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「2003年日本新語・流行語大賞」からみる〈流行り〉のキーワード
 

勝ちたいんや!(トップ10)

受賞者:星野仙一さん (前阪神タイガース監督)

阪神タイガース星野仙一監督。背番号77。監督就任まで4シーズン連続最下位だった阪神を2003(平成15)年リーグ優勝へ導いた。大阪ミナミの道頓堀川では、予想に違わずファンが次々と「道頓堀ダイブ」。その数なんと5000人を超えた。星野=鉄拳のコワモテが、就任時「やるべきことをやらなかったら私は鬼になります」と駄目押し。「勝ちたいんや!」の言葉で選手を導いた。同名のドリンク剤も発売され、関西地方を中心に全国でヒットした。星野監督は03年日本シリーズ終了後に辞任。

プロ野球に関する流行語

1985年の阪神フィーバーも、本当にすごかった。そういえば、巨人軍などは監督・選手主体で話題を振りまくのに対し、阪神はファンが中心となって流行する傾向があるようです。

トラキチ

1985年 流行語部門・銀賞

受賞者:松林 豊(阪神タイガース私設応援団長)

21年ぶりの優勝を遂げた阪神をサポートした熱狂的な応援団のこと。ハッピ、メガホン、帽子の三種の神器で身を包み、“阪神命”と大フィーバーする老若男女は社会現象ともなった。“にわかトラキチ”も多数出現した。

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「投げたらアカン」

1985年 流行語部門・大衆賞

受賞者:鈴木啓示(NHK野球解説者・元近鉄球団投手)

青少年の非行防止キャンペーンとして、公共広告機構が流したテレビCMから生まれた流行語で、子供に人気があった。300勝投手・鈴木の、独特の関西弁アクセントが奇妙なリアリティーを持っていた。

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「なんぎやなぁ」

1987年 流行語部門・銀賞

受賞者:辛坊治郎・森たけし

この年、阪神タイガースは開幕から負け続け、呆れるばかりの負けっぷりをみせつけた。地元大阪のテレビ関係者である受賞者が、この阪神の姿を見て言ったセリフが「なんぎやなあ」。口汚く罵るでもなく、大袈裟に批判するでもなく、愛情と悔しさとやり切れなさを含んだこのセリフは、視聴者の共感を呼び、大阪だけでなく、全国区の流行語となった。

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「がんばろうKOBE」

1995年 大賞

受賞者:仰木彬(オリックス監督)

1995年1月、神戸・淡路大震災が発生した。復興に起ち上がる市民を力付けたのが、このスローガン。地元球団オリックスは、スローガンをユニホームに縫い付け、リーグ優勝を勝ち取った。神戸市民への励まし効果は絶大と、評価は高かった。

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メークドラマ

1996年 大賞

受賞者:長嶋茂雄(巨人軍監督)

“英語の達人”長嶋監督の造語。数々の長嶋語録の中でも、もっともポピュラーで“感動的”なセリフとなった。7月6日、首位カープとのゲーム差は11.5と開き、優勝は絶望かと思われた。ところが翌日からは、あれよあれよの快進撃。7月16日には「メークドラマ」宣言を発し、ついには奇跡の大逆転優勝を飾った。まさに、“ドラマ”を“作った”長嶋巨人の戦いぶりであった。

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わが巨人軍は永久に不滅です

1974年の用語

17年間プロ野球・巨人軍で活躍したミスター・ジャイアンツ長嶋茂雄選手が昭和49年9月「わが巨人軍は永久に不滅です」の名言を残して現役を引退した。

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がんばりや 蚊のカッちゃん

本誌1987年版

大日本除虫菊・キンチョーマットCMの語。キンチョーマットの大きな箱を抱えて「これからは蚊のカッちゃんと呼んでください」とお願いする掛布に応えて老人たちが唱和する、「がーんばーりやー、蚊あのカーッちゃん」が、モロに掛布コールとして、阪神戦で聞こえるというハナシだ。老人特有のゆったりしたテンポ、しかも大阪弁でのこの掛け声は、私たちが常識として知っている「応援」とはずいぶんちがう。応援された選手の血が熱く燃える……というよりは、せっかく緊張していた筋肉も、たちまちにして弛緩してしまいそうなフンイキなのである。これがおばあちゃんたちだと、若者に対する色気のようなものも出るのだろうが、ここはおじいちゃんだけの世界である。バカなことを言っている頼りなき(?)人生の後輩に向けて、はげますにしては興味なさそうに、めんどくさそうに対応しているが、ともすれば冷たくなるそんなフンイキを、大阪弁がうまく救っている。阪神が優勝したときのタイガースファンの熱狂ぶりは、コワイほどでさえあっえが、同じ大阪から、掛布を使ってこういうCMが生まれてくることを思うと(これは大阪弁でしか成立しないCMである)、なんとなくホッとしてしまったりする。

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