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ベストセラーから生まれた流行語
 

そのほかのベストセラーと流行語

サラダ記念日

短歌界の超大型新人・俵万智のデビュー歌集『サラダ記念日』は、短歌集としては異例の260万部という大ベストセラーとなった。口語体を自在に駆使した歌風は、短歌の世界を変えたばかりでなく、多くの短歌ファンを生み出した。また独特な語感は、短歌以外の言葉の世界にも大きな影響を与えた。「○○記念日」が各地で続々と誕生したのも、人気を物語るエピソードである。

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脳内モルヒネ

人間がプラスの思考をしたり、いい気分になった時に、脳内に分泌されるというβエンドルフィンなどの化学物質のこと。この物質が脳内に出てくると、体の免疫力が活性化され、がんを防ぐなど健康維持につながるということで、これまで約40種類の物質が見つかっているという。『脳内革命』というベストセラーの本の中で、著者の春山茂雄医師が主張したことから話題になったが、真偽のほどはわからない。

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老人力

1999年版本誌掲載。以下、

赤瀬川原平の新著『老人力』(1998年9月刊)に由来する新語で、「2015年には日本国民の4人に1人は65歳以上の老人となる」という世界一の高齢化大国ニッポンに生きるものとしては大いに勇気づけられる。いつまでも「自分だけは若い」と思いこんでいる人でも、ある日突然、肉体の衰えやボケ、無気力…などの自覚症状に気付いて愕然とする。しかし、そこでガックリきたら一巻の終わり、ますますジジ・ババ臭くなって老兵は消えゆくのみ。逆転の発想で「いよいよ俺にも『老人力』が付いてきたぞ!」と開き直って、前向き志向に切り替えれば、決して青臭い若僧なんかに負けないパワーがみなぎってくる、という実に力強い御託宣である。老人力の開発・振興にどれだけ公的資金を注入できるかが21世紀の日本の発展のカギなのだ!

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他力/自力

2000年版本誌掲載。以下、

自分を取り巻くもろもろの厄介な状況は自分自身で引き取らなければいけないと石原慎太郎『法華経を生きる』(幻冬舎)、片や、いつか物事が好転するというくじけぬ信念を持ち、最善を尽くせば好転すると五木寛之『他力』(講談社)。「世紀末の悩みや迷いから抜け出す“ヒントの教本”」とサンデー毎日(1999年8月2日号)。

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シングルトン

イギリスの30代の未婚女性を描いた「ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jones's Diary)」は、1995(平成7)年からイギリスの新聞コラムに掲載されるとたちまち話題を呼び、23カ国で翻訳され「ブリジット旋風」を巻き起こした。日本でも98年に翻訳され、2001年にはレニー・ゼルウィガーを主役に映画化された。初デートに勝負下着にするか、それとも補正下着にするか迷ったり、お酒もたばこもやめられず、ダイエットも続かない…ちょっとコミカルなブリジットにOLたちは自分の姿を重ね、笑い、そして泣いた。原作者のヘレン・フィールディング(Helen Fielding)も30代の未婚女性で、「独りで立派に生きていける独身者」のことを「シングルトン(singleton)」と名付け、流行語にもなった。

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世界がもし100人の村だったら

現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、全世界を100人の村に縮小して紹介した、ドメラ・メドウズの新聞コラムが、10年以上英語の形でインターネットの世界を回っている間に、大勢の人が気持ちを書き込んでできあがったメッセージを口承文芸研究家の池田香代子が加筆補正し、2002年にベストセラーになった。民俗学をフォークロア(Folklore)という。フォーク(民俗)とロア(伝承)からなるこの言葉から、E-メールから生まれたこの話を、池田はインターネット・フォークロア(民話)であるということで、“ネット・ロア”と名づけた。「○○がもし、○人の○だったら」と統計から導いた特集が雑誌などでよく組まれ、流行語となった。

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