マーサ・スチュアート

◆ニュージャージー州

ニューヨークの南に位置する州。州都はトレントン。Garden Stateと呼ばれるように緑が豊かなことで知られ、マーサ（1941生）の出身地である。父は薬剤師、母は教師で、6人きょうだいの2番目（長女）として生まれた。マーサはきょうだいの中で一人だけ、父の趣味である庭仕事に興味を示したため、父と接する機会も多く、「やりたいと思うことは何でもできる」という精神を叩き込まれて育ったという。

◆モデル

model　　職業の一つ。衣裳などの商品を客に見せるため、身に着けて人前に立つ。マーサはバーナード大学（ニューヨーク）在学中、アルバイトでモデルをつとめ、タバコ、シャンプー、スープなどのCMに次々と起用された。ちなみに、同じ学年に、のちに「飛ぶのが怖い」で知られる作家エリカ・ジョングがいた。

◆早婚

若くして結婚すること。マーサは1961年、大学在学中にロースクールの学生アンディ・スチュアートと結婚。マーサにモデルとしての収入があったため、学費・生活費をまかなうことが可能だったという。大学もきっちりと卒業し、その2年後には娘のアレクシスを産んだ。ちなみに、夫アンディとは1990年に正式離婚。夫に別の女性ができたためで、マーサは「乗り越えるのに5年かかった」と語っている。

◆ディーラー

dealer　商人、証券業者の意。マーサは卒業後、株式のディーラーだった岳父から市場の話を聞くうち興味を持ち、ウォール街の証券会社モンズ・ウィリアムズ・サイデルでディーラーとなって働くようになった。仕事ぶりは優秀で、数年後には年収2000万円近くを稼ぐようになったという。その後次第に興味を失い、「売って楽しいものを売りたくなった」と、1973年、8年間のディーラー生活に終止符を打った。

◆コネチカット州

ニューイングランド地方の表玄関ともいえる州。州都ハートフォード。全米で3番目に小さい州として知られるが、ニューヨーク郊外の高級住宅地を抱えており、人口1人当たりの平均所得は全米首位クラス。米国の白人中流層がうらやましいと感じるライススタイルがここにある。先代ブッシュが育った地、また現大統領ブッシュの出生地でもある。証券会社を辞めたマーサは家族とともにここに移り住んだ。19世紀初頭スタイルの古家を買い取り、2年がかりで自分たちの手で大改装したという。

◆ケータリング

料理の仕出し業。cater（まかなう、食糧を調達する）から。1976年、マーサは友人と組んでケータリング・サービスの会社を始める。マーサには中学・高校時代からアルバイトで慣れ親しんだ職業でもあり、数年のうちに売り上げは1億円以上に達した。また、一流企業や有名人が顧客に名を連ねるようになった。

◆Entertaining

「もてなし」の意。マーサの初めての著書（1982年）。出版社勤務だった夫を通じて知り合ったクラウン社の勧めで執筆。35種類のパーティのアイディアやレシピ、デコレーションの方法、細やかなもてなしのヒントが盛り込まれている。瞬く間にベストセラーとなり、マーサの名は一躍全米に知られるようになった。

◆『Martha Stewart Living』

1991年創刊の雑誌。マーサが新しく考え出したメニュー、ラッピングの方法、テーブルクロスの編み方などを紹介するとともに、コラムを連載して読者の人気を得た。誌面には必ず働いているマーサの写真が掲載されたが、これについてマーサは「読者はみんな、私が仕事着を着て畑仕事をしている姿が好きだから」と語っている。

◆エミー賞

1948年創設。アメリカのすぐれたテレビ番組や俳優、プロデューサー、テレビ局、または放送技術開発に対して与えられる賞。連続ドラマ・連続コメディ・音楽やショー番組などの分野に分かれる。1993年CBSで放送開始されたマーサの番組『Martha Stewart Living』は翌年この賞を受賞、以後2000年まで計6回の受賞をしている。

◆インサイダー取引

株価に影響を与える情報を得る立場にある者が、その情報を利用し、利益を得たり損失を免れたりすること。マーサは2001年の年末にインサイダー取引でバイオ企業ImClone社の株を売りに出したとされ、そのイメージダウンが取りざたされた。同社が開発中の新薬が不承認になると知り、急いで株を売却したという。

◆マーサ・スチュワート・リビング・オムニメディア社

Martha Stewart Living Omnimedia，Inc.　マーサが社長兼CEOを務める企業。出版、TV、マーチャンダイジング、インターネット／通販の四事業を通じて、マーサが提唱するライフスタイルを消費者に広める。キッチン用品、ガーデニング用品などのブランド「マーサ・ステュアート・エブリデイ」の展開もこのなかに含まれる。