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夏と暑さの用語集
執筆協力 編集工房インデックス

夏は危険だ用語集

光化学スモッグ

1981年版本誌収録。以下、

自動車などの排気ガス中に含まれる炭化水素と窒素酸化物とが、上空で太陽からの強い紫外線をうけて光化学反応を起こし、大量の過酸化物、オキシダントが発生したとき光化学スモッグという。目が刺激されてチクチクしたり、クシャミがでるなどの症状をおこす。大都市に発生し、昭和45年7月18日の光化学スモッグは数千人の被害者を出した。

普通は晴れ上がって紫外線の強い日に発生するとされているが、東京では46年5月末からくもり空の日や夜間でも発生、目が痛いなどの症状をうったえる被害者がでている。光化学スモッグの原因物質については、オキシダント、アクロレイン、硫酸ミスト、パンなどがいわれている。しかし、スモッグの人体被害等の疫学的調査が乏しいため、以上の原因物質も被害との関連性が乏しい。たとえばオキシダントは目やのどの刺激を引き起こす。しかし45年7月18日の東京・立正高校での最初の被害以来、何回も起きているけいれん、意識不明などの重篤な症状はオキシダント説では説明できない。疫学的な調査がもっと必要である。

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熱中症/熱射病/日射病

高温多湿の環境の中に、長時間さらされたり激しいスポーツを行うことでおこる、急激な体温上昇また体温調節中枢の機能低下。意識不明や昏睡にいたる。

熱中症は、熱射病・熱痙攣・熱虚脱の総称。熱射病は熱放射阻害による体温の異常上昇。熱痙攣は、過度の発汗で塩分が失われることにより起こる。熱虚脱は同様の理由で脱水状態になること。太陽の直射が原因であるときは日射病という。

とにかく体を冷やし、薄い食塩水(生理食塩水)を飲ませるか静脈に直接注入するのが一番いい。

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A波/A紫外線/UVA

紫外線の中にはAとBの2つがあり、そのAのこと。波長の長いものをさす。雨雲も通すといわれ、曇りの日でも日焼けするのは、このA波が主犯。急激な影響はないが、波長の長い分だけ皮膚の真皮部まで達して、弾力繊維を変質させ、メラニン色素を増やし、色素沈着を起こす。皮膚がんのもとはこのA波といわれている。

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B波/B紫外線/UVB

波長の短い紫外線。A波が雲や霧も通すのに比べてB波はガラスで妨ぐことができる。太陽光線中、B波はA波の15分の1といわれている。

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土用波

夏の土用のころ、太平洋岸を襲う高いうねりをいう。南方洋上の台風圏内の波浪が海面を伝わり、日本まで押し寄せてくるのだが、風もない晴れた日に突然、高波が来るので漁船や海水浴客が遭難する。真冬の寒の最中に起こる温帯低気圧によるうねり・高波を寒土用波ということがある。

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