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日本の政治が語れる常識・知識事典
政治家がどこを向いているかわかる事典
執筆   斎藤信義 (ジャーナリスト)

外交

親米

反米、中立を提唱する野党や労働運動団体が一定の勢力があった時代には、親米は大きな意味があった。今では自民党議員のすべてが親米と言う。一部からは“反米”と評された石原慎太郎でさえも、自身は親米と言っている。むしろ野党議員を見るのに適した用語。親米を言う議員と、無視 (決して反米とは言わない) する議員との間には、米国の政策や行動に対する大きな温度差がある。

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親中

共産党のように親中とはいえない“中立的立場”を取る政党は別にして、すべての政党に親中派と“反中派”が存在している。ただし、本心はともかく、表面きって反中を唱える議員はほとんどいない。また親中派にも3種類ある。

第1の種類 : 中国の文化・歴史を尊重するか、あるいは日本の中国侵略の贖罪意識を持ち、中国政府というよりは中国そのものへの親近感を持つ人々。中国承認の先導役を果たした自民党政治家の多くはこれであった。現在でも戦中派議員の中には与野党を問わずいるが、年々少なくなっている。目立たない中国関係の役職に就いていることが多い。

第2の種類 : “大国・中国”を政治的に無視できないという理由で親中派になる議員。政府役職者になると皆このタイプにはなる。中国関係の目立つ政府系団体に属することが多い。政府の役職を離れると中国関係の役職を離れるので、中国側からは信用されていない。

第3の種類 : 経済的な利害関係で親中派になる議員で、経済関連を統括する中国関係の役職に就いている。ある意味では、中国側からもっとも頼りにされている。

また、以前は政治的な理由で親中を掲げる議員は社会党を中心に多数いたが、現在では中国政府ベッタリという議員は少ない。

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親ロ

親中を掲げる議員に比べると圧倒的に少なく、全議員のうち一割程度と推測されている。親ロの場合も3種類に分けられる。

第1の種類 : ロシアの文化・芸術に関心を持ち、親近感を抱いている人々。ロシア政府とは明確に一線を画しているので、政治的な力となることはない。人数は以外に多いが、公言することは少なく“隠れ親ロ派”ともいえる。文化的な団体の役職者になっていることもある。

第2の種類 : 政治的なロシア親派。旧社会党などには多かったが、現在では少数派。共産党もこの派といえないことはないとの評もある。ロシアからは、政治的に力がないということで頼りにされていないが、ロシア関係の団体の役職者に厚遇されている場合もある。

第3の種類 : 経済的な結び付きで“親ロ”になる人々で、意外と自民党議員に多い。シベリア開発、北方領土返還交渉などに裏側から参加し、対ロシアの政治・経済交渉に“暗躍”している。経済関連の団体に参加している場合もある。

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親韓

金大中政権発足以来、親韓派の中身も様変わりした。以前は、自民党右派の議員が圧倒的だったが、今では下野していた金大中の支援者が親韓派の主流を形成している。党派的には、民主党・社会民主党のほとんど、自民党、自由党の大半も親韓派といえる。自民党右派も韓国野党ハンナラ党と太いパイプを保持している者もいるので、親韓の一翼を担っている。共産党は中立的立場と評されている。

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親朝

表面だった“親北朝鮮”議員はいない。伝統的に友好関係にあった共産党、旧社会党議員でも、北朝鮮首脳との太いパイプはないのが現状である。かろうじて親朝議員と呼べるのは、人道的な援助を行っている議員だが、北朝鮮政府との友好関係があるというわけではない。80年代には、北朝鮮利権に絡んで、金丸信など竹下派議員が“隠れ親朝派”などと噂されたことがあったが、今は経済協力関係もパイプが塞がっているといわれる。

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親台

自民党右派を中心にして、親台派議員は根強く勢力を張っている。対中国との関係から、表立って親台派として活動する議員は多くないが、議員連盟や経済協力関係機関に名前を連ねる議員は筋金入りの親台派いえる。自民党を始め、自由党、民主党にもいる。

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