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サッカーW杯にみる世界の人びとからキーワード
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ロシア人

しばしばロシア人のイメージとして使われる動物。プーさんやテディ・ベアといった少数の例外を除けば、巨大・貪欲・粗暴といったマイナスイメージで見られがちなこの動物を、ロシア人みずからが進んで自分たちのイメージとして用いる。北方諸民族には、しばしば熊を神聖視する観念がしばしばあるからだ。モスクワ五輪(1980年)のマスコットは小熊のミーシャだった。

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アネクドート

一口笑話。ロシアではアネクドートを多く知っている人が尊敬される。1991年、ロンドンサミットでゴルバチョフ書記長(当時)が次のようなアネクドートを披露した「ゴルバチョフの節酒令によって、酒屋の行列が長くなった。うんざりした男が、書記長を殺そうと出向いたが、そちらに並ぶ列のほうが長くて諦めた」の類。「ロシアには酷いめにあわされた」…ロシアの周辺にいる民族のほとんどがそういうが、当のロシア人自体も長らく酷いめにあってきたという感覚がある。皇帝による圧政や社会主義者によるそれで。長い間ひどいめにあってきた民族はこうしたひとくち笑話がうまいという特長がある。

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ウオッカ

ロシアの国民酒。とうもろこしなどの穀類を原料として、糖化、発酵、蒸溜し、白樺の炭層で濾過した蒸溜酒。古称はズィズネニャ・ワダ(Zhiznennia Voda 生命の水)。世界の蒸留酒のなかでは際立って無味・無臭であり、お酒好きというよりアルコール好きという気がしてならない。1995年の報告によると、ロシア人男性の平均アルコール摂取量は年間に500ml瓶で170本に相当。30代から50代の死亡原因の多くが飲酒という。ロシア人の悩みの種。

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ピョートル1世

1672-1725。ロマノフ王朝第四代皇帝(位1682−1725)。身分を隠したヨーロッパ視察で自ら造船技術などを修得。帰国して、ロシアの近代化を推し進めた。バルト海への進出を目指して、1700年から21年間にわたって、スウェーデンとの間に大北方戦争を繰り広げた。ペテルブルグはピョートル1世による命名である。皇帝の圧政憎さに世界初の社会主義革命を行い70年以上革命政権をしいた同国だが、ソ連崩壊後、帝政への縁を求めている。国のシンボルとは往々にしてそういうものなのか。

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レーニン(Vladimir Il'ich Lenin)

1870-1924。ボリシェビキ党(旧ソ連共産党)の創設者。17歳の時、兄が皇帝暗殺計画に参加した罪で処刑。1888年、マルクスの「資本論」に触れる。労働運動に参加してシベリア流刑。亡命・逮捕を繰り返すが、1917年、十月革命を成功させ、人民委員会議長に選出。経済の再建にも尽力した。 いっときまでは世界中の多くの人からも信奉されるロシア人の代表格であったが、最近ではめっきり人気がない。当のロシア人ももちろんシンボル視などしない。

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