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訂正とお詫び

『条文ガイド六法 憲法(第2版)』訂正とお詫び

 小社発行『条文ガイド六法 憲法(第2版)』におきまして、以下の通り内容の誤りがございました。誠に申し訳ございません。

訂正させていただくとともに、読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
 
●P42「②非嫡出子の相続分規定の合憲性」の項目の文章を以下の通り訂正いたします。
 
 法律上の婚姻関係にある両親の間に生まれた子のことを「嫡出子」,法律上の婚姻関係にはない両親の間に生まれた子のことを「非嫡出子」と言いますが,かつて民法は,法定相続分について,非嫡出子は嫡出子の半分しか相続できないとしていました(平成25年改正前民法900条4号ただし書)。この規定が憲法14条1項に違反しないかが争われた事案において,最高裁は,「(民法900条4号ただし書きは)法律婚主義に基づいた嫡出子の立場を尊重すると共に、非嫡出子にも配慮して調整を図ったもので、合理的理由のない差別とは言えない」として合憲と判断しました(最判平成7年7月5日)。しかし、このとき一五人の裁判官のうち五裁判官が「相続での区別は個人の尊重と平等の原則に反する」「規定は今日の社会的状況に適合しない」などと反対意見を述べました。その後も、最高裁(小法廷)は、相次いで憲法に違反しないとする合憲判断を示しましたが、いずれも反対意見がついており,学説も,この反対意見を支持する見解が有力となっていました。
 このような流れを受け,最高裁は平成25年9月4日の決定で,法の下の平等を定めた憲法14条に違反するという判断を示しました。最高裁は決定理由の中で、「家族生活や親子関係に関する意識の変化やその実態の多様化」を根拠として挙げ、「諸外国が婚外子に対する法的な差別的取扱いを解消する方向にある」ことも考慮し、「法律婚という制度自体はわが国に定着しているとしても、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由として、その子に不利益を及ぼすことは許されない」として、「(婚外子の相続に関する)規定の合理的な根拠は失われており、法の下の平等を保障した憲法に違反する」との決定を下しました。その後平成25年12月5日に,当該規定を削除する民法改正法が成立し,これにより嫡出でない子の相続分は,嫡出子の相続分と同等になりました(同月11日に公布・施行)。
 
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