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出版・印刷・製本に関する単位
著者 白鳥 敬

出版・印刷・製本に関する単位

部(ぶ)/実売部数/公称部数

新聞・書籍・雑誌など印刷媒体の発行された数を表す単位。「発行部数1万部」「印刷(または刷り)部数10万部」などと用いる。冊(さつ)という単位も使われる。また、実際に売れた部数は実売部数という。このほかに公称部数というものがある。これは、雑誌広告を取るときの部数で、通常、実際の刷り部数よりも多い。公称部数は、出版業界の古くからの習慣で、公称部数が何部であろうと、実際の刷り部数は、業界人ならだいたい見当がつく。

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刷(すり)

書籍は、最初に出版された版を「初版」または「1刷」という。「初版1刷」と表示する場合もある。版という言葉は、昔、木の板に文字を左右逆に彫って版画のようにして印刷していた時代の名残。同じ版を使って再度同じ書籍を発行したとき、それを「2刷」と数える。以下「3刷」「4刷」となる。刷を重ねる場合は、誤植訂正程度の小規模な変更にとどまり、大きな内容の変更はないのが普通。新たな情報を追加するなど、内容に大きな変化があるときは、「第2版」と表記されることがある。

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別刷/抜き刷り

雑誌記事のうち、特定の記事だけを特別に抜き出して印刷し、糊付けなどで簡易製本をして、執筆者等に渡すものをいう。学会誌などで、執筆者の依頼に応じて、別刷りを渡すことがよく行われている。部数が多い場合は、有料となることが多い。

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連(れん)/連量(れんりょう)

連は、紙の量を表す単位。全紙判の紙1000枚を1連という。昔は500枚で1連といった。連量は、1連あたりの重さを重量キログラム(kgf)で表したもの。

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坪量(米坪)

紙1平方メートルあたりの重量のこと。単位はg/m2。一般的に、坪量が大きいほど紙の厚さが厚くなる。ただいろんな紙があるので、紙の密度が異なると、坪量が同じでも厚さが異なる。

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一折(いちおり)/折丁(おりちょう)

書籍を印刷するとき、1台の印刷機にかけることができる最大のページ数が16ページになり、これを折丁という。折丁一つ分またはページ順に最初の折丁を一折という。一折16ページ分をページ順に重ねて製本する。多くの書籍のページ数は16の倍数になっていることが多い。ただ、半端が出る場合もあるので、8ページ、4ページ単位で印刷される場合もある。

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判(はん)

紙の大きさは、原紙(全判)の大きさによって規格が定められている。一般的な週刊誌のサイズはB5判だが、これはB列全判(B0判)の紙を5回折り重ねたときの寸法で182mm×257mm。原紙には、A列本判、B列本判、四六判、菊判などがあり、それぞれ大きさは次の通り。A判(841mm×1189mm)、B判(1030mm×1456mm)、四六判(788mm×1091mm)、菊判(636mm×939mm)。書籍には、A5判(148mm×210mm)、B6判(128mm×182mm)がよく用いられる。

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4色(4C)/2色(2C)

印刷するときの色数を表す。正確には、刷版(さっぱん。印刷するときに使用する版)の数。カラー印刷(フルカラー印刷ともいう)を4色、2色刷りを2色というのは印刷出版業界の業界用語。4色とは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)。2色は、黒と赤、黒と青などの2色を使う。刷版の数が多くなるほど印刷コストが高くなる。

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表1/表2/表3/表4

雑誌の表紙を表1、表紙の裏側、つまり表紙を開いたとき、右開きの本なら右のページが表2。表4は裏表紙。その裏側が表3。普通、表4(裏表紙)、表2、表3の順で広告費が高い。つまり、露出度が高い順番に広告料金が決まっている。

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ポイント  P / Pt

印刷される文字のサイズ。略して「ポ」ともいう。1ポイント=0.3514mm。パソコンでは1ポイント=約0.3528mmのDTPポイントが使われる。これは1インチあたり72ドットの解像度になるように設定されたもの。日本では、1962年まで号数活字が使われていた。これは、活版印刷の祖・本木昌造(1824〜1875)が決めた活字で、最もひろく使われた5号活字が10.5ポイントに相当する。

また、ふりがなをルビというが、これは、宝石のルビー(Ruby)からきた名前。欧米では、昔、活字の大きさを次のように宝石の名前で表示していた。ダイヤモンド=4.5ポイント、パール=5.0ポイント、ルビー=5.5ポイント、エメラルド=6.5ポイント。ルビは、5.5ポイントの大きさである。このほか、写植文字の級(Q)という単位もあるが、一般的にはポイントの方が普及している。

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