月刊基礎知識
著作権について お問い合わせ バックナンバーへ
2002年6月号
「W杯はどれほど大騒ぎだったのか!の特集」
Topics Topics

サッカーW杯にみる世界の人びとからキーワード

――感動的なプレイをみせてくれた選手たちはどんな人びとだったのか

感動的なプレイをみせてくれた選手たちはドイツが勝てばゲルマン魂、スペインが勝てば無敵艦隊、イタリアがやられれば「マンマ・ミーア」だ。紋切り型の国民性をいうのは、今日的にはちょっとカッコの悪いことなのだけれど、なぜかW杯は違っている。サポーターも選手も“その国らしさ”をみせるし、ことによるとそういう部分を誇っているようにもみえる。それがまた心地よい。いいじゃないか4年に一度くらい、露骨に“クニ”を背負わせても。われわれにっぽんどもをぶっとばし、カルタゴの鷹をしとめ、赤い悪魔と互角に戦ったのだ。

“国際的な大イベントは日本を変えるか”の用語集

――報道はW杯共催が日本を変えた歴史的イベントだとさえいっているが…

国際的な大イベントは日本を変えるかW杯はたしかに世界最大のイベントだ。だからといって「日本を変えた」とまでいうのは言いすぎだ。変えようと意図して誘致してきたわけはないだろうが、そういう面がまったくないともいえないだろう(とくに自治体などは経済効果などの方面で…)。しかし、いまあえて言おう。一大国際イベントは「日本」を変えうる---いや、かつては変えた!といっていい。なぜなら40年ほど前、日本はいまよりずっと若かったから。

東京オリンピック大阪万博当時の言葉・世相と、W杯の準備期間から開催にいたるまでの私たちの現代とを較べててみるとき、さまざまなことを考えさせられるだろう。

やってくるはずの危機は本当にくるかの用語集

――W杯がやってきて、フーリガンや何かですごい混乱がおこるはずではなかったか…

やってくるはずの危機報道というのは、いつでも人騒がせなもので、今回のW杯でも開催前には、路上で人が騒いだり川に飛び込んだりで済まないようなトンデモナイことが起こるようないい方をしていたじゃないか---焼き討ちとか。それがどうだ(本Web公開現在、そういうことがなかったとは限らないが)。「××危機」「××問題」というのは、往々にしてそうだ。…だからといって本当に「危機」がくる場合もあるから要注意だ。

新学習指導要領で勉強しなくなった課目と単位

――知らないとこんなとき困るかな?

知らないとこんなとき困るかな?“教育は100年の計”という。4月・5月には、あれだけ報道されていた2002年問題が、いつのまにかW杯報道でまるで伝えられなくなっている。このあとどうなるのだろう。なにしろ2006年問題2009年問題も引き起こそうという一大事態なのだ。 執筆・白鳥敬(サイエンスライター)


All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS