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日本の政治が語れる常識・知識事典
その政治家がどういうヒトかわかる事典
執筆   斎藤信義 (ジャーナリスト)

政治の技術事典

キングメーカー

54年に鳩山一郎を首相に押し上げた三木武吉、74年に三木武夫を首相に裁定した椎名悦三郎もキングメーカーと言われたが、本物のキングメーカーは田中角栄をおいていない。ロッキード事件で逮捕・起訴された後も、最大派閥田中派を率い、大平、鈴木、中曽根政権を誕生させた。これらはすべて田中の意志のままに決定したもので、自民党を支配し「闇将軍」と言われた。

◇関連『現代用語91-00』
[★角抜き〔流行語大賞'85〕]

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再編

自民党、社会党による55年体制が硬直化してきたことによって生まれた言葉で、「政界再編」という。93年、再編のキーパーソン・小沢一郎の自民党脱党しにより、政界再編の幕は切って落とされた。日本新党の細川護熙を擁立し、非自民連立政権を樹立したが、社会、さきがけ両党の離脱により瓦解。「自・社・さ」政権の樹立に対抗して、野党会派を糾合し新進党を結成する。新進党が分裂すると自由党を結成して、公明党とともに自民党と連立する。この間、社会党の解体、民主党の誕生があったが、肝心の自民党解体は起こらず、自民党一党支配という状況になっている。政界再編はまだ完成していないは、政界の誰もが認めるところである。

◇関連『現代用語91-00』
[★政界再編成〔1994年版 日本政治〕]

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連立

連立のキーパーソンも小沢一郎といえる。93年の細川連立政権の誕生は小沢の行動力によるものであるし、94年の「自・社・さ」連立政権は、反小沢感情が生んだ連立ともいえる。98年には一転して自民党と連立して「自・自・公」連立政権を創っている。創っては壊す小沢を「壊し屋」というが、異なった政治理念の政党を結集する腕力は政界の恐怖の的。ただし、この間の政界再編・連立劇は、政治理念というよりも政治技術的な駆け引きのみという批判も多いことは事実である。

◇関連『現代用語91-00』
[★連合政権〔1993年版 政党関係〕]
[★細川連立政権の外交政策〔1994年版 外交問題〕]
[★自社さきがけ連立政権〔1995年版 政党〕]
[★非自民連立政権〔1995年版 政党〕]

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党利・党略

自党に有利になるために法制度などを変えてしまうことであるが、もっとも目につくことは選挙制度の変更である。小選挙区制度は支持率低下傾向にある自民党の党利の面は否定できないし、小選挙区の定数変更も農村議員の多い自民党に有利になっている。選挙の度に問題となる“一票格差”も、農村部優位は変わらない。また政治資金規制法の抜け道なども、多数党である自民党の横暴という批判は強い。選挙関係以外でも、公明党の「地域振興券バラ巻き」のように、多数党、政権党が自党に有利になるように行う行為は多い。

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密室

国会の審議をとうしてではなく、誰に知られることもなく裏で決めてしまう政治形態。料亭政治などともいう。与党と野党の責任者がこっそりと会い、相手の顔を多少立てながら落としどころを相談することで、責任者は通常は国対の理事か委員長。ときには幹事長クラスが話をつけることもある。強硬採決、審議拒否などもきめられるというから、国民はサル芝居を見せられていることになる。密室でないゴルフ場で相談しても、密室政治には変わらない。相手党と上手に話をつけるのが有能な政治家といわれ、出世も早くなる。

◇関連『現代用語91-00』
[★密室政治/楽屋政治 (Behind the scenes manipulation) 〔1995年版 日本政治〕]

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