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日本の政治が語れる常識・知識事典
政治家がどこを向いているかわかる事典
執筆   斎藤信義 (ジャーナリスト)

アンチ

反自民

単純に自民党に反対するという意味だけでなく、戦後の日本政治・経済を指導してきた自民党的スタイルに反対するという考え方。金権、政・財・官の癒着、護送船団方式、許認可制度による保護と管理などに反対する立場を取る。小泉「改革」は、この自民党的な構造を変革するという立場だが、自民党による自民党変革が成し遂げられるかが、最大のポイントになっている。

◇関連『現代用語91-00』
[★九三年体制 (1993 Regime) 〔1994年版 時代感覚〕]

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反共

共産主義の思考そのものに反対する立場。穏健な保守主義は、共産主義には反対するが、その良い点は取り入れて、共産主義そのものを鈍化させるという戦術を取った。西欧の保守政党はほとんどそうだし、日本の自民党も政治スタンスは別にして経済主義的には最大に取り入れた政党との評価がある。そのため、共産主義が興隆しなかったし、逆な意味で「反共」的党派が育たなかったという見方もある。

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反帝

反帝国主義のこと。資本主義諸国は政治的・経済的な侵略な本質で、他国への帝国的侵略を必ず行うので、これに反対するというマルクス主義の思想。日本経済が発展し、韓国、東南アジアなどに進出するようになると、学生運動の中で盛んに使われるようになった。だが、学生・労働運動の衰退、社会主義諸国の消滅を経て、現在では完全な死語となっている。

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反原発

原子力発電そのものに反対する立場。“原子力は安全”ということは、どのような設備、どのような注意を払っても絶対にないと主張する。事故の確立が理論的にゼロになることはなく、万一に事故が起こったならば、人類に取り返しのつかない被害を与えるので原子力発電そのものに反対する考え。核廃棄物の安全性、膨大な必要経費を指摘し、電力会社の安全性、コスト安の宣伝に真っ向から対決する。一般的に“反核”というと“反核兵器”のことを指し、国民的合意はできているようであるが、反原発も徐々に国民的合意に近づきつつある。

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反石原

石原慎太郎東京都知事に反対する考え。“三国人”発言、在日中国人・韓国人への“差別発言”、またトップダウン的な行政運営などをとらえて、石原に「国家主義」的な発想があると批判する。一昔によく用いた“反ファッショ”と同意語で使っていることが多い。

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反創政会

自民党旧竹下派 (現橋本派・平成会) は圧倒的な数の力と、官僚支配力で政界を完全に支配していた。竹下派の正式名称・創政会に反対する立場をとる自民党内の有志が使った言葉。金権支配・強権政治反対の立場を取り、開かれた自民党を標榜した。山崎拓、小泉純一郎、加藤紘一 (YKK) らの「グループ・新世紀」が代表格。その後、言葉は野党にまで広がり、諸悪の根源は創政会というムードが生まれた。

[★3M連合・YKKライン・竹三関係〔1992年版 ワードウォッチング〕]
[★グループ・新世紀〔1995年版 政党〕]

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反国対政治

あらゆる法案・政策が国会での論戦で決まるのではなく、舞台裏の与野党間の裏取引で決着することを国対政治という。これに反対し、国会での論戦をとうして国民の前で決着をつけようという考え。一昔前は「料亭政治」といわれてていたが、今はホテル、ゴルフ場などで裏取引が話し合われるといわれる。55年体制当時のような露骨なことは少なくなってきているが、まったく無くなったわけではない。

◇関連『現代用語91-00』
[★国対政治 (political negotiations behind the curtain) 〔日本政治〕]

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