政府の手厚い保護農業ばかりが話題になっているが、日本農民の“実力”とやる気を示したのが「ひとめぼれ」の開発で、命名者の伊藤が受賞した。ユニークなネーミングといい、消費者を意識した農業を展開し、高い評価を得た。

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コメ給食

本誌1971年版

昭和44年春青森、埼玉などにはじまる。余剰米対策のひとつとして実施にふみ切ったもので以後続々つづいている。文部省の保健体育審議会は、すでに37年の答申でパン、ミルクの基本線を出しているのだが、過剰米処理の政治力に押し切られたかたちで、コメを使う給食実験を開始したが、<1>同じカロリーをとるのに5割方高くつく、<2>配るだけのパンにくらべいちいち炊飯、盛付けして食器は洗わなくてはならない、<3>新たに炊飯施設が必要で人手をふやさなくではならないなどで学校側は気乗り薄。全国的な全面実施には人件費、施設費にそれぞれ100億円単位の資金が必要だという。

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自由米/ヤミゴメ/不正規米

本誌2000年版

旧食糧管理法の下で現実に流通していたコメは、政府管理米(政府が直接に買入する政府米、政府の間接管理下にある自主流通米)、転作の一形態として特別に認められた他用途利用米、有機栽培米など生産者が消費者に直接販売する特別栽培米、縁故米・贈答米など生産者が非営利目的で譲渡するコメとこれら以外の自由米からなっていた。自主流通米制度の導入までは政府米以外で現実に流通していたコメはすべてヤミゴメであり、コメの多様な流通ルートの認知を通じてヤミゴメの正規化が図られてきたが、常に数百万トン程度は存在し、旧食管制度を脅かしてきた。

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米百俵

本誌2002年版

※流行語大賞2001で、小泉語録の一として年間大賞受賞

2001(平成13)年5月7日、小泉首相は所信表明演説のなかで新潟県長岡市に伝わる「米百俵」の故事にふれ、大きな話題となった。戊辰戦争に敗れた長岡藩は厳しい窮状にあったが、これをみかねた支藩の三根山藩(現在の新潟県巻町)が見舞いとして百俵の米を送った。長岡藩の小林虎三郎は「当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまう」と米の分配を要求する人々を説得し、米を売った金を町民や農民の子も通える「国漢学校」の建設に充てたという。この学校はのちに長岡中学となり、連合艦隊司令長官の山本五十六らの人材を輩出した。この故事は「いまの痛みに耐えて明日を良くしよう」という小泉内閣の自己責任を強調する改革精神のシンボルと解釈され、山本有三の同名の戯曲なども再刊され小泉ブームの一翼を担った。だが長岡藩の窮状は戊辰戦争の軍事費に原因があり、「防衛費をそのまま教育費にまわしてこそ、『米百俵』なのである」との批判もある(永六輔、「朝日新聞」2001年5月23日付)。美談という歴史の再解釈で不良債権処理の不備など現在の窮状の原因が忘れられないように注意したい。

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介抱盗

本誌1951年版

深夜の電車やホームなどで酔客を介抱してやるような格好でにじり寄り、カバンや時計、財布など失敬する泥棒のこと。

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パンク盗

本誌1963年版

銀行へやってきた自動車のタイヤから空気を抜き、あわてた持ち主が車のうしろへ廻わって修理しているスキに、現金や小切手を盗み出す新しい泥棒の手口。昭和36年2月から半年の間に480万円を盗んだ有力容疑者が37年1月捕まったが、犯行を否認している。

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