サッカーW杯にみる世界の人びとからキーワード
――感動的なプレイをみせてくれた選手たちはどんな人びとだったのか
ドイツが勝てばゲルマン魂、スペインが勝てば無敵艦隊、イタリアがやられれば「マンマ・ミーア」だ。紋切り型の国民性をいうのは、今日的にはちょっとカッコの悪いことなのだけれど、なぜかW杯は違っている。サポーターも選手も“その国らしさ”をみせるし、ことによるとそういう部分を誇っているようにもみえる。それがまた心地よい。いいじゃないか4年に一度くらい、露骨に“クニ”を背負わせても。われわれにっぽんも熊どもをぶっとばし、カルタゴの鷹をしとめ、赤い悪魔と互角に戦ったのだ。
“国際的な大イベントは日本を変えるか”の用語集
――報道はW杯共催が日本を変えた歴史的イベントだとさえいっているが…
W杯はたしかに世界最大のイベントだ。だからといって「日本を変えた」とまでいうのは言いすぎだ。変えようと意図して誘致してきたわけはないだろうが、そういう面がまったくないともいえないだろう(とくに自治体などは経済効果などの方面で…)。しかし、いまあえて言おう。一大国際イベントは「日本」を変えうる---いや、かつては変えた!といっていい。なぜなら40年ほど前、日本はいまよりずっと若かったから。
東京オリンピックや大阪万博当時の言葉・世相と、W杯の準備期間から開催にいたるまでの私たちの現代とを較べててみるとき、さまざまなことを考えさせられるだろう。