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世の中不信になりそうです

偽装と社会・事件の用語集

偽装被害者

1952年度版本誌掲載。以下、

実は自分が犯人でありながら、逆に被害者と見せるため、いろいろな手段を用いて捜査陣の手をごまかす手。

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偽装難民/脱船者/密入国者

1993年度版本誌掲載。以下、

偽装難民とは、その資格がないのにインドシナ難民を装って上陸しようとする者で、1988(昭和63)年頃から急増して、89年の初夏には約3000名が九州沿岸に到着し、ニセ難民騒ぎになった。主要には福建省出身者で、もともとベトナム難民であるが中国に一時滞在したために日本では難民の扱いができない者も含まれる。

偽装難民は日中の二国間協定によって強制送還されたので、その後は端的な密入国の事例が増え、92(平成4)年には八丈島や伊豆半島の下田港など、東日本に上陸を試みるグループもでた。密入国者数は不明だが、92年には1万名に近づくと予測される。

また、寄港した外国船の船員に認められる特別上陸を利用して逃げ出す「脱船者」も増えている。

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偽装事故

保険金等の利益を得るために、故意に起こす事故のこと。示談金を目的にわざと車にぶつかる「当たり屋」などもこの偽装事故に含まれる。

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明治大学替え玉受験事件

1992年版本誌掲載。以下、

明治大学商学部2部の入学手続きで、4月1日、受験票の顔写真と学生証の本人の顔写真が異なる学生が見つかり、替え玉受験が発覚した。大学当局は、4月29日までに替え玉受験による不正入学と判断して入学を取消した。しかし、替え玉受験はまだまだあった。不正入学の1人がタレントの子息だったこと、また仲介役の中心人物がアマチュア野球で名を馳せ、元同大野球部監督でもあった会社役員・光沢毅容疑者(54)と、これまた、かつてのアマ・スポーツマン、元同大相撲部監督で同大研究所職員・滝沢憲太郎容疑者(48)だったことから、一層衆目の集まるところとなった。光沢容疑者からの依頼で滝沢容疑者や同大教務事務部・下原卓容疑者(56)らが動き、明大生(22)の調達役が替え玉の学生らを手配していた。今春、判明した替え玉受験は、1部の政経、経営学部、それに2部の法、商学部合わせて20人、そのうち合格者は14人で、入学手続きをした者は7人だった。替え玉役は明大、早大、慶大、立大の現役学生13人(1人は今春の卒業生)で、1人で4学部を受験した者もいた。依頼した親13人、動いた金は1億2000万円以上に上る。おもな依頼者の謝礼は900万円から1500万円。なお、タレントの父親は謝礼はなかったと主張した。不正入学は10年前から行われ、今春のような替え玉受験は84年から、滝沢容疑者らが受験票の顔写真の張り替えをして、90年までに20人以上を合格させていた。替え玉の大学生12人は、起訴猶予となったものの、各大学は厳しい処分を下し、8人が退学処分、4人が停学処分となった。彼らは、合格した場合30万円、不合格で10万円の報酬だった。金銭欲とゲーム感覚の軽いノリで単純に行動し、大学生としての常識や倫理観がなさすきることが、改めて世間の話題になった。

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聖心女子大学替え玉投票事件

1992年版本誌掲載。以下、

四月の東京・渋谷の区議選で、運動員の聖心女子大生2人が、女子寮の学生の投票所入場整理券を20人から集めて、仲間の運動員たちに与えて替え玉投票(不在者投票)したというもの。替え玉たちの投票所での不審な行動から発覚、女子大生たちは公選法違反(詐偽投票)で書類送検され、罰金15〜17万円と3年間の公民権停止命令をうけた。そして、名門女子大建学以来の不祥事にゆれた同大は、2人に半年間の停学、他の者に訓告の処分を下した。

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替え玉審査

1997年版本誌掲載。以下、

生命保険などの審査で健康な別人を使うこと。客と営業職員の利害が一致したときに行われるが、保険の申込書と診断書に書く名前などの筆跡が違ったりして、そう簡単には成功しない。

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食肉表示偽装問題

2003年度版本誌掲載。以下、

雪印食品の食肉偽装事件(→別項)を引き金に、輸入豚肉・鶏肉を国産に、国産豚肉・鶏肉を産地や銘柄を偽ってより高級に見せかけ販売し、差額をだましとっていた問題が続々と明るみに出た。2002(平成14)年2月には食肉卸大手のスターゼンが白豚を黒豚に、大分県産のホルスタイン牛を佐賀県産白石牛に混入、鶏肉を銘柄の「みつせ鶏」と偽って表示し、九州ジャスコ16店舗に出荷していたことが判明。3月には、全農系の全農チキンフーズと加工を依頼した鹿児島くみあいチキンフーズの鶏肉の偽装が明るみに。「長期無薬」を「無薬」と表示、「薩摩鶏」に岩手、宮崎、佐賀産も混入し、さいたまコープなど数生協に納入していた。茨城・玉川農協は、産地の異なる豚肉を偽って表示し東都生協に出荷。また、伊達物産はブラジル、タイ産を「伊達鶏」と偽装表示、総合商社丸紅の子会社丸紅畜産は、1999年4月以降、ブラジル産鶏肉1700トンを国産ブランドに虚偽表示など、次々と問題が出てきた。これらは氷山の一角とみられる。生協グリーンコープは、2002年7月、偽装表示した「蔵王土鶏」を販売した蔵王フーズを相手に損害賠償訴訟を起こしている。

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日本ハム牛肉偽装事件

2003年度版本誌掲載。以下、

不正は雪印食品、日本食品に次いで、食肉加工最大手の日本ハム(本社・大阪市)までもが牛肉買取り制度で不正を犯していた。日本ハムは、グループ企業の日本フード(社長は東平八郎日本ハム副社長・日本ハムの100%子会社)の愛媛、徳島、姫路の3営業部で、2001(平成13)年10月から11月にかけて、輸入牛肉約4・3トンを国産に偽装。日本ハムを通じて申請した約14トンの中に紛れ込ませて、業界団体の日本ハム・ソーセージ工業協同組合に買い取らせ、1010万円の仮払金を詐取していた。抜取り検査では不正を見逃すことがわかった農水省は、保管中のすべての牛肉の箱を開けて中身を調べる全量検査に切り換えると、7月、日本ハム・ソーセージ工業協同組合が「自主点検で対象外の肉を見つけたため」と補助金を返上し、国が止めるのも聞かずに業者に肉を返却。1・3トンの返却を受けた同社は、品質保持期限の切れた肉だといって焼却してしまったのが発覚の発端。庄司元昭専務(64)と東平八郎副社長(69)が隠ぺいを主導したとされ、専務は「(補助)金を返せば問題ないと思った」と述べている。3営業所のそれぞれの部長は「自分の独断でやった」と話し、上層部からの指示を否定。本社も関与を否定している。農水省は9月12日、偽装工作を直接指示した3営業部長の詐欺容疑で刑事告発した。8月20日の新人事の発表で、大社義規同社会長(87)が経営の第一線から退くものの、「名誉」会長職に就くとするなど大甘なもの。この期に及んで「名誉」を付けた部署を新設し、創業者をかばうトンチンカンな感覚に厳しい目が向けられた。6日後、会長は完全撤退することに改められた。また、女性の有識者を社外取締役に迎えたり、内部告発の窓口を社外の弁護士事務所におくなどの、再発防止策が発表された。

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「八女茶(やめちゃ)」偽装事件

2004年度版本誌掲載。以下、

2002(平成14)年12月に、JA全農ふくれん(福岡市)が生協エフコープから受託製造していた福岡県星野村産のブランド茶「八女茶」に3年間にわたって他産地の原料を一部に使用していたことが発覚した。農林水産省の5日間にわたる業務停止処分に対して、全農側は八女茶製造からの撤退を決定した。

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戸部警察署偽装自殺事件

2004年版本誌掲載。以下、

「容疑者は証拠品の拳銃で自殺した」との警察発表は真っ赤なウソだったようだ。横浜地裁は、取調官が誤射して、その隠蔽工作をしたと認定した。この事件は、1997(平成9)年11月、神奈川県警戸部署で金融業柳吉夫さん(当時55)が、巡査部長(53)と1対1の取調べ中の、いわば密室状態での出来事。真実を知るのは県警側のみだった。柳さんの長女は「警官に撃たれて死亡した」として県に対して総額約900万円の損害賠償を請求する民事訴訟を起こした。この訴訟のねらいは、秘密主義の警察から情報を引き出すことだった。2002年11月の横浜地裁の判決で裁判長は「拳銃の引き金を引いたのは取調官と推認するのが相当」として重過失による拳銃の誤射(暴発)による死亡と認定、県に500万円の損害賠償を支払う命令を下した。遺族側は特別公務員暴力陵虐致死などで巡査部長を告訴していたが、地検では不起訴処分としており、異例の展開となった。柳さんは銃刀法違反容疑で逮捕され、確認のため渡された拳銃で取調官の隙をみて弾を込め、左胸に向けて発射。心臓破裂で死亡したとされた。県警は控訴した。

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詐称

年令や氏名、保有資格や職業などを偽って称すること。名声を得るためや選挙の際に票を集めるなど、さまざまな目的のために、有名大学を卒業したかのように経歴を偽装するのは「学歴詐称」。学歴詐称が判明、もしくはその疑いをかけられた有名人は後を絶たない。

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ニセ有栖川宮詐欺事件

2003年(平成15年)有栖川宮家の末裔と偽り、有栖川識仁こと北野康行と坂本晴美が披露宴を行い、祝儀金を詐取した。披露宴には俳優の石田純一さんら約400人が出席した。祝儀金は約1200万円ほど集まったが、経費がかさみ、実質的に得た金額は1人当たり100万円に満たなかったとか。

本当の有栖川宮家は後陽成天皇の第7皇子・好仁(よしひと)親王が創設。1913年の第10代・威仁親王薨去により実質的に断絶、祭祀は高松宮家が引き継がれた。

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ペパーダイン大学

2005年本誌掲載。以下、

衆院福岡2区選出・古賀潤一郎元議員(1958生)の学歴詐称問題で浮上。実際には卒業単位がかなり不足していた。『ポパイ』創刊当時の「カリフォルニア大好き少年」が、その後、どのように生きたかという見本。実際に古賀元議員は当時、テニスウェアで『ポパイ』に登場している。学歴疑惑が持ち上がった当初は「不足分の単位をとり直したい」と泣いてみせたが、議員は辞職せず。福岡地検の捜査が入り、9月下旬、突如「政治的、道義的責任をとる決意をした」と辞職願を提出した。起訴猶予処分に。

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偽装入院

実際には健康体である人が、ある目的のために病気を装って入院すること。スキャンダルを起こした政治家などが、マスコミから身をかわすためにすることが多い。その際症状として「心因性の○○」と報道されることが多い。いきつけの小料理屋がある、というのは大人のたしなみのひとつだが、有名人にとっては都合の悪い時に身を隠すかかりつけ医がいることもたしなみのひとつなのかもしれない。

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