月刊基礎知識
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2013年08月号
選挙の勝ち負けに倍返しはあるのか、の巻
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アベノミクスの転がり方part.2

参院選、終わりました。議席獲得の上では、改選議席の半数を超える65議席を得て自民党の圧勝です。ですが、投票の動向を見てみると、政党の支持率をストレートに反映する比例区の得票率では、34.6%に過ぎません。これに投票率の52.6%をかけて絶対支持率をはじいてみると、約18.2%です。

有権者の8割以上が投票しなかった政党が、これから3年間、政権を担います。

こうなった理由は簡単で、実質小選挙区である選挙区の一人区で、2議席を取りこぼしただけで、全勝に近い結果を残したからです。このような結果自体は、大方の予想通りでした。自民党に勝因があったわけではありません。全ての野党に山ほどの敗因があり、それがわかっているのに解消しようとしなかっただけの話です。

執筆者:土屋彰久

ベストセラーを解読するマンスリーブックガイド

7月15日の週には直木賞作品が脚光を浴び、月末には芥川賞受賞作も発売されました。

まずその2作品を紹介します。直木賞の『ホテルローヤル』は、アマゾン総合1位に輝きました。芥川賞『爪と目』は、紀伊国屋書店の総合ランキングで8月9日時点で11位まで上がってきました。

さて新書で売れているのが、堤未果さんの岩波新書『(株)貧困大国アメリカ』。紀伊国屋書店の総合5位に食い込んでいます。『ルポ 貧困大国アメリカ』、『ルポ 貧困大国アメリカII』につぐ3部作の最終章で、ブッシュ政権、オバマ政権を描いた前2作について、今回は企業と行政の癒着に焦点を当て、2極分化を生み出しているアメリカの現状をレポートします。

次は、20%超えの視聴率をたたき出して社会現象ともなっているテレビドラマ『半沢直樹』の原作、『オレたち花のバブル組』です(アマゾン総合5位)。これもベストセラー街道を我が物顔に走っています。ちなみに著者の池井戸潤さんは2回前に直木賞を受賞しています。

異色作の『竹林はるか遠く』はアマゾンの総合9位です。終戦当時11歳の著者の、中国からの引き揚げ体験とその後の苦労が色濃く反映した小説です。終戦記念日に向けて、読まれてほしい一冊です。

執筆者:高木尋士
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