月刊基礎知識
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2006年11月号
政権バトンタッチで時代の気分はどう変わるかの特集
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安倍新政権は流行語大賞をゲットできるか

安倍新政権は流行語大賞をゲットできるか<red> 2006年も残り少なくなって来ました。さあそろそろ1年間を「ことば」で振り返ってみましょう、とリストアップを始めて気づいたことは、昨年までに較べて政治のことばが少ないことです。長く続いた小泉政権から安倍内閣にバトンタッチされ、内閣支持率も上々のスタートを切ったと聞いていますが、いったいどうしたことでしょう、「ことば」は時代を映す鏡ということになっていますから、ことばの流行と支持率とが比例関係とまでは行かないまでもある程度の相関関係にあってもいいのかなと思いますが、「美しい国」も「再チャレンジ」も造反議員の復党問題や「タウンミーティング」「やらせ質問」に塗り潰されて、このままだと2006年新語流行語大賞に政治のことばが皆無!なんて事態もあり得そうです。もしかして、これが政権の先行きを暗示する現象かもしれないと気づいている人も多いんじゃないですか?

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大人の総合学習「国連事務総長」

大人の総合学習「国連事務総長」 国連安全保障理事会の理事国15か国はアナン国連事務総長の後任選出に向け、4回目の非公式投票をおこないましたが、韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商相が4回連続でトップとなり、この結果を受けて次期国連事務総長が内定しました。潘氏は拒否権を持つ5つの常任理事国すべてを含む14か国の支持を集め、当選を確実にしました。10月9日に安保理は公式投票を行い、正式に潘氏を選出した上で、国連総会に任命を勧告することになります。

執筆者:畑江 嘉門

袋小路派の政治経済学*[少子化問題]

袋小路派の政治経済学*[少子化問題] ずーっと下降を続けていた出生率が、今年はわずかながら上向いたと当局は言っています。いや、いいのかな、「上向いたそうです」と言っても。日本では、大本営発表以来の伝統として、政府発表の信用度が低いので、よさそうな話は、大体、話半分ぐらいに聞いておくのが癖になってしまっていますが、さすがに生まれた子どもの数までは粉飾のしようもないですよね。でも、知ってます?失業率のインチキ。知っている人はよく知ってることなんですが、失業者としてカウントされるためには求職活動をしている必要がある、つまり職安(ハローワーク)に出向く必要があるので、就職活動を諦めてしまったようなニートや引き籠もりは、勘定の外なんですよ。だから出生率だって・・・って、それはないかって話をしてたんですよね、考えてみれば。でも、相手がなんと言っても安倍”戦前回帰”内閣ですから、油断はできませんよね。さて、この出生率の上昇ですが、景気がよくなって、ここ数年我慢していたカップルが出産を始めたからだとか、現在の日本人生産を支えるティーンズ・カップル(族&レディース)の中でも中絶が減ったからだとか、いろいろ言われていますが、実のところ上昇幅は微々たるもので、とてもじゃないですが人口純減の基調に変化の兆しは見られません。その点では、財政改革と言いつつ、財政赤字の増加分を30兆に「抑えた」と言うのと似てますね。実際には、去年より借金が30兆増えて、財政破綻に一歩一歩着実に近づいているのを、増え幅がわずかに「減った」と騒いでごまかしているわけですから。ただ、財政赤字の増加が悪いことは確かですが、はたして少子化ってのは、そんなに悪いことなんでしょうか?少なくとも、一部の人々に都合「悪い」ことはたしかですが、それだけの話じゃないだろう、ということで、今回は少子化です。

執筆者:土屋彰久
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